『自作の小屋で暮らそう　Ｂライフの愉しみ』

高村友也さんの小屋暮らし本。

今でこそ小屋暮らしが注目されてきたけど、そんなブームより１０年以上も前から勝手に続けていた高村さん。小屋暮らし勢のなかでは圧倒的に早く、そしてもはや孤高で、カッコイイなあ。

私はとにかく頭のいい人が書いた文章を、「ぐへへ～頭いい人が書いた文章だこれ～」と思いながら読むのが好きなんだけど（←頭わるい人の感想、笑）、高村さんのまるで問題集を解いていくような着実なアプローチに唸る。何しろホーリツをきちんと遵守しているんである。

私が小屋暮らしをしたら、たぶん、とりあえずやってみる→知らないうちにホーリツを破っていてタイホ、みたいなことになっていたと思うから（だって農地法とか都市計画法とか知らんし笑）、このようにきちんとホーリツ面までフォローし、それでいて肝心の小屋作りはできるだけテキトーに、というハウツー本があってよかった。テキトーな私がホーリツを破らないで今後小屋暮らしをするときに、絶対役立つと思う。

でも、まじめ一辺倒な本かといえば、なんつーか、本人はまじめに書いてんだろうけどなんかちょっとおかしいところもあって、無自覚なユーモアがこの本をかわいげのあるものにし、そして多くの人を惹きつけているのだろうことは間違いないと思う。

しかしこのように徹底的な記録を読んだ後では当然、なぜこの人はこんな小屋暮らしをするようになったのだろう、と思うもので、なるほどだからこのあと彼が経てきた生と哲学の本につながっていくのだな、と思ったことでした。