非暴力防衛〈実行のための研究〉ネット
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罪科は「非暴力的な方法で・・・民主化を図」ろうとしたこと!

2023年4月11日の朝日の記事ですが、見出しは「中国著名法学者に懲役14年」
2019年に「約20人が参加する会合を開催し、非暴力的な方法で民主化を図る『カラー革命』を謀議」したことで、2021年に「国家政権転覆扇動容疑」で起訴され、今回懲役14年の懲役の判決・・・支持者への取材でわかったといいます。
〈非暴力〉が これほど 恐れられているとは! 

19世紀ロシアのテロリスト、武力闘争を始めたミャンマーの民主活動家たちなどを思い出してしまいますが、冷静になって、犠牲の大きさ、世論の支持、将来性などを考えると、工夫を加えながら「非暴力的な方法」による状況の打開を考えていただきたいと願うものです。合掌

非暴力平和隊・総会後の意見交換会へ

                        2023,3,28

 意見交換会

  司会者 様

                         鞍田 東

 

時期に相応しい貴重な会合に参加できないこと 残念ですが 老耄 意義ある発言も困難かと思っています。

 ただ 思いだけはあり たどたどしい片言ですが 書き落としてみました。

 よろしくおねがいいたします。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 

 

・   中見さんのテキストは 何冊かのジーン・シャープの翻訳の解説・あとがきなど中でも 出色だと思います。

テキストの表題「独裁体制から民主守護へ」で殆んど触れていない 防衛~戦争についてページを割いています。

例も リトアニアへのソ連軍侵攻への対応にページを割いています。

 

・   ジーン・シャープの「防衛」についての主著は 「市民力による防衛」でしょうが この本の意義は 防衛の「準備」「戦略」「戦術」「敗北」等について 精一杯 論じていることだと感じています。

 

・   護憲運動が なぜ非暴力防衛から目を背けてきたのでしょうか。

その間に 既成事実で骨抜きにされてしまいました。

それでも 第9条の原点へ戻るためには 「非暴力防衛」を取り上げるしかないのではないでしょうか?

 

・   沖縄・・・伊江島~辺野古闘争の意義は なんらかの政治勢力・組織手動ではなく 目的達成のための 非暴力闘争の先駆的経験の積み上げであることにあるのではないかと受け止めています。

 

・  「非暴力防衛団」という提言の目的は、必要なのは「賛成だ」という意思表示だけではなく、「何らかの行動に参加すること」が必要だということを言いたかったからです。

或いは このことへの躊躇いが 「非暴力防衛」への世論の盛り上がらなかった原因かも知れません。

 

・  「防衛団」という言葉を使ったのは 「隊」という言葉の持つ中央集権的なイメージを回避したかったこと、多方、既存の団体・組織の中では、地域・職域の「消防団」が一番イメージが 近かったこと によるものです。

 

・   国、地方組織レベルで「非暴力防衛宣言」をすることには 軍備強化より優れたの抑止効果があると考えています。

更には,核の脅威に対し、まったく「非対称」であることによる抑止効果があるとも考えられるのではないでしょうか。 

 

「うてばのうた」を読んで

宮尾節子「アンソロジー・明日戦争がはじまる」の「うてばのうた」を読みました。

《うちたければ、うてばいい。そういったらば、ほんとうに、うたれるだろうか あるいは、うたれないだろうか。・・・・うちたければ、うてばいい 「てきは、せんそうです」まず、このかみの、うたから うちたければ、うてばいい。》 

「うーん」と思い、「そうだ!」と思い、少したってから、ジーン・シャープが言っているのは この続きなのではないかと思うようになりました。 

彼は、ガンジー研究から始めたひとのようですし、兵役拒否で刑務所に入った人のようですから、いざとなったら『打てば』という覚悟のある人だと想像しています。

しかし、早々と「うてば」と言ってしまうのを控えて、非暴力抵抗行動のために、状況を冷静に判断し、準備し、戦略を練り、戦術をたて、局面によっては敗北・交代も考慮して・・・そのうえで『打てば』ということにしませんかと言っているのだと思いあたりました。

ただ 「非暴力防衛」という耳慣れない言葉を 憲法第9条と直結する考え方などだと言うことを 日本人の大多数に理解し納得し自ら行動しようと思うようになっていただくためには 辺野古のような非暴力艇庫の実践ンお積み上げとならんで 宮尾さんの詩のような心に訴える言葉が必要なのだろうと思ったことでした。

