『海街Diary1 蝉時雨のやむ頃』

吉田秋生先生のマンガ。以前、是枝裕和監督の映画を観たんだけど、良さがわからなくて中断してしまい、原作でリベンジ。

鎌倉に住む三姉妹のもとに訃報が届く。それは、１５年前に外に女を作って出奔し、長いあいだ会っていない父の死を知らせるものだった…という話。父は、かけおちした女とのあいだに女の子をひとりもうけて死に別れ、別の女と再婚して、その再婚相手との間にも２人の子どもがいて…と、このようにか～なり複雑な家庭環境なのです。そして父が出奔したときにある程度ものがわかるくらい大きくなっていた長女サチと、まだ何もわからないくらい幼かった次女ヨシノ＆三女チカとで、これまた父への想いにかなり差があるのですよね。

ここに出てくる大人たちがも～ダメ人間ばっかりで、子どもたち（といってももう大人になってるけど）のほうがよほどしっかりしている。べつにあんな奴らに義理立てする筋合いなんかねーわ！ほっとけほっとけ！と思うんだけど、それぞれの責任感と優しさと欲のなさで、後悔のないように、自分に恥ずかしくないように、今できる最善を尽くそうとする彼女たちに、胸が熱くなります。いや～私だったら、こんな立派な対応できない！

一巻は、①四女のすず、鎌倉に引っ越してくる、②次女ヨシノ、恋人の真実が発覚、③すず、地元のサッカーチームに入る、といった感じ。彼女たちならきっと何があっても大丈夫、と思いつつ、遠い親戚のように、心の中でめっちゃ応援している。