ついに見つけてしまった、「カルチャー界の松たか子」こと、しまおまほさんのデビュー作マンガ。

つねづねTBSラジオでその脱力系才気におののいていたが、なんとこれ、しまおさんが高校時代にプリントの裏とかルーズリーフに描いてみたら大人気になって、勝手にコピーされまくって、校内のみならず都内の女子高生の間で大ブームを巻き起こし、出版するに至ったという、デビューのきっかけからして規格外。しかも写真家の両親と作家の祖父母という、文化的背景もハイスペックであることが判明…。でも人柄にも作品にもぜんぜん嫌味がない!

ゴリコはゴリラ顔の女子高生。明るく元気でちょっとバカで(笑)、最後はゲロ吐いて毎エピソード強制終了!っていうだけのマンガなんだけど、よく見ると「髪食っちゃってる」「単語帳を持ってる」「まゆげが生えかけている」「ラップの手(Yo!のやつ)」など、「あー、あるある!」っていう細部のこだわりすさまじい。すさまじいのに、細部のことだから見過ごしがち。でも神とおもしろさは細部に宿るんですよね。メインとか中心しか見てない人ってつまんないもん。

これからもメインストリームに躍り出ることなく、端っこから繰り出す細部のすさまじさで笑わせてくれることを楽しみにしている。

 

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●おもしろかった漫画(隠居の本棚より)
 
 
 
『誰でもないところからの眺め』 いがらしみきお・著