NHK・100分で名著 ジーン・シャープ「独裁体制から民主主義へ」について

この本(「独裁体制から民主主義へ」)は 国内政治につて論じていて、国防は範囲外とされているが、

第10章 永続する民主主義のための基礎作り の 民主主義的な防衛政策 に このような記述があります。 

『(前略)

 国内での民主主義を維持するためには、国家防衛にも政治的抵抗の原則を適用することを真剣に考慮すべきだ。(*)新たな自由国家は、抵抗の力を市民の手にゆだねることによって、軍事力を構築する必要性を回避することが出来る。軍事力はそれ自体が、民主主義を脅かしたり、本来ならば他の目的に向けられるべき多大な経済的資源を奪ったりするものだ。

(後略)

 (*)ジーン・シャープ「市民力による防衛・・・軍事力に頼らに社会へ」三石善吉訳 法政大学出版局 2016年』

今回の番組で この部分に触れてくださるかどうか・・・

非暴力防衛 参考文献

非暴力防衛(市民的防衛、不服従抵抗防衛、等)参考文献(敬称略)

宮田光雄 

非武装国民抵抗の思想 岩波新書 1971年 

 第三章 非武装国民抵抗の構想

いま日本人であること 岩波書店 1985年

 5 国を守るとは何か

 山上の説教から憲法九条へ・・平和構築のキリスト教倫理 新教出版社 2017年 

  4 非武装市民抵抗の構想 日本国憲法九条の防衛戦略

石田雄 

平和の政治学 岩波新書 1968年

  Ⅱ 四 最後の抵抗形態としての市民的不服従

小林直樹

 憲法第九条 岩波新書 1982年

  第八章 3 非武装防衛の方法、4 非暴力抵抗の問題点

C・ダグラス・スミス

 ガンジーの危険な平和憲法案 集英社新書 2009年

寺島俊穂

 市民的不服従 風行社 2004年

  第Ⅱ部 戦争廃絶の論理

 戦争をなくすための平和学 法律文化社 2015年

  Ⅱ部 非暴力の思想と運動、Ⅲ部 専横をなくすための思想と構想

 

 

マイケル・ランドル

 市民的抵抗・・非暴力行動の歴史・理論・展望 

石谷行・田口江司・寺島年穂訳 新教出版社 2003年  

  第五章 代替防衛とは何か 第六章 市民的抵抗の戦略

ジーン・シャープ 

武器なき民衆の抵抗・・その戦略論的アプローチ 小松茂夫訳 れんが書房新社 1972年

戦争の廃絶を実現可能な目標とするために 岡本珠代訳 (軍事民論28号)1982年

独裁体制から民主主義へ 滝口範子訳 ちくま学芸文庫 2012年 

市民力による防衛・・軍事力に頼らない社会へ 三石善吉訳 法政大学出版局 2016年

非暴力を実践するために・・権力と闘う戦略 谷口真紀訳 彩流社 2022年

 

(付記)

・  日本語の文献のみです

・  鞍田が目にできた文献のみです

他のジーン・シャープの文献(英語)は www.aeinstein.org で読めるとのことです

願い、「《非暴力防衛団・いわき》を発足させたい!

『私には 夢・・願いがあります

〈(仮称)非暴力防衛団・いわき〉を発足させたい!

 

    ・・・ウクライナ動乱によせて・・・  

 

 単なる読書会・研究会ではありません

 

単なる「非暴力防衛」の宣伝団体ではありません

 

 いざという時には『自らで 非暴力防衛にあたりたい』と願っている いわき地域の有志の集まりです

 

必ずしも 一定の規模のものである必要はないと思っています

 

最初は 3人でも5人でもよいのではないでしょうか (こんな夢を公にするのははじめてですので いまのところ 賛同者は 一人もいません)

 

政治的な活動で 法律を制定することでできるものではありません

 

基本的な綱領は 日本国憲法です

 

 研究方針・活動計画などは メンバーの話し合いで作成し 必要に応じて 柔軟に改定することを考えています

 

 

 

このような集まり・・・・〈非暴力防衛団・***など〉が 日本中のあちらこちらで生まれ それが ネットワークを結ぶようになることことを期待しています

 

適当な時期に 地方~全国集会で 意見、経験を交換し、いざというときの連携活動について検討、練習をしてはどうでしょうか

 

全国的な態勢ができないうちに 何かが起こるかもしれません

 

その時 地方公共団体・市民団体・宗教団体・政治団体などで 非暴力抵抗に立ち上がる方々が現れるかもしれません

 

そのようなときには 喜んで ご一緒しましょう

 

私どもの事前の研究や準備が役にたちそうだったら 役立てていただきましょう

 

