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フランスの対独レジスタンスについて  「海の沈黙」 ヴェルコールを読む

フランスの対独レジスタンスについて

 海の沈黙・星への歩み ヴェルコール 河野与一・加藤周一訳 

岩波版ほるぷ図書館文庫 1975,9

私は 第2次世界大戦中の「レジスタンス」というと 先ず真っ先に「マキ」を連想します。というより 他のイメージが無かったのです。

 ところが この頃 「非暴力防衛」について考えていて、この本を思い出しました。 

高校時代に書名を知っていましたが読んだ記憶がありません。

そこで よんでみました。

ヴェルコールが この本を書き、占領下で地下出版することで伝えたかったこととはずれていることを承知していますが、「海の沈黙」には 感銘を受けました。

主人公とその姪の 部屋を提供した「フランス文化に敬意を持っているドイツ将校」に対する「海」のような「沈黙」。

このようなフランス人の情況があって 「マキ」などのレジスタンスがあったのでしょう。

(日本人に このような毅然とした姿勢が期待出来るのでしょうか? 

終戦後の日本で 占領米軍に 抵抗の姿勢を取れた人は いたのでしょうか?) 

とはいえ これは 厳しい時間・厳しい日々だったと思います! 

しかも それを「戦後の回想」としてだはなく、「占領下(1942年)の地下出版」で! 

そのテーマは・・・私の理解するところでは・・・自分のドイツ人への「抵抗を誇る」ものでなく 「フランス文化に敬意を抱くドイツ人将校の その故の悲劇を記す」ものなのです!

そして このような「地下出版」が計画され 実行されたこと!

2次世界大戦中のドイツに対する、そして ソ連体制の中での東欧諸国の「非暴力抵抗」を 文学作品を通じて感じ 理解を深め そして考えたいと思いました。

2006年5月9日の朝日新聞オピニオンの頁に

2006年5月9日の朝日新聞オピニオンの頁に (編集委員)根本清樹さんの「憲法9条 個人の自衛権から考える」という文章が載っていました。

5月3日の 政治学者・杉田敦さんの講演に寄せて、「国家あってこその個人」という言い回しに惑わされず、「どんな権力や暴力にたいしても自分の自然権を行使する容易があるという心構え」を持つべきだというのです。

 そこまでは宜しいのですが、最後の6行で「国家を挙げて非武装抵抗、絶対平和主義に殉じようといった主張も、個人の自衛権を奪う点では同じであり、採用することはできないということになる。」と締めくくっています。

 「これは」と思い 下記のようなメモを メールで 送っておきました。 

・・・・・・・・・・・・・

「個人の自衛権から考える」
 趣旨に 共感いたします
 ただ 残念なのは 最後の6行です
 自民党改憲論者の主張に「国家を挙げて非武装無抵抗、絶対平和主義」を対置させる
のは 日本では「常識」となっているようです
 日本人多数の精神的風土、或いは「革新」政党の戦後の主張から そのように考えられることは やむを得ないでしょう
 しかし 私は ここにこそ 落とし穴があると思っています
 ガンディーには「怯と暴とのいずれかを選ぶべき場合には、予は暴を勧めるであろう。暴力否定は暴よりも非常に優良であり、寛恕は懲戒よりも一層気高いのである」(ガンディー聖書・岩波文庫)という言葉があります
 私は この姿勢こそ、そして具体的には「非暴力防衛」こそが 対置されるべきだと思います。
 憲法と関連付けると 第12条前段 ということになりましょうか。
 日本には 書籍も 少ないのが残念ですが
1、宮田光雄「非武装国民抵抗の思想」岩波文庫
2、「市民的抵抗 非暴力行動の歴史・理論・展望」 マイケル・ランドル 石谷行・田口江司・寺島俊穂訳 1933年イングランド生まれ 1951年良心的兵役拒否者として登録 以来様々に行動 新教出版社
3、市民的不服従 政治理論のパラダイム転換 寺島 俊穂 1950 東京 慶応(博士課程)関西大学教授 風行社
など ご存知でしょうか
 少数派だとは思いますが いつかは 人類が このように考えてくださるようになることを念じています            合掌

