大好きな室井佑月さんの、作家としてのデビュー小説集。

表題作『血い花』は、銀座の若い人気ホステス・幸が主人公。誰にも頼らずに、たった一人で強く生きてきたけれど、好きな人に処女を捧げるという、意外と古風で純情なところも持ち合わせている幸。

で、夜の世界から足を洗って好きな人と結婚するのを夢見てる保守的なところも、欲がないっていうのかな〜、健気で応援したくなる。

そして、夢まであと一歩というところで、夢より大切なこと、たとえ夢がかなったとしても、それが自分を貶めることになるなら許さないわよ!という決断をするところもカッコよくて好感。

幸の行く末に幸あれ!

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