自衛隊とは 日本の防衛について 積極的に話し合いを持ちたいと思います

 

自衛隊には 情報収集、各地の非暴力防衛団の 連絡、支援などの役割を期待しています

 

自衛隊が 非暴力防衛を研究し やがて自らの意思で 警察機能を超える武器を放棄し 〈非暴力防衛団〉と協力する組織に代わってゆくことを 期待しています                

(鞍田東) 』

憲法《蹂躙》の歯止めは 「非武装国民抵抗」論、「市民力による防衛」論

いま、「敵基地攻撃論」「先制攻撃論」「軍事費倍増論」の横行など 憲法《蹂躙》が進んでいます。

 一部右派の議論でとどまらず、「ハト派(?)首相任命の有識者会議」の答申となり、朝日新聞の論説も歯切れがよくなく・・・

 歯止めになるのは、「非武装国民抵抗」(宮田光雄)論、「市民力による防衛」(ジーン・シャープ)論しかないのでは?

 思い付きですが

 1,有識者による「(仮称)非暴力防衛研究会」発足

 2、評価ある出版社からのブックレット「非暴力防衛研究シリーズ」の発刊

これに呼応する  

 3,各地・各所の有志による「・・・(地域~団体)非暴力防衛団」結成

しか思いつかないのですが・・・・

会報 自己紹介

   

会報 自己紹介

《非暴力防衛・いわき》創刊準備号 より       20205

私どもは 昨年6月に《非暴力防衛》について学びを深めるため、「戦争をなくすために」という読書会を始め、まずジーンシャープ「戦争の廃絶を実現可能な目標とするために」。ついで寺島俊穂「戦争をなくすための平和学」の⒑章『非暴力防衛の可能性』と読み進めておりましたところ、会場としていたいわき市総合図書館が閉鎖され中断。その後。図書館は再開されましたが、グループ閲覧室は閉鎖のままです。

その間にも、基地新設・軍備増強などは進められており、改憲機運の醸成努力にも緩みはないようです。

 また、コロナ禍は 国家間の緊張にまで及びつつあるようです。

防衛といえば軍事力という流れに疑問を いだき、《非暴力防衛》についての研究は、非力でも 進めてゆきたいと思うことです。

そのために 会合をもつことにかえて、

この課題に関心をお持ちくださる方々に、ご意見・疑問・感想などをお寄せいただき 小冊子にまとめてみてはどうかと思いつきました。 

いわば 紙上読書会というわけです。 

私のイメージは

皆様に 700字程度(A5版・1ページ分)

の文章をお寄せいただき A5版・4ページ(A4版・裏表)のリーフレットにまとめ お返しする。

これを 皆様方に 必要部数コピーして 皆さまの身の回りの方々やお知り合いなどにお配りいただき お読みいただいて 意見交換のきっかけにしていただく。

これを繰り返す・・・というものです。

 これは その雛型のつもりです・

 いかがでしょうか?

 ご意見・ご寄稿を心からお待ちしています。

 (連絡先)泉が丘2丁目3ー4 鞍田 東

      〒971-8171 電話56-2596 

   mail ak3501@hotmail.co.jp 

     

*  現在の配布部数は もっとも多い号で 30枚ほどです

 

 

 

意見 その3  12号  2022年6月

私には 夢・・願いがあります

〈(仮称)非暴力防衛団・いわき〉を発足させたい!

    ・・・ウクライナ動乱によせて・・・  

 単なる読書会・研究会ではありません

単なる「非暴力防衛」の宣伝団体ではありません

 いざという時には『自らで 非暴力防衛にあたりたい』と願っている いわき在住の有志の集まりです

必ずしも 一定の規模のものである必要はないと思っています

最初は 3人でも5人でもよいのではないでしょうか (こんな夢を公にするのははじめてですので いまのところ 仲間は 一人もいません)

政治的な活動で 法律を制定することでできるものではありません

基本的な綱領は 日本国憲法です

 研究方針・活動計画などは メンバーの話し合いで作成し 必要に応じて 柔軟に改定することを考えています

 

