『僕は瞳の中にいる』

あさぎり夕先生のBL小説。

主人公の桜井ナオは、高校１年生。慕っていた６歳年上のアキが、４年前に謎の失踪をしている。そんな折り、バイト先の喫茶店で同じ高校の３年生で生徒会長の市村要と話すようになり、市村が「なんでやねん！」というような唐突な提案を持ちかける。

もう爆笑の連続でした！　いや爆笑するところじゃないと思うんだけど笑、だってそんな、成績トップで眉目秀麗で生徒会長、家は金持ちで親が有名人で高級マンションのペントハウスに住んでて、そんで悲しい過去により感情を失ってて、一週間でどんな男にも飽きてとっかえひっかえしてるような男が、自分といるときだけ感情を思い出して無条件に心を寄せて…くるわけねーだろ！！　っていう。

いや私は今まで悩みや問題というのは解決しない、それはもんもんと抱えたまま生きていくものなのだ、という純文学ばかり読んでいたので、都合よくストーリーや人物が動くたびに、「こ、こんなことがあっていいのか…」と、新鮮でしょうがないのです。

「～なわけで。」「～ってことで。」とかいう独特の文尾も、「～なのにぃ～☆」という若干イラッとするセルフつっこみも、「人間は～」とか「日本人は～」とかいう雑な決めつけも、もはやここまで徹底的にやってくれるといっそ清々しく、もうこの小説を嫌いになるほうがムリな気がしてきた。たまに読み返したいレベルで好きだ。

…いやほんとに好きなんだけど、私と同じ好き方をしている人っているんだろうか。こういう好き方って、なんか失礼とかバカにしてるような取られ方をしそうで、言うの勇気がいるのよなぁ。うーん…。なのでブログでこっそり吐露していきたい…。