森田芳光監督のホラー映画。貴志祐介さんのホラー小説大賞受賞作が原作。

とある生命保険会社のサラリーマンが巻き込まれる、連続保険金詐欺事件の話。原作は1997年で、映画化が1999年。森田監督といえば『家族ゲーム』しか観たことないんだけど、あの演出の奇怪さには目が離せなかったもんだった。今回も、登場人物の挙動やカメラワークや、音や映像の演出が常にどことなくヘンで、「え、何これ…?」とか思ってる間に2時間が一瞬で過ぎる。

大竹しのぶ演じるサイコパスの女が超絶怖いんだけど、サイコパスってたしかに、当時は今ほど一般名詞ではなかったというか、「心を持たない人」って取り上げるだけで新しかった。だから当然、この映画はサイコパスを怖がる人側の視点で描かれていて、でも今観ると「サイコパス=ただの常軌を逸した怖い人」として特別扱いしすぎて、一人の人間にあんなことできる?と思う場面もしばしば。そこがちょっと物足りないけど、それはまあ時代的に仕方ないかな~と思った。

もし今、サイコパスによる保険金詐欺事件をテーマに描くなら、サイコパス側に寄り添った視点から描かれると思うんだけど、そういう映画がこれから作られるのを期待している。もうあるのかな?


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