TBSラジオの超人気番組「伊集院光とらじおと」が放送されていたころ、番組内で、自由律俳句を投稿するコーナーがありました。そのコーナーで5年間に読まれた膨大な数の作品のなかから、155作を厳選&出演者のトーク付き、というラジオの企画本です。


自由律俳句のいいところは、読む人によって解釈や情景がまったく違うところ。出演者の誰かと同じ意見のときもあれば、まったく違うときもあっておもしろいんです。


たとえば「息子の彼女が私に似ている」。これ、「母親が息子の彼女を認めたときの気持ち」とか、「認めたくないけど息子が好きって言ってるんだから仕方ないっていう諦めの気持ち」とかスタジオで喧々諤々。だけど私は母親の立場になってみたら、「さっさと親離れしてくんねーかな」と思ってしまったんだけど、こう思った人が一人もいなかった(笑)。


それとは別に私が好きなのは、「季節の段差につまづく」、「夜また夜さらに夜」。いや季節の変わり目に風邪ひいたとか、もう人生何もかも全然うまくいかなくてずっとこのままなんだろうか…っていうのを、一文でさらっとこういうふうに表現できたら、絶望もずいぶん違う様相を呈するんじゃないだろうか。


で、ここだけの話。私がこのコーナーに思い入れがあるのは、私の自由律俳句が読まれたことがあるから、なんです。本には選ばれてなかったので、せっかくだからここに記録しておく。


「欲しいときには金はなし 買えるときには欲はなし」


これ、私はソウルに出張中に聴いてて、ホテルの部屋でびっくりして叫びましたもん。柴田理恵さんがこれにものすごい食いついてくれたんですよね~。


しかし再び自由律俳句のいいところ、それは解釈と情景が人によって違うところ。私の句の場合は、情景はそれぞれちがうだろうけど、解釈はたぶん同じですよね。う~ん、もうひとつ広がりが欲しかったな。



 

 




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