最高の石とカンニング(面白い天然砥石とはの巻) | ogricat-creationのブログ

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趣味の写真と、包丁を研ぐことなどを書いていこうと思います。
カメラはソニーのα7Ⅲを使用しています。

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前回、天然砥石を使用してカンナの刃を仕上げました。かたけん様のコメントから記録用としました。

弟子「かたけんさん様が言っていた「コンパウンドとラッピングを使わないと出来ない」とは何ですか?」

私「詳しくはないのですが、ラッピングは何度か聞いた事が有ります。コンパウンドは初めてですが何となくイメージは出来ますね」

以前紹介したカミソリの研ぎ方を調べた際に、何時も行く理容室で教科書を見せて頂いた事が有ります。

理容師「昔は日本剃刀の授業も有ったんですよ。今でも日本剃刀は有りますよ」

そして、教本を読ませて頂きました。その中に、最終の刃付けをした後ラッピングをすると有ります。

弟子「教えてください」

私「フェルトと絹に酸化クロームを塗って刃先の凹凸を取ると有ります」

つまりは、刃先の出来た細かい凹凸を丸くするとのイメージです。切れるでは落ちるが、人の肌を剃る為あたりを優先するためと有ります。

 

調べると酸化クロームとは青棒の主成分です。白棒や赤棒など成分が違うことが分かりました。

 
弟子「師匠はラッピングはしないのですか」
私「わたしの剃刀は他人の肌に使うことが無いので今は不要かなぁ。しかし、試して見たいですね」
 
研ぎとは奥が深い事が改めて分かりました。
今日の本題です。包丁の研ぎです。下の包丁を昨日研ぎました。
妻「わたしの包丁を研いで」
菜切り包丁ですが、切れなく成ったとの事です。1000番から天然砥石を使用して研ぎました。とても切れ味良しです。
この菜切り包丁は両刃で鋼の刃です。とても研ぎやすいと思います。
 

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次がこのペティナイフです。真剣に研いだことが余り有りません。適当に研ぐ程度です。しかし、使用頻度は一番多いかもしれません。今回はきちんと刃を付けたいと思います。
弟子「どうでした」
私「苦労しました。合せ砥を掛けてもいまいちです」
良く有る事ですが、仕上げ砥を使っても刃が付きません。大体がその手前に原因が有ります。
弟子「手前とは」
私「中砥での刃つくりです」
この包丁も段刃気味でした。天然の合せ砥で幾ら研いでも時間ばかり掛かり一向に刃が揃いません。
一度、中砥に戻り刃を研ぎ直してから合せ砥に掛かりました。どの石が良かったか忘れましたが、矢張りハガネに比べると研ぎにくく感じます。

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問題はこの豪作です。何故か上手く刃が付きません。刃先を揃える為に合せ砥を掛けました。上手く研げません。

弟子「何時ものように研げば良いのでは無いですか」

私「今回は石による違いを見たいために研いでは確認、研いでは確認の繰り返しです」

様々な石を使用して刃先の違いを確認しました。

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木曜日の午前中の話です。この段階ではこれで良いと言う刃が付きました。

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木曜日の夕方改めて研ぎました。切れ味はマックスです。刺身を切ったのですが、今までとは切れるが違います。以前、知人の料理人に豪作を使って頂いた事が有ります。

料理人「切れない」

唖然としました。私としては切れると思っていたからです。新聞紙もスーッと切れます。トイレットペーパーも然りです。しかし、刺身を切るでは駄目だしをされました。恐らく、切れるの段階が違うのだと思います。

 

前回の記事でも、髪の毛を切れた際の砥石が新田でした。そして、今回も新田を掛けると一気に刃先の仕上がりが進むことが分かりました。何度も紹介していますが、この石は浅草橋の森平で購入しています。もっている石でも一番のものです。奥から数点だして頂き選びました。その際、小黒さんは山の名前も層の話も全くしませんでした。

後日いった際に、

私「この前の石は何処の石ですか?」

小黒さん

 「ハッカ」

 「新田」

 「日照山」

と紙に書いてくれました。この他、「菖蒲谷 巣板」は私のリクエストで巣板が欲しいとお願いしましたので山も層も理解していました。

 

 とても細かく良い石だと紹介されました。

私「そうですか。分かるのでしょうか?」

小黒さん「分かる」

勿体ないと思うため使用頻度は多く有りません。また、この石で良い刃が付いても当たり前と思うため面白くないと考えるタイプです。

 

本日のまとめ

 金曜日の朝(今)研ぎ方を整理しながら刃を付けて見ました。使用した石は大平巣板、金屛風戸前、鳴滝(山不明)です。

弟子「新田は?」

私「カンニングみたいで面白く無いでしょ」

カミソリの研ぎ方から刃の付け方が分かった様に感じます。

剃刀の再生は「ゆうけんさんのブログで剃刀の研ぎを紹介していた事がきっかけです。私のコメントに「参考にしてね」と頂きました」

 

諦めていた剃刀の研ぎ、あれから何年経ったか、、、経験を積むことで同じ資料を見ても結果が変わります。剃刀の刃が出来ると芋ずる式に鉋の髪切り、包丁の刃付けと進みました。

弟子「昨日奥さまから言われてましたね!」

私「、、、、聞いておったか」

 

妻「本当に、このノートあなたがいなく成ったらどうするの」

研ぎノートが数冊有ります。見直すかと言えば以外に見ませんね。

弟子「どうして見ないのですか」

私「進化しているからです。みても過去の古い技術しか書いて有りません」

 

妻「本にでもすれば」

私「、、、、でも本にすると貴重な情報がみんなに知られてしまうしなぁ」

妻「あなたが死んだら終わっちゃうんじゃないの」

確かに難しい所です。

弟子「難しいですね」

私「私の感覚だと、多くの研ぎ師が私以上の理論を持っている筈です。しかし、多くの人が研ぎ方を知らないとも事実だと思います」

本にする事は無いのですが、一度自分様にまとめてみようかと思う今日この頃です。

 

ウラ押しもやっと理解出来てきました。

 

お値段以上かどうか不明です。(決して安くは有りません)