今から40年前にスペインで刊行された「あしたのための本」シリーズが、現代の日本で起こってることと同じ!!
1970年代後半のスペインは、フランコ独裁政権が倒れ、スペインが民主化への第一歩を踏み出した時代。今より未来は明るく、世の中はこれからどんどん良くなると信じることができ、人々は希望に満ちていたんだろうな。
「力ずくで、ほかの人の上に立ち、利用する人は昔からいた。そういう人は、自分のために、むりやり人をはたらかせ、考えさせ、ものをつくらせた。そこで、支配する人と、される人、金持ちと、びんぼうな人があらわれた。」
じゃあ社会格差のもともとのもともとをたどると、たまたま何かの力に恵まれた人の独占欲や支配欲?で、そもそもその人たちは、なんで独占や支配をしなければいけないと思ったんだろーか。人ってほっといたら自然にそうなるの?それともそうさせる個人的な何かがあったのか?
支配する人の心の内には、不安とか強迫観念めいたものを、どうしても感じてしまう。それだと際限なくてしんどくないのかなぁ。
…と、このように、ひとつの正解を上から押し付けるのでなく、「どうしてだと思いますか?」という問いかけになっているのが楽しい絵本。
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●面白かった絵本(隠居の本棚より)
・『はんなちゃんがめをさましたら』(酒井駒子・著)
・『ちいさなねこ』(石井桃子、横内じょう・著)
・『Professor Crocodile』(Giovanna Zoboli・著, Mariachiara Di Giorgio・イラスト)
・『ぶす』(内田麟太郎、長谷川義史・著)
・『よあけまで』(曹 文軒・著, 和歌山 静子・イラスト)
・『ちいさいおうち』(バージニア・リー・バートン・著)
・『ピーナッちゃんとドーナッちゃん』(つつみあれい・著)
・『ぼくがラーメンたべてるとき』(長谷川義史・著)
・『サンタクロースはおばあさん』(佐野洋子・著)
・『どこいったん』(ジョン・クラッセン・著、長谷川義史・訳)
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