このような集まり・・・・〈非暴力防衛団・***など〉が 日本中のあちらこちらで生まれ それが ネットワークを結ぶようになることことを期待しています

適当な時期に 地方~全国集会で 意見、経験を交換し、いざというときの連携活動について検討、練習をしてはどうでしょうか

全国的な態勢ができないうちに 何かが起こるかもしれません

その時 地方公共団体・市民団体・宗教団体・政治団体などで 非暴力抵抗に立ち上がる方々が現れるかもしれません

そのようなときには 喜んで ご一緒しましょう

私どもの事前の研究や準備が役にたちそうだったら 役立てていただきましょう

自衛隊とは 日本の防衛について 積極的に話し合いを持ちたいと思います

自衛隊には 情報収集、各地の非暴力防衛団の 連絡、支援などの役割を期待しています

自衛隊が 非暴力防衛を研究し やがて自らの意思で 警察機能を超える武器を放棄し 〈非暴力防衛団〉と協力する組織に代わってゆくことを 期待しています              (鞍田東)

 

 

 

    防衛大臣

     河野 太郎 様

                福島県いわき市泉が丘2丁目3-4

                         鞍田  東

        非暴力不服従抵抗による防衛について

 私は 軍事力による防衛は 限りない軍拡競争を招き また軍事的衝突となった場合の惨禍は恐るべきものとなり しかもその結果は予想できないと考えています。

 

 他方 国民挙げての非暴力不服従抵抗による防衛は 教育・訓練・組織の維持に相当の努力と時間が必要ですが 必要な費用、抵抗の犠牲は 格段に少なく、長期的な成功は世界の歴史にてらして より確実であると考えています。

 

 また いくつかの書籍には いくつかの国では 国防担当の部署が 防衛政策として検討しているとあります。

 

 私は 防衛省のスタッフの一部と 防衛省予算の一部を 非暴力不服従抵抗による防衛の検討に充ててくださるよう 要請いたします。

 

 その結果として 日本国憲法にのっとる防衛政策として 採用されることを 期待しています。

(参考文献)

宮田光男「非武装国民抵抗の思想」1971年 岩波書店 72頁

マイケル・ランドル「市民的抵抗」2003年 新教出版社 148頁

ジーン・シャープ「市民力による防衛」法政大学出版局 217頁

 

                     (防衛省のサイトへ投稿)

 

2022年2月21日

facebook・・ウクライナ大使館のページに投稿 

 『ウクライナの人々が ロシアの侵攻に備えて 軍事訓練を始めていると伝えられています。その気持ちはわかりますが ゲリラ戦は悲惨であり成果は・・・私はチェコのビロード革命を参考に全市民の非暴力市民的不服従を組織されるよう期待しています。』 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  お願い

非暴力防衛についての疑問、反対、提案など

・・・・・様々なご意見を どうぞ

 数行~B6・1ページ程度

 僭越ですが 取捨、若干の編集は 鞍田に お許し下さい

《非暴力防衛・いわき》第十五号 読書会・戦争をなくすために・会報        

 

《非暴力防衛・いわき》第十五号

      読書会・戦争をなくすために・会報

           2022年11月

「市民力による防衛」(ジーン・シャープ)    

第二章  権力の源泉を利用する(抜粋)

 第一章は いわば序論であり 歴史的実例を紹介しながら「市民力による防衛」のイメージが説明されました。

 第二章は、(私の理解では)いわば《原理論》であり、「何故、《市民力による防衛》などという途方もないことが可能になるのか」を説明し、第三章・第四章での、{市民力による防衛}の方法のやや詳細な説明へ繋ぐものになっています。

 この章の結論は、ある意味では簡単で、権力を保持している側・支配者の権力は、そもそもは「被統治者・市民の承認~支持によって成り立っている」のだから、これがなくなったら権力は崩壊するというものです。

 彼は、これを次の10の節を追って説明しています。

・  予想外の力量

・  他人頼みの支配者たち

・  権力の源泉を特定する

・  被統治者への依存性

・  抑圧では不十分

・  集団的抵抗の可能性

・  実行の必要条件

・  人びとによる抑制の構造的基盤

・  自由の構造的基盤

・  防衛の社会的起源

 

・  予想外の力量

「ほとんどの人にとって、軍隊も戦車も航空機も爆弾もミサイルもないのに、侵略軍を無力化し、侵略者を撃退できるという考えは、異常な考えだと思えるだろう。

「侵略を抑止・撃退するために、軍事兵器などはもはや不必要になるほどに非常に効果的に利用し、巧みに用いることが出来る潜在的力量が社会に内在する」

「第一章で触れた四つの事例で、人々は、心理的・社会的・経済的・政治的武器という全く別の武器で武装していたのだ。

「支配者は彼らが支配する人々と社会に依存している。

「人々と組織とによる侵略者への協力の停止は、すべての支配者が依存している〈権力の源泉〉の入手可能性を縮小させ、かつ切断してしまう。

これが入手不可能になれば、支配者の権力は弱体化し、ついには崩壊してしまう。

 

