再生してみると、最初っから閻魔様が出てきた。
恐いメイクをした小林幸子最終形態という感じである。
なんだかもうB級ホラー。
死霊の盆踊り的なにおいがプンプンするよ。
※カップルがドライブして、外に出た瞬間
唐突に死人が取り囲むように裸踊りする映画
大変嫌な予感がする。
開始1分、ぼんやりしていた主人公の前に閻魔の使いが現れ、
地獄めぐりし、 実際にあったさまざまな罪をみてくる話らしく、
犯罪の再現ドラマ→地獄の責め苦 という形式だった。
最後、どうするのだろと暫く見てみることにした。
2つ目のケースは、宗教関連だったのだけど、
「ああぁあああん、あっ、たすけてええええぇん!」
(スロー+エコー)
まさにただ殺されるだけのところで…謎喘ぎ…。
ええ…。
この演出の意味とはいったい。
残った疑問は、これがホラーなのかというところだ。
真面目にやってるなと思ったら、
今まできっちりやった分 巻き返すように
意味ない濡れ場をためらいなく投入しまくっていた。
さらには、首謀者が一人隠れている場所は
悪臭でばれるというとんでも展開。
「くっせ!ここだ!」
そんな見つけ方をしたら、間違いなく語り草である。
2つ目の犯罪から地獄にもどるまで1時間ありましたよ。
忘れていたけど、地獄での処刑シーン
最後、主人公が現世に帰るというときに
唐突に丹波哲郎がぽんっと出てきて、
地獄で拍子抜けするレベルの争いがこじんまり行われ、
途中で「地獄やだ」とのことで丹波哲郎帰っちゃった。
尺が余ったので残った人たちで踊ったり乱闘。
現世に戻ったら、閻魔様(和装の上品なおばあさんタイプ)が
「有限じゃないものに祈りをささげよ」と
主人公に伝えていました。あれ…?宗…?
ふと画面が切り替わると、教団の中に主人公の姿があった。
(私はこの教団を捨てる…!(教団の服を脱ぎ棄てながら))
主人公は念じている。
すると周りの全員がおもむろに脱ぎ始めて、
のびる筍のような動きを繰り返しながら祈る。
さらに、最後のエンドロール3分間は尻祭りだ。
万華鏡でみたかのように並んで
くるくると回っているの、尻が。
こんなに「尻」と連呼したことは未だかつてなかったよ。
理解できるスピードをはるかに凌駕してきた。
しかしそれだけ理解すべき情報が
流れ込んできたか、というとない。
どういうわけか、終わりまでみてしまった…。
監督がなぜ撮影を続けられたのか、考えてみた。
見終わった時にどす黒い気持ちが残らないようにと、
シリアスとの配分を考えた結果だろうか。
いや、無意味に裸を撮りたかっただけではと純粋に思う。
もう何とも言えないけど、2時間近く消えたので、
この「地獄」★5にしておきたい。
m○i○x○iというmから始まるオレンジの出会い系サイトの話。
以前すっかりガッチガチのギャルへと変態した知人を見て、
メイクで顔変えられるんだなと驚いた際に、
「出会いは求めてマセン」みたいなのがあったことも気になった。
気になったのはマセンだけじゃない。
なぜ最初に断る必要があるのか、
まず来ないのではないか、そう思った。
するとしばらくして、同じ学校だという人が
mixi同級生を通じてきてマイミクになった。
その後、会いましょうときた。
また会いましょうときた。
想像してなかったが本当にいた。
私の女らしいところは、
○○××△△で集まったよ(≧∇≦)
このメン最高(^▽^)
(プリクラがついてる)
とか
みんなにカルボナーラ作った!