 追伸
 尚 私は 国際的NGO「非暴力平和隊」を支援する「非暴力平和隊・日本」http://www5f.biglobe.ne.jp/~npj/ の会員です
 また 自分の 散漫な考えを 少しずつ整理するため「非暴力防衛〈実行のための〉研究ネット」というブログ http://ameblo.jp/nvd/entry-10009479100.html を持っています

日本国憲法 第12条[前段](自由および権利の保持責任)

日本国憲法
第12条[前段](自由および権利の保持責任)
この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない。


「憲法前文、第九条第2項の規定」が 私共の人権・民主主義を 国内外の圧制を試みようとするものに対し  「自ら」守ろうという姿勢を放棄して、相手国 乃至第三国の善意に寄りかかろうとするものだ という誤解が 護憲を主張する方にも 見受けることがあるのは残念なことです。

これは ガンディー以来の「非暴力抵抗」「非暴力行動」の思想に照らせば 誤りであることは明確だと思います。

又 憲法のこの条文も 国内のみならず 国外からの圧制の試みに対して 国民が 自ら抵抗することを期待しているものと読むべきだと思います。

又 日常の 国内の権利侵害への抵抗の実践を積み重ねておくことが、国外からの圧制への抵抗の訓練になるということにも繋がることを示唆していると 私は理解しています。 

「非暴力平和隊・日本」総会への提案

本年2月 「非暴力平和隊・日本」の総会を前にして 下記のような提案をしましたところ 総会で 討議していただけました。
結論としては
・ 「非暴力防衛」そのものの意義・可能性など
・ 現在「非暴力防衛」を積極的に論ずることの妥当性
・ NPJが この課題を自らの目的事項とすることの可否
など 時間をかけて検討する課題が多いので 今総会では 提案の可否を決せず 適
当な機会に 検討を続ける
ということになりました。
そこで このブログを ご紹介させて戴くことにしました。

総会へ提案した内容は 下記のとおりです。

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共同代表 大畑さま 君島さま
事務局長 安藤さま
鞍田です
この頃 しきりに考えざるを得ないとおもうようになりましたので 提案させて戴きます
ご検討いただきたく存じます    合掌
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1、提案事項
規約 第3条(目的)に 第2項を追加する

2、提案内容
第2項 
本会は 日本人が 日本国憲法第9条第2項のもとで 自分たちの人権と民主主義を非暴力・非武装で守るための具体的な方法を検討し、広く国民に提案するとともに、自ら行動する準備を行う。 

3、提案理由
 この頃 憲法9条の改正の声が 大きくなっています。

 一時は 「国際貢献のための自衛隊の海外派遣を」という口実が使われており、此れに対しては 「非暴力平和隊」を育てることは 議論ではなく事実による反論 実在する異なる選択肢の提示と言うことで きわめて有意義だと思っていました。

 しかし 今では 造られた気味がありますが 北朝鮮・中国を仮想敵国として 日本の防衛のために第九条の改定が必要であるという世論作りがなされています。

 これに対しては 国際的な相互理解を深め 外交姿勢について見識ある態度を取るよう世論に働きかける必要があることは当然ですが、「非暴力平和隊・日本」としては 更に

(1)『国民の自由と権利を 「非暴力防衛」・「非暴力抵抗」により守り抜く』という基本姿勢を明らかにし  
(2)そのための 具体的な方法を 検討し 必要に応じて行動のための準備を始める
ことが必要であると思います。

「非暴力平和隊」が その実現のため 目的・事業を禁欲的に絞っていることには異議はありません。
 しかし 「日本の」支援団体としては 日本独自の課題に取り組むことをためらうべきではないと思います。

 これは 日本で 非暴力平和隊の理解を広め 協力者を増やしてゆくためにも 必要なことだと 私は 考えます。

 それでも これは 「非暴力平和隊・日本」の目的・事業には 入れるべきでないというご意見が予想されます。もし そのようなお考えが多数で この提案が否決された場合は、外に何かの場を考えたいと思っています。         
2006,2,21


