まんしゅうきつこさんのマンガ、初めて読んだのですが、似ている、、、。

何が似ているかって、まんしゅうさんと、まんしゅうさんに依存される弟さんの関係が、友人のスジャータ女史と、私のそれに似ているんである。

マンガの中で、まんしゅうさんはことあるごとに酔っぱらって弟に電話をかけ、

「今日ね、飛行機が話しかけきてね、宇宙人がいるかもしれないの、、、」

「さっき須藤元気とすれ違ったらね、時空が歪んだの!あれは宇宙人よ!」

と幻覚トークを炸裂させるのです。


スジャータ女史もことあるごとに隠居宅の固定電話を深夜の一時とかに鳴らす。そして、

「今日は隣の家の木が話しかけてきたの!」

「いま地震すごかったね!」(←まったく揺れてない)

「代々木公園の木に話しかけたら無視されたの!スカしやがってあの野郎」

「じつは私、ある有名ジャーナリストにインドのスパイ嫌疑をかけられています」

「今日家に帰ったら強盗と鉢合わせて、ペットの蟹ちゃんだけ持って逃げたのね!蟹ちゃんなら無事だから!」

「昨日の夜、ショートヘアの女子の霊に霊プされたところ、とても具合がよかった」

と、ブログに書けるレベルでも以上のようなことをマシンガンのように喋りまくるのである。


まんしゅうさんの弟はえらい。まんしゅうさんが酔って電話をかけるたび、

「いい加減にしろクソが!今度宇宙人の話したらぶっ殺すぞ!」

「酒に頼って人とコミュニケーションとるなんてぜんぜん面白くねーんだよ!」

と、ちゃんとキレるのである。


しかしスジャータ女史は酔ってはいない。というか酒は飲まない。素面なうえに、幸か不幸か超絶面白いんである。幻覚かどうかなんてどーでもよいのだ。キレたらこんな面白い話が聞けないではないか。

思わず「ほんで?」「それからどうなった?」とか聞いてしまい、気がつけば丑三つ時。

そんなスジャータのオールナイトニッポン(隠居直通)が連日放送されるので夜更かしが続き、だんだんしんどくなって電話を無視し始める、というのがいつものパターンであった。

いま振り返ると、私は依存されていたことに、気がついてなかったのかもしれん。

しかしスジャータ女史はアル中ではないので、治すところはとくにない。

なんか、前世インドでも出会って7年くらいでいろいろしんどくなって私が山の中に逃げたような気がする。

今回も無意識に危機感をつのらせて台湾に逃亡したような気がしなくもないが、現在は帰国した際にときどき会うだけで、たいへん関係が良好なのでこれでよしとしたいところである。

と、前世の後ろ暗い思い出まで呼応されてしまう、私にとっては危険で面白い、不思議なマンガであった。

追伸・先日、スジャータ女史がとあるネット番組に出演したのであるが、スジャータ女史のトークを聞いて私は大爆笑。ところが、スタジオ内の誰ひとり笑っていませんでした。あれ?いまの超絶おもしろくなかった?私がおかしいのだろうか。スジャータ女史っておもしろいですよね?ね?

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●おもしろかった漫画(隠居の本棚より)