《非暴力防衛・いわき》14号
《非暴力防衛・いわき》第十四号
読書会・戦争をなくすために・会報
2022年9月
「市民力による防衛」(ジーン・シャープ)
第1章 戦争なき防衛?
侵略への事前の準備なき闘争 (抜粋)
外国の占領態勢に対する非暴力闘争の事例のうち、以下の二事例は、我々の議論に関連する。第一に、抵抗が侵略直後直ちに開始され、占領期にまで続く。第二に、政府および社会の主要な組織の正式な支援があった。
ドイツ 一九二三年(抜粋)
一九二三年フランス・ベルギー人の占領に反対するドイツ人のルールにおける闘争は、政府の正式な政策であった。
一九二三年一月のフランスとベルギーの侵略は、賠償金を取り立て、ラインラントのドイツからの分離を確実にするために起こされた。
まったく事前の準備はなかったが、ドイツ政府の資金援助を受けることになっていた。
労働組合は、この政策の採用を主張していた。
実際的な非協力の手段は、占領軍の命令を拒否することを含む。すなわち、公然たる非暴力の拒否行動、鉱山所有者の奉仕拒否、裁判所へのデモ行進、警察官の敬礼の拒否、フランス向け列車運転拒否、鉄道施設
の解体、外国人兵士への販売拒否、占領軍のスープ接待所の利用拒否、禁止令を無視した新聞発行、抵抗宣
言とポスターの貼り出し、採炭の拒否である。
弾圧は苛烈を極めた。課税、抵抗者の追放、軍法会議、暴漢・盗賊の黙許、投獄、長期入獄、鞭打ち、射殺、殺害、財産強奪、報道統制、住宅等の供出、身分証明書賦課、抑圧規制制定、等々。結果としての食糧不足・飢餓。
抵抗の複雑化
・占領要員を殺害する爆破を含む破壊工作。情報提供者の暗殺など・・
・国際的同情を失わせるものとして、州内相・労働組合・一般住民のよそものによる破壊工作批難。
・占領軍兵士による報復と懲罰。・・
・結果としての失業と飢餓、インフレなど・・・抵抗運動の統一性~抵抗の意思も砕ける。
一九二三年九月、ドイツ政府は非協力運動を中止。しかし、共産党・極右団体の暴動、クーデター発生。
この間、ベルギー人は、政府の行動に抗議運動。フランスにもドイツを支持するものが。
結局侵略者は撤退。ラインラントは割譲されなかった。
占領軍は一九二五年六月までにすべて撤退。
チェコスロヴァキア 一九六八~六九年(抜粋)
第二次世界大戦に続く数十年間、ソヴィエトの覇権に対する、様々な形態をとった市民による闘争の中で最も重要な事例が、一九六八年のチェコスロヴァキアにおける民主化運動と一九六八~一九六九年の国家防衛の抵抗運動である。
これは、何ら事前の準備もない市民たちが急遽、国家防衛までも目的として戦うという、恐らく最も重要な挑戦の事例である。結局は敗北してしまうのであるが、簡単には負けなかった。八か月間にわたってチェコスロヴァキア人は、ソヴィエト首脳部の政治的目的、すなわちソヴィエトの言いなりになる体制の確立を妨げた。ソヴィエト首脳部はもともと軍事的抵抗を予想しており、抵抗を粉砕し、傀儡政権を作り、そして撤退するまで、二、三日以内ですべて終わる、と見積もっていた。
そのために、可能な限り素早く数名の重要な指導者をKGBに拉致させた。
これはしかしながら、チェコスロヴァキアの敗北の兆候ではなかった。チェコスロヴァキアの首脳部は、軍事的抵抗のような策をとらず、緊急事態令を発して軍隊を兵舎に押しとどめ、まったく異なったタイプの抵抗を敢行したのである。
この際立った特色を持つ非暴力抵抗は、侵略軍の間に重大な兵站上・士気上の問題を引き起こした。最初に投入した大部分の軍隊は短期間に、ある部隊は二、三日以内に交代させる必要があったという。
いくつもの政治的戦略拠点における抵抗運動のため、(敵性)協力者政府を作ることはできなかった。抵抗運動は侵略の直後から始まり、政府の報道局の職員は、数名の共産党員と政府指導者とが侵入を要請した、と述べた公式声明の発表を拒否した。大統領は、スターリニスト共産党の一集団が彼に突きつけた文書に署名することを拒否した。秘密の防衛ラジオ網(地下秘密放送網)は、平和的抵抗を呼びかけ、抵抗活動を報告し、侵略に反対するいくつかの公的団体を招集させた。
政府首脳部・党指導部・諸組織は侵略を非難し、国民議会は逮捕されている指導者の釈放と外国軍の即時撤退とを要求した。最初の一週間、防衛ラジオ網は、さまざまなやり方の非協力運動と反対運動とをあみ出し人々を導いた。又、臨時共産党大会を招集させ、1時間のゼネラルストライキを呼びかけ、鉄道員にロシア人の送信・探知・妨害用機材の輸送を遅延させるよう要請し、敵性協力を阻止した。又、暴力的抵抗という軽率な行動を戒め、非暴力闘争の英知を説いた。ソヴィエト側が、協力者を見つけ出して、傀儡政権を打ち立てることはとうてい不可能であった。
ソヴィエトは軍事的には成功を収めたのに、その国を支配することはできないと悟った。統一された市民的抵抗と増大する侵略軍の士気喪失とに直面して、スヴォボダ大統領を交渉のためモスクワに飛来させたが、大統領は、拉致されたチェコスロヴァキア指導者たちを同席させよと、いささかも譲歩しない。
妥協が図られ、ソヴィエト軍の駐留を認め、改革のいくつか見送られたが、多くの基本的改革は維持され改革派はプラハに戻り元のポストに就いた。
