半藤一利さん文、塚本やすしさん絵、の絵本。

1930年、東京の下町・向島に生まれ、東京大空襲を経験した半藤さん。いくつかの偶然と、ほんの一瞬の判断が生死を分ける描写などすさまじい。

これまで、絶対と教わったことが何度も裏切られる経験をしてきた半藤さんは、絶対という言葉を使わないようにしてきた。が、あえて言う、戦争だけは絶対にはじめてはいけない、と。

「戦争になると、人間が人間でなくなります。たとえまわりにまるこげになった数え切れないほどの死体がころがっていても、なにも感じなくなってしまいます。心が動かなくなるのです。
戦争の本当のおそろしさとは、自分が人間でなくなっていることに気がつかなくなってしまうことです」

あれ、もしかして戦争じゃなくても、コロナ禍でもそうなってないか!?

人間が人間でなくなる、というより、人間じゃなくならないとやっていけないシステムに貢献してることを、ひとつずつ見つけ出してやめていくぞ。コロナ禍のちかい。

 

 

・・・・・・・・・・・・・

 
●面白かった絵本(隠居の本棚より)
 
 
『ちいさなねこ』(石井桃子、横内じょう・著)
 
『Professor Crocodile』(Giovanna Zoboli・著, Mariachiara Di Giorgio・イラスト)
 
『ぶす』(内田麟太郎、長谷川義史・著)
 
『よあけまで』(曹 文軒・著, 和歌山 静子・イラスト)
 
『ちいさいおうち』(バージニア・リー・バートン・著)
 
 
『ぼくがラーメンたべてるとき』(長谷川義史・著)
 
 
『どこいったん』(ジョン・クラッセン・著、長谷川義史・訳)