先日、ニート祭りでご一緒した石井あらたさん、こと日本一有名な山奥ニートa.k.a.葉梨はじめさんの初単行本。


全編通して貫かれる、気持ちいいくらいの思想のなさ、ただ生きてるだけです感、こういうの好きだな〜。で、こんなによくわからんニートの群れを、すっと受け入れる地元のおじいちゃんおばあちゃんも素敵だしな〜。山奥ニートも自然の一部と思ってんのかな。


山奥ニート日記なんか気が利いててぜんぶ面白い。ここは好きなエピソードありすぎてふせんだらけに…。ニートマジ切れするところなんか笑っちゃう。他人と暮らすっていうことは、自分がキープしようとしている輪郭が思いがけず崩れるのを楽しむことで、基本的にひとりでいる隠居の私はこれがないんだよな、と自分と比べて読んだりした。てか一人でキレてたらそれはそれでなかなかヤバそうだ。


あと私は山奥ニートのほうじゃなくて、ゆくゆくは山奥じいさんのほうになりたい。基本的に人混みが嫌いで一人でいたいし、たまにニートが畑とか手伝いに来てくれたらめちゃ嬉しい。そして次に石井さんに会ったときにききたいのが山奥の医療。きっと山奥すぎて、なんかあったとき寄り道せずにまっすぐ死ねるんじゃないかと期待してる。死期を悟ったら山奥に行きたいな。


病気でも障害でもない、今までの「生きづらさ」にはひっかからなかった人たちが、生きづらさを無視することなく、こんなふうに山奥というフロンティアで勝手に楽しくやっていってるということに、あかるい希望を見るようだった。

 

 


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