弱さや妥協もあったが、改革体制と多くの改革は、翌年4月まで何とか維持された。しかし遂にちょっとした反ソ暴動が、ソヴィエトの強硬な圧力の口実となった。チェコスロヴァキア首脳部は降伏し、ドプチェク改革派集団を党と政府から追放して、強硬路線のフサーク体制にとって代えたのである。
(中略)
この防衛闘争の敗北は、結局はチェコスロヴァキア首脳部の降伏によるものであって、抵抗運動が敗北したわけではない。しかし、その非暴力抵抗運動は、軍事的手段ではとうてい不可能な、八月から翌年四月までの八か月、ソヴィエトの完全支配を寄せ付けなかったのである。
この抵抗は全て、事前の準備なく、事前の訓練もなく、いわんや緊急事態への対処策すらなかった。そういった全く不利な状況下でこのような戦果を挙げ得たのは、良く練り上げられた、十分に準備され、よく訓練された、じっさいの防衛を担う非暴力闘争であるならば、軍事的手段によるよりも遥かに大きな潜在的力量を持つであろうということを示している。
体系的発展のための基礎(抜粋)
本章(戦争なき防衛)で取り上げ述べてきた四事例(ドイツ一九二〇年、フランス一九六一年、ドイツ一九二三年、チェコスロヴァキア一九六八~六九年)は、外国からの侵略と国内の簒奪とに対する抑止と防衛とを可能にする、新しい防衛様式の体系的開発のための原理を与えてくれる。
今日に至るまでこの種の行動は、依然未熟な政治的技法である。非暴力行動は、軍事行動が五千年の歴史を持つほどには練り上げられてこなかった。非暴力闘争への参加者はつねに、事前の組織化・事前の準備・改良された武器・訓練・過去の闘争事例や戦略的原理に関する深い知識を持っていなかった。
そのような決定的に不利な状況であるににもかかわらず、非暴力闘争による国家防衛の実践家たちは、きわめて印象に残る成果を上げてきたのである。
我々は今や、一体どのようにすればそのような多大な成果を上げ得るのかという問題、そして、準備された抑止と防衛の、もっとも効果的な政策が果たして将来のために作られ得るのかどうか、そしてもし作られ得るなら、それは一体どのように作り上げたらよいのかという問題にも注意を払わなければならない。
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以下 第二章 権力の源泉を利用する
第三章 権力を行使する
第四章 市民力による防衛
第五章「超軍備」に向けて
いわき市立図書館所蔵 発行・法政大学出版局
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嬉しい反応
会報第12号に、
『私には 夢・・願いがあります
〈(仮称)非暴力防衛団・いわき〉を発足させたい! 』
という投稿をし、これを「非暴力平和隊・日本」のメーリングリストに転送しました
「会員各位
下記は いわきで細々と始めた読書会の会報12号に寄稿したものです
ぶつぶつ 独り言を言っているだけでなく 会員の皆様にも聞いていただきたいと思い 投稿させていただきます
賛同していただければもちろん嬉しいのですが 反対だというご意見も、とても参考になりますのでお聞かせいただけますと幸甚です」
これい対し、即日、Aさんという方から 有難いアクションがありました。
『こういう考え、アプローチができるんだ、と びっくり(刺激)しました。
「刺激」こそ、発展のカギといいます。
「刺激」=「感動」=驚きこそ、友人にはなしてみます。
感謝です。』(全文)
諦めながら望み、期待していた 最上のリアクションでした! (鞍田 東)
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『私には 夢・・願いがあります (再掲・要旨)
〈(仮称)非暴力防衛団・いわき〉を発足させたい! 』
単なる読書会・研究会ではありません
「非暴力防衛」の宣伝団体ではありません。
いざという時には『自らで 非暴力防衛にあたりたい』と願っている いわき在住の有志の集まりです。
最初は 3人でも5人でもよいのではないでしょうか (こんな夢を公にするのははじめてですので いまのところ 仲間は 一人もいません)
政治的な活動で 法律を制定することでできるものではありません
基本的な綱領は 日本国憲法です
研究方針・活動計画などは メンバーの話し合いで作成し 柔軟に改定することを考えています
このような集まり・・・・〈非暴力防衛団・***など〉が 日本中のあちらこちらで生まれ それが ネットワークを結ぶようになることを期待しています
自衛隊とは 日本の防衛について 積極的に話し合い、やがては、自衛隊が 非暴力防衛を研究し 自らの意思で 警察機能を超える武器を放棄し 〈非暴力防衛団〉と協力する組織に代わってゆくことを 期待しています。
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読書会は 会場が準備出来次第 ご案内したいと考えています。
鞍田 0246-56-2596 ak3501@hotmail.co.jp