いわさきちひろさんの絵本。

こないだ、三重県立美術館に、いわさきちひろ展を見に行った。いわさきさんといえば、独特のにじんだような、淡いカラフルな水彩画。ところがこの本はどうですか。最初と最後のシクラメンの赤以外、色がない。

タイトルを見ればわかるけど、この本は戦時下の子どもたちを描いた絵本。これが出版されたのが1973年だから、まだベトナム戦争は完全に終わっていなかった時期。そしていわさきさんは1918年生まれだから、若い頃にいくつかの戦争を経験していることになる。

ベトナムと日本をシームレスにつなぐのは、戦時下の子どもたち。「あたしたちの一生はずーっとせんそうのなかだけだった」という語りかける声の、なんと小さいことか。

でももう、たくさんの人が、デカい声でしゃべる人の話に疲れている気がする。いまこの世界に足りてないのは、デカい声を聞く耳ではなくて、小さな声をすくい上げる耳だと思うのだけど。

8月だったのと、早く戦争やめろ、そして二度とすんな、という気持ちで、戦争関連の読書を強化していきます。

 

 

 
●面白かった絵本(隠居の本棚より)
 
 
『ちいさなねこ』(石井桃子、横内じょう・著)
 
『Professor Crocodile』(Giovanna Zoboli・著, Mariachiara Di Giorgio・イラスト)
 
『ぶす』(内田麟太郎、長谷川義史・著)
 
『よあけまで』(曹 文軒・著, 和歌山 静子・イラスト)
 
『ちいさいおうち』(バージニア・リー・バートン・著)
 
 
『ぼくがラーメンたべてるとき』(長谷川義史・著)
 
 
『どこいったん』(ジョン・クラッセン・著、長谷川義史・訳)




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