BLつながりで、最近気になっている栗本薫さん。調べたら、古本屋に行くと必ず、棚の中でもんのすごい幅を利かせている、あの大長編・グインサーガの著者だったのか! しかもこの方、ファンタジー、ミステリー、BL、時代小説、文芸評論、ミュージカルの脚本なんでもござれ。30年で400冊を執筆、別名義では作詞・作曲家、ジャズピアニストとしても活躍って…。一人の人間の所業なのか。ますます気になって、とりあえず古本屋さんで1冊買ってきたら、これがホラー小説でした。


この小説が出たのは1993年。郊外の山を切り開いて作られた新興住宅地の分譲住宅を、ローンで購入した40代の専業主婦・規子。念願のマイホームに引っ越してみたら、その家には何かがいる気配がして…というストーリー。


この時代の、「家」ってもんに対する価値観、どれくらいリアルなんだろう。そんなに、他人より早く、より立派な持ち家に住むということが重要だったんだろうか。そして借家に住んでいる人や、出来の悪い子どもを持った友達を見下したり、なぜせっかく幸せで満ち足りたのに、エネルギーをそっちに使うんだろう…。規子が子離れできてない感じも読んでて辛いし、お前のマウンティングに子どもを使うな! と思うけれども同時に、専業主婦の孤独というものを読むにつけ、なんで夫の仕事や子どもの学校の都合で主婦が人間関係を全とっかえしなきゃいけないんだ! と怒りも覚え。


ほとんど寝に帰るだけの忙しい家族の世話をするだけで過ぎていく規子の毎日。だんだん、家の中の幽霊?の気配は濃厚になっていく。孤独に耐えかねて、規子が家族よりも幽霊に親近感を覚え始めるあたりは迫力があった。最後は、どこまでが現実なのかかなり曖昧にしているけど、結局何だったのか、もうちょっと知りたかった。


次はBL小説を読む!


 

 


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