明けましておめでとうございます。

正月も絶賛通常運転の隠居、さっそく新年一冊目の読書記録です。

樹木希林さんの名言集。なんだけど、樹木さんの場合、名言というよりも名雰囲気。パワーワードというよりもパワー雰囲気。とにかく雰囲気のある人だなぁ、という印象。

とくにガンをわずらってからの、病気や生死に関する発言が秀逸。

あたし、世間で思われてるほどいい人じゃないわよ。でも乗ってあげるわよ。といういたずらっぽい感じが溢れていて、わくわくしてしまう。

そういえば樹木さんが本性を顕した、honninのインタビュー(by吉田豪さん)は強烈に覚えてる。あのときたしか、「あたしこういうのを本にまとめられるのが大嫌いなの。ギャラいらないから、それだけはやめてよね」と言い放っていた。あの名インタビューからの抜粋は、この本には載ってない。

だから樹木さんの死後、たてつづけにこういう本が出たのはご本人の遺志ではない気もするが、この厳しい時代に唯一無二の存在感で演劇界をブルドーザーのようになぎ倒してきた樹木さんの考えを知りたくなるのもわかる。「私の考えを知ってどうすんのよ。救われる?それは依存というものよ、あなた」と言われるのもわかる。それでも、そこをなんとか、樹木さん!