アメリカ文学界に燦然と輝く永遠の若者・J.D.サリンジャーの伝記映画。


創作を志した大学時代、挫折と心の病を経験した戦争時代、「キャッチャー・イン・ザ・ライ」がバカ売れして時代の寵児になってからの違和感、そして死ぬまで突き通した隠遁時代がくまなくわかる。後年、断筆していたと思っていたら、書いてはいたけど発表していなかった、という話だったのか。


その秘密は、大学時代の恩師に言われた言葉。「生涯を賭して物語りを語る意思はあるか。何も見返りが得られなくても」あれに対する答えを、死ぬまで守り通したわけなのですね。私はどうかな…書くのが仕事になる前から何かしらいつも書いてたので、たぶんどうなってもやっぱり書いてはいるんだろうな。


「作家の声が物語を圧倒してしまうと、作品は単にエゴの表現になる。読者の感情は置き去りだ」など、文学論や作家論もたくさん出てきて興味深かった。


あとナラティブの語彙やテンションが、ところどころ「キャッチャー・イン・ザ・ライ」の原文と同じだったりして、原文ファンの私は思わず何度もクスっと笑ってしまった。

 

 

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