・       他人頼みの支配者たち

「支配者によって行使される権力は、支配者に本来的に備わっているものではないないということは、明白で単純で、しかししばしば無視されてきた、理論的にも実践的にも大変重要な洞察である。

支配者は権力を所有しているのではない。また支配者はじぶんひとりで権力を行使するのではない。

支配者にとってそのような権力が入手可能とされる限りにおいてのみ、支配者はその権力を行使することができるのである。

「全面的な協力・恭順・支持は、支配者の権力の力量を高めることになるだろう。

逆に協力の制限あるいは停止は、必要とされる〈権力の源泉〉の入手可能性を減少あるいは切断するだろう。

「支配者は、従わない者・協力しようとしない者を、脅迫し、処罰するであろう。

「いくら抑圧を加えても、権力の源泉が、かなりの期間、制限・留保・切断されたままだと、支配体制内で生じることは、不安と混乱で、続いて、権力の弱体化、ついには体制は麻痺し、厳しい場合には体制の崩壊にさえ至るであろう。

「ラ・ボエシ『もし専制君主に全く従うことをしなければ、戦わずとも、敗北したも同然である。』

 

・       権力の源泉を特定する

「政治権力は、下記の〈源泉〉の、相互作用から生じる。

「権威。「天然資源。「技術と知識。「無形の要素(心理的・イデオロギー的要素、感情、および信念)。「物的資源。「制裁。

 

・       被統治者への依存性

「支配者の〈権力の源泉〉の停止の影響

「権威:統治権を拒否・・・全体的合意、集団的合意の停止は、協力・恭順・指示を制限、拒否する。

「技術と知識:政治的協力を拒否し従わないといった能力は、われわれの都合に合わせていつでも発揮でき、〈大義〉のための集団的行動に用いられた場合、強力なものとなる。

 

・       抑圧では不十分

「非協力による同意の停止・・・体制側は、〈取締り〉の強化に頼らざるを得なくなるだろう。

「制裁はつねに服従と協力を取り戻すのに成功するものではない。

「強制された服従は、義務の遂行に効率の悪さを齎す。

「刑罰に直面したでさえ、服従、あるいは、不服従と危険を選択することが出来る。

「制裁を加えるには、警察隊・軍隊等、および一般住民の何らかの支援が必要となるが、状況によっては、そうならない場合もあるだろう。

「権威の否定・抵抗者の大義への共感・非暴力闘争者への暴力行使の嫌悪感は、意識に影響して、支配者の権力を、弱体化させる。

 

・       集団的抵抗の可能性

「支配者の権力が援助と恭順の停止によって制御され、〈臣民たち〉が恐怖心を大幅に減少させたり、払拭してしまい、変革の代償として進んで制裁を受けようとする意志をもつなら、大規模な不服従と非協力は可能となる。

「もし人びとが、軍事的に成功している侵略者たちを自分たちの政治的主人だと認めることを拒否したら、首都を占領し、選出された指導者たちを逮捕或いは殺害し、新しい政府となったと宣言した時、もし人びとが拒否したら一体どうなるのだろうか。

一般の人々が、政治権力の本質に根差す、みずからの潜在的な力を理解している場合、この問題が現実的・実践的な選択肢として浮上してくるのである。」

 

・       実行の必要条件

「次の問題は、そのための・・・・必要条件である。

第一に、協力の拒否の多くは危険であることを承知して、努力・勇気・英知が必要である。

 第二に、集団的あるいは大衆的行動でなければならないことである。即ち社会集団と組織とによって、支持・協力・恭順が、同時に留保されるときにこそ、重大な脅威を与えることが出来るのである。

 例えば、全国民に向けての、非合法的な、全教会による体制弾劾。数千人の労働者の一致団結した労働組合のもとでの見事に組織化されたストライキ。ほとんどの官僚の一斉の協力拒否。

 

・       人びとによる抑制の構造的基盤

「支配者を抑制するために行動する能力は、社会の非国家的な集団と組織の在り方に影響される。

例えば、家族・階級・宗教団体・職業集団・経済団体・村と町・都市・地方と地域・任意団体・政党など・・」

「これらが支配者を抑制する「構造的基盤」となる。 

具体的には、これら権力核の大きさと活力。これら〈集団・組織〉間の関係。支配者との関係による。

 

・       自由の構造的基盤

「社会というものは現実的には、正式な憲法あるいは法の規定が示すよりも、もっと自由であるかも知れないし、もっと抑圧的であるかもしれない。

「社会の力が、人類の自由の最強の保証者である。

 

