宮崎誉子さんの小説。書評家の豊崎由美さんが褒めてたのを以前聞いて、楽しみに読んだ。
主人公の水田マリは16歳。母が宗教に金をつぎ込み、マリの学資保険に手を出し、父はそんな母を見限り出奔。マリは学費が払えず高校を3日で中退、工場で働き始める…。
マリは中学の同級生がイジメを苦に自殺したという経験があり、助けられなかった罪悪感を感じていたところに、なんとその加害者の母親が工場で働いてることが発覚!!
そんでまた工場のきつい労働環境、イジメ、格差が、マリに襲いかかる。
この、どう考えても明るくない未来しか描けない酷な人生を、スレたような軽い文章と会話でつないでいく。無理矢理にでも軽快にしてないと、やってらんねーよ、というふうに。
最後、意外な展開が。額面通りの意味ではない、言葉にしない励ましを、たとえ他人をいじめ殺した奴からだとしてもきちんと受け取れるマリ。彼女の行く先に、幸あれかしと願わずにいられない。
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