平和を造り出す力 非暴力直接行動の現代的意義 L・S・アプシー 新教出版社 

平和を造り出す力 非暴力直接行動の現代的意義

L・S・アプシー(クエーカー) 林好人・石谷行訳  

  1960年に初版 新教出版社 1984,8,30 144ページ 700

阿木幸男さんのノルウエーの人たちのナチに対する非暴力抵抗のぺーじに この本が出典として載っていましたので探して読みました。

 様々な角度から 非暴力直接行動の歴史と意義が説かれており、著者の姿勢に感動しましたが、中でも 冷戦下のアメリカで ソ連の脅威に対し

「やがてもしわが国が現実に暴虐者によって攻撃されたり、占領されたりするよう なことが起これば、疑いも無く苦難を受けて辞さないことでしょう。」

という毅然とした姿勢を示し、かつ

「万一専制主義者が脅威を与えた場合には、アメリカが、かってのハンガリー人や、ドイツにいたユダヤ人がとった消極的な道を選ばず、あのノルウエーの教師たちが反抗したと同じように、非暴力で効果的に抵抗する準備がなされているように希望します。」

という提案をされていることに瞠目しました。

 こうゆう難しい立場に敢えて立つ方が 当時のアメリカに居られたのです。

 とても勇気を戴きました。

【文献紹介】 非暴力    阿木 幸男   現代書館  

非暴力  阿木 幸男 現代書館 1987,2,25 174ページ 1236

私は「非暴力平和隊」の集まりでこの本を求めました。

様々な非暴力行動が紹介されていて とても勉強になりましたが、一番驚いたのが「ナチに対するノルウエー人の非暴力抵抗」というページでした。

ガンディーの南アフリカ・インドでの非暴力行動も 相手が英国という民主主義・人権をたてまえとしている国があいてであったから通用したので、たてまえが違う国に対しては 「絶対的非暴力主義」という立場であればともかく 現実的には通じないのだろうと感じていたからです。

1940年 ナチがノルウエーを占領した時、多くの犠牲は出しながらも 市民が・・・例えば「800010,000人の教師がナチが組織した新しい教員組合への参加を拒否」「ほぼ全国の協会聖職者が辞職」するなど 公然と 非暴力で ナチが任命した総統の命令に抵抗したのだそうです。

今 非暴力防衛について考えている出発点は この1ページの記事でした。 

【文献紹介】 非武装国民抵抗の思想 宮田 光雄  岩波新書

非武装国民抵抗の思想 宮田 光雄(1928年生 東北大学名誉教授)  岩波新書 1971,11,20発行・ 2004,3,198刷 223ページ 740

 まず このようなテーマについて書かれた本が 1971年・35年前に発行されていたことに感動し、ついで この本が最近 2004年に増刷されていることに心強いものを感じます。

 しかし その割りに 私共の目耳に「非武装国民抵抗」・「非暴力防衛」を具体的に進めようという声が聞こえて来ないことに もどかしさを感じていました。

 ということを或る方に申し上げたところ 寺島俊穂さんのご本を紹介され 干天の慈雨という思いになりました。

 また この頃 マイケル・ランドルさんの本も発見、その核心的な部分の翻訳を 石谷行さんが分担されていることに勇気を戴いた想いでいます。


 前置きが長くなりましたが この本は  

第一章 れわれは今どこにいるか

第二章 核の迷信からの脱却 

第三章 非武装国民抵抗の構想

第四章 平和のための教育

第五章 良心的兵営拒否の思想

あとがき

からなっています。

 全体が緊密に結びついていますが 中心は「第三章 非武装国民抵抗の構想」

で、その内容は

  1、非武装の防衛構想

2、国を守るとは何か

3、非暴力抵抗に形態

4、非武装と平和外交

5、国民抵抗と民主主義

からなっています。

 宮田さんは 慎重な言葉遣いで このように問題提起をしておられます。

「非武装国民抵抗は・・・紛争を実際に有効に、つまり、永続的に解決することの出来る防衛形態であるように思われる。」(p74

「この防衛構想こそ、デモクラシーと平和の原則に立つ憲法に矛盾しない唯一の形態ではなかろうか。」

 そして

「詳細な青写真や最終的な解答を、いわんや危険をともなわない安易な方法を提示することはできないであろう。」

「従来、ほとんどその実効性を疑われ、あるいは無視されてきた非武装国民抵抗の戦略と論理が、今日、真剣な考慮に値する所以を示すことができれば十分としなければならない。

