以前、うつ病のドキュメンタリーを観たことがある。うつ病っていうと、当人のしんどさはよく取り上げられて、認知もされてきていると思うんだけど、そのドキュメンタリーに出てきたうつ病の女性には、子どもがいた。

とっても明るくしていて、たぶんこの子はいろいろ後回しにされてきたんじゃないか、この子の話を聞いてあげる人はいるんだろうか、と想像するだに心配になってしまったのを覚えている。

図書館の児童書のあたりをウロウロしていて、ぐうぜん見つけたのが、この絵本でした。「うつ病になったらどうしたらいいのか」という本はあっても、「親がうつ病になったら子どもはどうしたらいいのか」っていう本は見たことなかった。

開いてみると、うつ病について平易なことばで絵を交えて説明していて、いろんな気持ちになってもいいことや、あなたがいい子でいたかどうかは病気には関係ないということや、おとなに何を聞いておくかなど、具体的にできることがたくさん書いてある。

大人といっしょに読んでもいいし、巻末には大人への解説もついてるし、周りにうつ病の親がいたら、これそっと渡してあげようっと。

ちなみにこれは『心をケアする絵本』というシリーズで、

①親がうつ病になったとき
②親が離婚しようとするとき
③障害のあるきょうだいがいるとき
④身近な人を交通事故で失ったとき
⑤こわいニュースにおびえたとき

の五冊が出ているようです。

子どものために書かれているとはいえ、子どもが自分でこういう本にアクセスできるケースはまれだと思うので、自分でも覚えておこうと思い、メモ。


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●面白かった絵本(隠居の本棚より)
 
 
『ちいさなねこ』(石井桃子、横内じょう・著)
 
『Professor Crocodile』(Giovanna Zoboli・著, Mariachiara Di Giorgio・イラスト)
 
『ぶす』(内田麟太郎、長谷川義史・著)
 
『よあけまで』(曹 文軒・著, 和歌山 静子・イラスト)
 
『ちいさいおうち』(バージニア・リー・バートン・著)
 
 
『ぼくがラーメンたべてるとき』(長谷川義史・著)
 
 
『どこいったん』(ジョン・クラッセン・著、長谷川義史・訳)

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●拙著出てます