『少年の君』

２０１９年制作の中国映画。公開当時、めっちゃ話題になってたので楽しみに観たら、案外フツーだった。「話題」って、こっちの（大衆にウケるという意味での）「話題」かぁ、と。メンツを大事にする中国当局に気を遣ってか、冒頭に授業で見せられる教材ビデオのようなメッセージが入ってきたときにイヤな予感はしたのだった。

主人公は、進学校に通うチェンニェン。勉強一筋、成績がよくて誰ともつるまないチェンニェンは学校でイジメに遭っていて、街でぐうぜん助けた（助けてるかこれ？）チンピラ・シャオビンと契約することに。私を守るかわりに、「何か」をあげる、と。何かって何？

このチェンニェンが、とりたててかわいくもぶさいくでもない、超フツーの女子。で、チンピラのシャオビンがクッソイケメン。何がどうなったらこんなイケメンが、こんなフツーの女子を、命を賭してまで守ってくれることになるのか、全然わからない。つまり若干、少女マンガっぽい。

だんだん二人だけの世界に突入してきて置いてけぼりに。これが少女マンガなら爆笑ツッコミ入れながら楽しめるんだけど、少女マンガを３次元でやられるとシラけるのは私だけでしょうか。

ただ、中国の過激な試験競争と過大なストレスがいじめを引き起こしてそれが社会問題になっている、というのはよくわかる。