・       防衛の社会的起源

「人々と組織は、攻撃者と必要とする同意・服従・協力の承認を拒否することによって、社会を防衛することが出来る。

「この洞察は防衛者たちが、攻撃に対して直接的に社会内部の力を用いて攻撃者と闘う、という道を切り拓

く。

「全組織あるいはその中の重要な部門が独自の意思決定をし始め、攻撃者の命令を公然と拒否して独立的な行動をとり始めた時、彼らは国家機能の不安定要因となる。彼らは、攻撃者にとっては、深甚な脅威となる。

「攻撃者の権力のこういった弱体化と崩壊は、破滅的な軍事兵器を用いることなく可能である。社会が内部的に強力であり、その自己決定権を行使し、そしてしっかりと準備を整えて攻撃者を拒否する時、この社会力に依拠する防衛こそが、侵略者にに対する最も効果的な対抗措置に他ならない

「もし防衛者たちが抵抗を望むのであれば、また重要な政治権力の源泉を管理下に置くことのできる強力な独立した組織を持っているのであれば、そして巧みな非協力と公然たる拒否の運動を展開できるのであれば、その時こそ、社会の力による防衛が、攻撃を迎え撃つ一つの現実的な選択肢となる。

 しかしながら大衆的な強情さと集団的な頑固さだけでは不十分であって、闘争を始める前に人々は、一体どのように闘争を行っていくのか知っておかなければならない。

 人々は、非暴力行動の技法を理解しておく必要がある。

             

・・・所感・・・

 ジーン・シャープは、ここまでで、「何故、《市民力による防衛》などという途方もないことが可能になるのか」といういわば《原理論》を終え、次の第三章 権力を行使する で、第二章の最後で説いた「非暴力行動の技法」の説明に移ります。

 ただその前に、現在、ウクライナで起こっていることと この章・・・特に最後の節「防衛の社会的起源」で説かれていることとを思い合わさざるを得ません。

「もしウクライナ政府と市民が、重要な政治権力の源泉を管理下に置くことのできる強力な独立した組織を持っていて、巧みな非協力と公然たる拒否の運動を展開していたら?」

 ウクライナ侵攻の怖れについて報道されるようになった今年の2月facebookのウクライナ大使館のページに「非暴力防衛を期待する」と投稿したのです。

 『ウクライナの人々が ロシアの侵攻に備えて 軍事訓練を始めていると伝えられています。その気持ちはわかりますが ゲリラ戦は悲惨であり成果は・・・私はチェコのビロード革命を参考に全市民の非暴力市民的不服従を組織されるよう期待しています。』と。 

ジーン・シャープが説く「闘争を始める前に人々は、一体どのように闘争を行っていくのか知っておく。」

には間に合わなかったかも知れませんが。(鞍田東)

・・・・・・・・・・・・・・・

読書会は 会場が準備出来次第 ご案内したいと考えています 鞍田 ak3501@hotmail.co.jp

《非暴力防衛・いわき》14号

《非暴力防衛・いわき》第十四号

      読書会・戦争をなくすために・会報

           2022年9月

「市民力による防衛」(ジーン・シャープ)    

第1章 戦争なき防衛? 

侵略への事前の準備なき闘争 (抜粋)

 外国の占領態勢に対する非暴力闘争の事例のうち、以下の二事例は、我々の議論に関連する。第一に、抵抗が侵略直後直ちに開始され、占領期にまで続く。第二に、政府および社会の主要な組織の正式な支援があった。

 ドイツ 一九二三年(抜粋)

 一九二三年フランス・ベルギー人の占領に反対するドイツ人のルールにおける闘争は、政府の正式な政策であった。

 一九二三年一月のフランスとベルギーの侵略は、賠償金を取り立て、ラインラントのドイツからの分離を確実にするために起こされた。

 まったく事前の準備はなかったが、ドイツ政府の資金援助を受けることになっていた。

 労働組合は、この政策の採用を主張していた。

 実際的な非協力の手段は、占領軍の命令を拒否することを含む。すなわち、公然たる非暴力の拒否行動、鉱山所有者の奉仕拒否、裁判所へのデモ行進、警察官の敬礼の拒否、フランス向け列車運転拒否、鉄道施設

の解体、外国人兵士への販売拒否、占領軍のスープ接待所の利用拒否、禁止令を無視した新聞発行、抵抗宣

言とポスターの貼り出し、採炭の拒否である。

 弾圧は苛烈を極めた。課税、抵抗者の追放、軍法会議、暴漢・盗賊の黙許、投獄、長期入獄、鞭打ち、射殺、殺害、財産強奪、報道統制、住宅等の供出、身分証明書賦課、抑圧規制制定、等々。結果としての食糧不足・飢餓。 

