敗戦後、アメリカンスクールに見学に行くことになった日本人英語教師たちが、それぞれ持て余した劣等感と自意識と恥でドタバタする一日。このへんのネガティブな感情に突き動かされている人って、この小説の登場人物みたいに、とつぜん別人みたいにブチ切れたり、いきなり脱走したり、突飛なことするから怖いです。それは本人にしかどうしようもないことだし。


敗戦国のコンプレックスってこういうものかと思う。私の世代はここまでじゃなかった気がする。さらに若い人たちは、日本とアメリカが戦争をしたことさえ知らない人もいると聞きます。知らないのもすごいけど、そのまま余計なコンプレックスを育てずにすんだら、変な自虐観とかなくなるのかね。


逆にアメリカ人作家の、持て余した優越感でおかしなことになってるアメリカ人を風刺した小説とかもあるのかな。あったら読んでみたいな~。