と。

 私は 宮田さんの次の世代のものとして、「最終的な解答」をめざし、「詳細な青写真」をつくるべく 全国に居られるであろう同じお気持ちの方々とご一緒に 歩みだしたいと思います。



 




【文献紹介】 市民的抵抗 非暴力行動の歴史・理論・展望 マイケル・ランドル

市民的抵抗 非暴力行動の歴史・理論・展望

マイケル・ランドル(1933年イングランド生まれ 1951年良心的兵役拒否者として登録 以来様々に行動)

石谷行・田口江司・寺島俊穂訳

新教出版社 2003,9,30 263ページ 2700

 目次は

第1章 市民的抵抗と〈現実政治〉

2章 受動的抵抗の進展

3章 サチーヤグラハから民衆の力へ

4章 非暴力行動の力学

5章 代替防衛とは何かー概念の誕生

6章 市民的防衛の戦略

7章 民衆のエンパワーメントと民主的諸価値

8章 1990年代の市民的抵抗

となっています。

 歴史を踏まえ 問題点を絞って書かれており 読んでいて勇気を分かち与えられる想いがしました。

 とくに「第5章 代替防衛とは何かー概念の誕生」「第6章 市民的防衛の戦略」の二つの章は「市民的抵抗は・・・・自国や同盟国を防衛するための軍備を、全面的或いは部分的にせよ要らなくすることまでできるものだろうか。」という文章にはじまり、そして この問題についての 様々な方の意見、様々な歴史上の事例が紹介されています。

 この問題は 憲法9条に対する世論が動揺している今 とても大事な問題であり 多くの方々にお考え戴きたいと思います。

 私は 冒頭の文章に続いて紹介されているバートランド・ラッセルの 1915年の言葉に同感です。

「イギリス国民が一世代にわたる訓練を積めば、組織的に準備された非協力行動によってドイツに占領されても敗北に追い込むことができるであろう。」

 又 アダム・ロバーツという方は「市民的防衛」についての小冊子を編集し・・・「非暴力行動は、人がそれを受け入れたり拒絶したりする教義としてでなく、技術として判定されるべきである。」

言っておられるそうですが 私も そのような姿勢で この本を 熟読し 考えてみたいと思っています。         

暫定版(仮称)「非暴力防衛ネット」を作りましょう ―抜粋―

暫定版(仮称)「非暴力防衛ネット」を作りましょう ―抜粋―

1、「非暴力防衛」とは 

「こちらから暴力を振るわないという非暴力」結構。

では 相手が 暴力を振るって来たらどうするのか?

 「やりかえす」のか? 「屈服する」のか?

   いや 違う、それだけではない。 

   「やり返さずに なんとかして相手の非を正す」べきではないか。

   これは 国と国との間でも そうあるべきではないだろうか。 

   というのは どうゆうことか?

   そのためには どうすれば良いのか?

   これを「議論」しているのではなく、市民レベルで「実行」に移し      

  て・・・・「歩きながら」考えて行くことにしたい

2、今 何故 提案するのか

   憲法9条改定問題

   これは 議論では 世論を押し返すことは出来ない

   また 「アメリカの軍事力の傘を 合憲である自衛隊の軍事力を前提にした第九条護持」は 日本人を堕落させ、アジア・世界の平和への貢献を困難にしている

 

   加えて 北朝鮮侵攻論、中国脅威論が 日本人の気持ちを揺すぶっ

  ている        

これは 放置しておくと 日本のひ弱な人権感覚・民主主義を圧倒し ファシズムまがいの状況を生み出しかねない

   これに対しては

「いざという事態になっても、絶対に屈服することなく、かといって武力による殺し合いの方法をとらず、非暴力で 公然と 相手の政府・軍隊・軍人に対峙し、相手の翻意を働きかける」という対案を提示し 一緒に考えるしかない  

   だから 今すぐ 「議論」ではなく 「実行」にとりかかる・・・出来るところから手をつけることにしたいと 私は 考える

   

