オンラインの時代……ですが
「オンラインの時代です」そんなキャッチコピーが広告を埋め尽くすようになってきました。私自身、お客様のサービスのオンライン化をサポートしていますが、 何から始めればよいのかわからない オンライン化しなければならないのか判断に迷う 周りがオンライン化して焦っているそんなご相談が増えてきたように感じています。オンラインの時代確かにそれはそうなんですが、私としては「コミュニケーションの一部がオンラインに移った」と考えるのが自然だと思っています。多少の制約はあっても、リアルなコミュニケーションは続いているし、感染を広げないよう対策をしながら人が集まることもありますよね。なんでもかんでもオンラインにすればいいのかというと、決してそうではないと思っています。例えば、私が仕事にしているインストラクション(教示、指示、教育)は、どちらかというとオンライン化に向いている業態といえます。実際、個別のレクチャーはオンラインで提供いたしておりますし。ただし、これもリアルタイムでやっているからこそ可能です。では、同じようなサービスを動画で提供できるかというと、そうではありません。例えば何かの文書を作ったとして、Aさんは印刷をしたいけれど、Bさんは印刷は不要でPDF文書にしたい、と分かれる場面の解説を動画で実現するのは難しいです。リアルタイムであれば、Aさんには「印刷ボタンをクリックしましょう」となるし、Bさんには「ファイルの種類を変更しましょう」となります。これを動画でやるとなると、印刷の仕方とPDF文書としての保存の仕方という二つの動画に分ける必要があるように思います。見ているいるほうは混乱してしまいますからね。教育用コンテンツとして動画に向いているのは概論や一般的手法であって、個別具体的な事例には向かないこともあるのです。(Eテレ見てる感じ、と言ったら伝わりやすいでしょうか)オンラインや動画にしなければ……と焦っておられる方は、まずは、ご自身の提供しているサービスやコンテンツがオンライン化や動画化に向いているのかを考えていただくのがよいのではないかと思っています。広告多すぎませんか?(私だけかも)なぜこれを書いているかというと、広告やらDMやら、最近多すぎるなと思いまして。・月額1万円で動画作り放題・動画クリエイターが足りません・簡単オンラインサービス動画制作私のタイムラインに流れてくる広告は「動画」だらけになっています。格安で動画を作ります、というもの(月額1万円3動画)その動画を作れる人になりましょう、というもの(講座20万円)テンプレートを販売します、というもの(月額1万円~)広告のリンクから内容を見てみると、確かに便利そうだったり、そんなに需要があるんだったら動画作って稼ごうと思ったり、勢いあまってクリックしちゃうだろうと思うんですよね……。焦っている時ほど冷静な判断がしにくいものですから、慌てて飛びつく前に、そのサービスの料金は適正か、仕事に導入するのなら費用対効果はどうか、改めて考えてみてほしいと思っています。そう言っている私もオンラインでのサービスを提供いたしておりますが、どこの教室にも協会にも属さないOAインストラクターとして中立な立場で活動しています。相談先の一つとして思い出していただけたら嬉しいです。