 抵抗の複雑化

・占領要員を殺害する爆破を含む破壊工作。情報提供者の暗殺など・・

・国際的同情を失わせるものとして、州内相・労働組合・一般住民のよそものによる破壊工作批難。

・占領軍兵士による報復と懲罰。・・

・結果としての失業と飢餓、インフレなど・・・抵抗運動の統一性~抵抗の意思も砕ける。

 一九二三年九月、ドイツ政府は非協力運動を中止。しかし、共産党・極右団体の暴動、クーデター発生。

 この間、ベルギー人は、政府の行動に抗議運動。フランスにもドイツを支持するものが。

結局侵略者は撤退。ラインラントは割譲されなかった。

 占領軍は一九二五年六月までにすべて撤退。 

 

 チェコスロヴァキア 一九六八~六九年(抜粋)

 第二次世界大戦に続く数十年間、ソヴィエトの覇権に対する、様々な形態をとった市民による闘争の中で最も重要な事例が、一九六八年のチェコスロヴァキアにおける民主化運動と一九六八~一九六九年の国家防衛の抵抗運動である。

これは、何ら事前の準備もない市民たちが急遽、国家防衛までも目的として戦うという、恐らく最も重要な挑戦の事例である。結局は敗北してしまうのであるが、簡単には負けなかった。八か月間にわたってチェコスロヴァキア人は、ソヴィエト首脳部の政治的目的、すなわちソヴィエトの言いなりになる体制の確立を妨げた。ソヴィエト首脳部はもともと軍事的抵抗を予想しており、抵抗を粉砕し、傀儡政権を作り、そして撤退するまで、二、三日以内ですべて終わる、と見積もっていた。

 そのために、可能な限り素早く数名の重要な指導者をKGBに拉致させた。

 これはしかしながら、チェコスロヴァキアの敗北の兆候ではなかった。チェコスロヴァキアの首脳部は、軍事的抵抗のような策をとらず、緊急事態令を発して軍隊を兵舎に押しとどめ、まったく異なったタイプの抵抗を敢行したのである。

 この際立った特色を持つ非暴力抵抗は、侵略軍の間に重大な兵站上・士気上の問題を引き起こした。最初に投入した大部分の軍隊は短期間に、ある部隊は二、三日以内に交代させる必要があったという。

 いくつもの政治的戦略拠点における抵抗運動のため、(敵性)協力者政府を作ることはできなかった。抵抗運動は侵略の直後から始まり、政府の報道局の職員は、数名の共産党員と政府指導者とが侵入を要請した、と述べた公式声明の発表を拒否した。大統領は、スターリニスト共産党の一集団が彼に突きつけた文書に署名することを拒否した。秘密の防衛ラジオ網(地下秘密放送網)は、平和的抵抗を呼びかけ、抵抗活動を報告し、侵略に反対するいくつかの公的団体を招集させた。

 政府首脳部・党指導部・諸組織は侵略を非難し、国民議会は逮捕されている指導者の釈放と外国軍の即時撤退とを要求した。最初の一週間、防衛ラジオ網は、さまざまなやり方の非協力運動と反対運動とをあみ出し人々を導いた。又、臨時共産党大会を招集させ、1時間のゼネラルストライキを呼びかけ、鉄道員にロシア人の送信・探知・妨害用機材の輸送を遅延させるよう要請し、敵性協力を阻止した。又、暴力的抵抗という軽率な行動を戒め、非暴力闘争の英知を説いた。ソヴィエト側が、協力者を見つけ出して、傀儡政権を打ち立てることはとうてい不可能であった。

 ソヴィエトは軍事的には成功を収めたのに、その国を支配することはできないと悟った。統一された市民的抵抗と増大する侵略軍の士気喪失とに直面して、スヴォボダ大統領を交渉のためモスクワに飛来させたが、大統領は、拉致されたチェコスロヴァキア指導者たちを同席させよと、いささかも譲歩しない。

妥協が図られ、ソヴィエト軍の駐留を認め、改革のいくつか見送られたが、多くの基本的改革は維持され改革派はプラハに戻り元のポストに就いた。

弱さや妥協もあったが、改革体制と多くの改革は、翌年4月まで何とか維持された。しかし遂にちょっとした反ソ暴動が、ソヴィエトの強硬な圧力の口実となった。チェコスロヴァキア首脳部は降伏し、ドプチェク改革派集団を党と政府から追放して、強硬路線のフサーク体制にとって代えたのである。