3、構想を提案された先輩たち(略)

4、基本構想

   万一の場合に

 市民による非暴力抵抗により

国民の人権を守ろうとする

ネットワーク組織を作り

これを 徐々に 発展させてゆく

  

5、当初・当面の方針

小さくても「核」となるチームを どうやって作るか

   全国ネットの 作り方

全国ネットの あり方

  「世論醸成」の方法について

6、研究しなければならない問題 (略)

7、  研究しておいた方が良い問題 (略)

9、差しあたっての進め方・各論(略)

10、参考文献(略)

 

「市民的不服従」 寺島俊穂 風行社 2004年

「市民的不服従」(寺島俊穂著、風行社発行)という本を

紹介したいと思います。
私がいま読みかけている本です。

329頁、3,150円(税込み)と少し高い本かも知れませんが、

読みごたえはありそうです。


 第1章 市民的不服従の論理
 第2章 ソローとガンディー
 第3章 M.L.キングと公民権運動
 第4章 指紋押捺拒否の思想と運動
 第5章 兵役拒否の思想
 第6章 市民的防衛論の検討
 第7章 非暴力防衛の思想
 第8章 憲法第九条と戦争の廃絶


という内容で、ソロー、ガンディー、キング牧師の思想の核心に

迫ろうと試み、ジーン・シャープやガルトゥングの考え方

についても触れられており、

憲法第九条の経緯と非暴力原理について書かれています。


私は最後の章から読み始めたのですが、最後のほうで、


 「憲法の前文と第九条が要請していることは、
  非暴力による紛争解決への道であり、

  その実績を積んで行くことが日本政府および

  日本国民の今後の課題となるであろう。

  非暴力による紛争解決というのは、

  国際紛争に対しては、紛争解決のため、

  また紛争時の人命救助のため非武装、非暴力で貢献し、

  日常的には戦争や暴力紛争の予防のために

  尽力することである」


と書かれており、非暴力平和隊(NP)やGPPAC*の目指すものと

同じ道であることを主張されておられます。


また、論議の的になっている自衛権についても、

武力に頼ることなく、


 「非暴力的手段で積極的に闘い、

  自分たちの社会を守るという意味で『非暴力自衛権』

  という言い方のほうが憲法第九条に適合していると考えている」


と書かれています。


なお、著者の寺島さんは、「憲法9条の会・関西」の講演会で

お話をうかがったことがあり、その際に

WRI(War Resisters' International、戦争抵抗者インターナショナル)

のことを教えていただいた方です。



                   非暴力平和隊・日本(NPJ)理事 

                                 小林 善樹


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非暴力平和隊・日本(NPJ)の理事である小林善樹さんの紹介で

いわき市立常磐図書館にリクエストしたら買ってくれた本書を

ほぼ読みましたが、一冊手元に欲しいと思っています。


まず「はじめに」に、


 「どのようにして侵略戦争に対して自衛戦争以外の

  抵抗手段を見いだすことができるのかという問題について考察する」


とあります。


第Ⅰ部「市民的不服従の思想と実践」の

第1章「市民的不服従の論理」にも


 「外国軍の侵略という事態が起こったとき」

  

 「侵略に対する抵抗運動としても」


 「侵略に対する、市民的不服従も含む  非暴力手段による民衆抵抗の有効性」


などという言及があります。


第Ⅱ部「戦争廃絶の論理」では、第5章「兵役拒否の思想」に続き

第6章「市民的防衛論の検討」、第7章「非暴力防衛の思想」で

現時点での丁寧な検討がなされています。

そして第8章「憲法第九条と戦争の廃絶」で結ばれています。


これですべてということではありませんが、

宮田光雄さんの「非武装国民抵抗の思想」 (1971年)で

途切れてしまったいたのかと思っていたものが

このような形で継承されていること、とても嬉しく思いました。

(丁寧な参考文献もありがたいと思っています)


憲法が問題になっている今、

「非暴力抵抗」は「非暴力平和隊」と左右の両輪をなす

貴重なオルタナティブの提案だと思います。
「NP・日本」としても その規約の「目的」に付け加えることを

検討するべきではないかとさえ 思いますが 如何でしょうか?   合掌


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