わかつきひかるさんの小説。ジュブナイルポルノっていうらしいんですけど、このジャンルの小説ははじめて読みました。
というのも、ちょっと前から私、わかつきひかるさんのＹｏｕＴｕｂｅでラノベの書き方を見てたんですね。それが超おもしろくて、日本に帰ったら絶対読もうと思ってたんです。で、少女小説のつもりで手に取ったらけっこうエロ多めでした…（笑）。
時は大正時代の横浜～東京。没落華族西園寺家の一人娘・絢子（孤児院出身）は、困窮する実家を助けるために、身分を隠してカフェーで働いている。するとそこへ、若くて筋肉質で華族で起業家で４カ国語がペラペラのイケメンが求婚してくるっちゅう（笑）、私のインナー中２女子を瞬殺する気か！というストーリー。
モボ・モガ、カフェー、ミルクホール、華族の生活、調度品、舞踏会のようす、そして中華街など、大正時代の異国レトロ文化がたくさん出てきてわくわく読みました。
なんつーか、「いろいろあっても結局、王子様に溺愛されてめでたしめでたし」みたいな旧きよきハッピーエンドが、ディズニー映画内でさえ絶滅危惧種となった今、こういう定型に安心する自分がいることは否めない。いえ、現実の私は、お決まりのハッピーエンドなどどこにもないという荒野のごとき現代を生きていくつもりだけど、正直いって多様性もときどき休憩したいのよ、妄想の中だけでも（笑）。
正解のない厳しい時代を生きる乙女たちのひとときの現実逃避のために、このジャンル、これからも生き残っていって欲しいな～。
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