  (中略)

 この防衛闘争の敗北は、結局はチェコスロヴァキア首脳部の降伏によるものであって、抵抗運動が敗北したわけではない。しかし、その非暴力抵抗運動は、軍事的手段ではとうてい不可能な、八月から翌年四月までの八か月、ソヴィエトの完全支配を寄せ付けなかったのである。

 この抵抗は全て、事前の準備なく、事前の訓練もなく、いわんや緊急事態への対処策すらなかった。そういった全く不利な状況下でこのような戦果を挙げ得たのは、良く練り上げられた、十分に準備され、よく訓練された、じっさいの防衛を担う非暴力闘争であるならば、軍事的手段によるよりも遥かに大きな潜在的力量を持つであろうということを示している。

 

体系的発展のための基礎(抜粋)

 本章(戦争なき防衛)で取り上げ述べてきた四事例(ドイツ一九二〇年、フランス一九六一年、ドイツ一九二三年、チェコスロヴァキア一九六八~六九年)は、外国からの侵略と国内の簒奪とに対する抑止と防衛とを可能にする、新しい防衛様式の体系的開発のための原理を与えてくれる。

 今日に至るまでこの種の行動は、依然未熟な政治的技法である。非暴力行動は、軍事行動が五千年の歴史を持つほどには練り上げられてこなかった。非暴力闘争への参加者はつねに、事前の組織化・事前の準備・改良された武器・訓練・過去の闘争事例や戦略的原理に関する深い知識を持っていなかった。

 そのような決定的に不利な状況であるににもかかわらず、非暴力闘争による国家防衛の実践家たちは、きわめて印象に残る成果を上げてきたのである。

 我々は今や、一体どのようにすればそのような多大な成果を上げ得るのかという問題、そして、準備された抑止と防衛の、もっとも効果的な政策が果たして将来のために作られ得るのかどうか、そしてもし作られ得るなら、それは一体どのように作り上げたらよいのかという問題にも注意を払わなければならない。

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以下 第二章 権力の源泉を利用する

   第三章 権力を行使する

   第四章 市民力による防衛

   第五章「超軍備」に向けて

いわき市立図書館所蔵 発行・法政大学出版局

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嬉しい反応

 会報第12号に、

『私には 夢・・願いがあります

〈(仮称)非暴力防衛団・いわき〉を発足させたい! 』

という投稿をし、これを「非暴力平和隊・日本」のメーリングリストに転送しました

「会員各位 

下記は いわきで細々と始めた読書会の会報12号に寄稿したものです

ぶつぶつ 独り言を言っているだけでなく 会員の皆様にも聞いていただきたいと思い 投稿させていただきます

賛同していただければもちろん嬉しいのですが 反対だというご意見も、とても参考になりますのでお聞かせいただけますと幸甚です」

 

これい対し、即日、Aさんという方から 有難いアクションがありました。

『こういう考え、アプローチができるんだ、と びっくり(刺激)しました。

「刺激」こそ、発展のカギといいます。

「刺激」=「感動」=驚きこそ、友人にはなしてみます。

 感謝です。』(全文)

 諦めながら望み、期待していた 最上のリアクションでした!                         (鞍田 東)

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『私には 夢・・願いがあります (再掲・要旨)

 〈(仮称)非暴力防衛団・いわき〉を発足させたい! 』    

 単なる読書会・研究会ではありません

「非暴力防衛」の宣伝団体ではありません。

 いざという時には『自らで 非暴力防衛にあたりたい』と願っている いわき在住の有志の集まりです。

最初は 3人でも5人でもよいのではないでしょうか (こんな夢を公にするのははじめてですので いまのところ 仲間は 一人もいません)

政治的な活動で 法律を制定することでできるものではありません

基本的な綱領は 日本国憲法です

 研究方針・活動計画などは メンバーの話し合いで作成し 柔軟に改定することを考えています

このような集まり・・・・〈非暴力防衛団・***など〉が 日本中のあちらこちらで生まれ それが ネットワークを結ぶようになることを期待しています

 

自衛隊とは 日本の防衛について 積極的に話し合い、やがては、自衛隊が 非暴力防衛を研究し 自らの意思で 警察機能を超える武器を放棄し 〈非暴力防衛団〉と協力する組織に代わってゆくことを 期待しています。

 

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読書会は 会場が準備出来次第 ご案内したいと考えています。 

鞍田  0246-56-2596    ak3501@hotmail.co.jp

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