たもさんの脱カルト体験をつづったコミックエッセイ。

五歳の頃から母に連れられて流されるように入信し、子どもの病気を機に疑問を持ち始め、脱退するまでの話。

信者たちが宗教に依存するのと同時に、宗教もまた、信者たちに依存しなければ存在できない、だから信じさせるのにあの手この手で必死なのだなあ、と思った。

これはカルト宗教についてのマンガであり、同時に自立と依存についてのマンガ。

人が親に、恋人に、会社に、組織に、国家に依存するとき、彼らもその人に依存しているかもしれない。見極めは、その人が自分で生きていく道を選ぶとき、喜べるかどうか。

私は自立しているほうだと思うけど、誰もが関係のある話だと思う。

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●おもしろかった漫画(隠居の本棚より)
 
 
 
『誰でもないところからの眺め』 いがらしみきお・著