私の大好きな小島慶子さんの長編小説。
二組の夫婦の結婚生活を丹念な心理描写で織り上げ、それぞれの幸せとは何かを探っていく。
この夫婦たちが、まーそれぞれにお互いを見下し合ってて(笑)、いつも口論してばかりなんだけど、発言者の性別をひっくり返しながら読むと実におもしろいんです。
たとえば、
「できれば子どものために早く帰ってきてほしいんだ」
「今忙しいのよ。仕事を減らしたら、家のローンはどうするの」
これが従来通りの働く夫と、子育てする妻の発言だったら、「ま、そうかなぁ」ってべつにケンカには発展しなさそうなのに、性別が違うってだけで衝突する不思議…。
これ、ジェーン・スーさんが、ラジオの相談番組で、自分の発言を客体化するためによくおすすめしてる方法なんですけど。
発言は、性別が作るんじゃない、役割が作るんだというのがよくわかる。
ああ、いつかどこかで、小島慶子さんとジェーン・スーさんの対談が聞きたい!!
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●文庫でてます。(小島慶子さんに巻末解説を書いていただきました!う、嬉しすぎる…)
小島慶子さんの解説、ちくまWebでも無料公開中です!
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