台北に生まれ、日本で育った作家・温又柔さんの、母国語とアイデンティティにまつわるエッセイ。


今では珍しくなくなった、外国人家庭の子どもが、台湾語と中国語がメインの環境で、どんなふうに外国語だった日本語をとりこみ、自分の言葉として獲得していったかを、イキイキと描く。


ひとつの言語や文化のなかで育っていると知り得ない、世界の豊かさが素敵。たとえば「チョコレート」は、「チョコレート」と「巧克力」の2種類の名前があって、それを好みや気分や音で使い分ける楽しみ。おとなになってから、音でしか知らなかった中国語が、「文字」として目の前に出現したときの驚きと戸惑い。家庭内で交わされる会話の、いろんな言語がまぜこぜになってるのもおもしろい。


私は勝手に、この人達がこれからの日本語を豊かにしていってくれると期待している。外国人家庭の子どもたちが成長して、将来日本語で物語を書くことが珍しくなくなったら、きっと日本語という体験がすごく豊かなものになる。そしてたぶん、それは私が生きてるうちに、まもなく起こる!ものすごく楽しみです。

 

 

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