たかぎなおこさんの上京コミックエッセイ。

先に読んだ『一人暮らしも5年め』のほうが、お気楽な生活の様子だったんだけど、今回は上京したてで都会の暮らしに慣れない日々を描いた本。

身につまされた〜。はじめての場所で生活を作っていくのって、今ふりかえっても本当に大変だった。家賃は高いし、バイトの面接には落ちるしで、いつか都会に骨まで食い潰されるんじゃないかと心細かった日々。二度とやりたくないと思うけど、思い出すとなぜか懐かしいんだよなこれが。

たかぎさんのいろんなアルバイトの話もおもしろかったけど、いちばんよかったのは、いろいろうまくいかなくてどんづまりの夜、ごみ捨てに出て、自分の部屋を外から見たときに、視点がぐあっと拡大して、窓の明かりのひとつひとつの中にある生活を想像し、さあ…寝ようかな、と思うところ。

たかぎさーん、私もその明かりのどこかにいたんだよー、と、上京組同士、労いあいたくなりました。
●おもしろかった漫画(隠居の本棚より)
 
 
 
『誰でもないところからの眺め』 いがらしみきお・著
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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●文庫出ました