女子力上がってるんじゃないかな~
みたいな呟きをするところではない。
私の女らしいは「性別の欄からすると女らしいな」くらいだ。
大変申し訳ない。
結局会わないで済んだ。
これだけ反応したくないネタを書けば
いい加減呆れるだろうと日記を更新しまくった。
「宗教事件ネタの映画は尻万華鏡で全裸ダンス」
みたいな感じのしょうもない日記をみては
イイネ!を押していくから
よっぽど律儀なんだなと思っている。
私ならコメントしにくい日記をみたらもうみにいかない。
怖いもん。
もしあんな長文を本当に読んでイイネ!を押してるとしたら、
ものすごくいい人だよ。
ちなみにこの日記の例は
映画の話への前振りのために書いたんですね。
私にとって入学は電車に乗ったみたいだなと感じた。
進学前までは同じ集団と周りの人を感じていたけど、
進学以来、周りにいるのはたまたま居合わせただけの人のような気がする。
どうも堅苦しい感じ。
身の回りの事で書けそうなことを
そのまま書いているので、
創作っぽいことはあまりしないのですが、
書いたらまたアメブロにのせます。
このブログ自体隔離してるものなので、
こんなに非日常だらけだったかな
と考えさせられます。
Aは黒海で人形救助とのニュースを元にした妄想です。
なぜ浮いていたのか、少し気になりまして。
Bは指示によりある程度
決まったワードを入れることになっていたので、
普通によむと特異なセッティングだと思います。
何を書いていいのか分からないので
「自分は大丈夫だと思っていたのに
妙なものに溺れていく主人公」にしました。
フィクションなんだけど、なんだかなーな感じ。
カッパ・河原・カメラで書けと言われてできた妄想。
カッパ→UMAだろとだいぶ前に書いたんです。
実在するものでなおかつ引っかかったら
迷惑かかりそうなものは適当にもじっております。
…
『UMA・UFOはまるまる嘘っぱち!?~証言者たちの真と偽りとは?~』
教室に面した生徒玄関から見上げると、
全員を送り出して満足げに手を振る担任が見えた。
そもそもは、先日の昼休みに教室で
小型台風が猛威を振るったためだ。
背の順では万年1番前のガキ大将、
玉井は友人達と仁義の世界に浸り、抗争ごっこを開始した。
そしてロッカーやドアを完膚なきまでに破壊しつくしたため、
昼休みはクラス全員外で過ごすこととなったのだ。
3分も歩くと河原のベンチに着いて、いつものように隙を潰す。
身の回りの特定の何かに興味がなかった。
一人でできる!の定番と言えば、
絵を描くか読書、写真撮影と言ったところだろう。
一番は読書だ。ただ、ぼんやりと文字を目で追う。
ああなるほどなと思ったとしても、
その感動は自分には届いていなかった。
あくまでそういう考えもあるのかと
自分とかかわりない外の世界を探索しているようなものだった。
そういう具合で、何かこれはと思えるものもなく、
色々なジャンルに手を出しているのだが、
最近はオカルトものを読んでいる。
一人っ子の自分には実兄のように取っ組み合いの喧嘩が
出来るほどに親しかった従兄がいた。
大学生になると従兄はなにかと
そういう怪しげなものにはまっていった。
「今までの過去世でみずからは
八百万+αの神々、宗教的指導者であった」
というチキイン神、俗世の自分なんかが見たら、
口がうまくて歌うのが大好きで…とにかく目立ちたがりの
ニートのおじさんなのだが…、
その神を従兄が信奉し始めたのがきっかけである。
神道系のはずなのに、、まず過去世とは…、
突っ込みが追い付かないではないか。
従兄がすっかり信じたというそのほかのこと、
たとえば未確認生物の本を読んでも、
やはりUMAの類を話す人を内心バカにしていた。
まず証拠写真は「カメラがなかった」とか
「その時は思いあたらなかった」
という理由で一枚もなく話だけのも多い。
話も正直妄想か、「私は不思議な体験をした」アピールだとしか思えない。
そして写真があっても、ほとんどがトリックを使ったものなのだ。
ネッシーは小動物のしっぽだし、
コティングリー姉妹が見た妖精はイラストの切り抜きだ。
マンテル大尉が追ったというUFOだって、
結局はなんなのか証拠はない。
ああ、やっぱり世の中のことは嘘っぱちだ。
自分はこんなのに騙されたりなんかしないぞと口の中でつぶやいた。
「どの本が面白いの?」
「お、お、面白くないよ、どれも…。
いまは面白いこと探して読んでいるんだ」
吃音が出ると恥ずかしさで息が詰まりそうになる。
面白いのは自分の声のひっくり返り具合じゃないだろうか。
「まだ面白いのがないんだ。じゃあさ、相撲しようよ!」
衝立代わりの本にまだ目を落としていた。
誰も来ないからここに来たのにと
焦るとひらりと紙が手から滑った。
相撲って…と思って、少し視線を動かせば
しおりの先には何かいるのが分かった。
「カ、カカカ…」
「ッパだよ」
思わず本も落とした。有り得ない。
『UMA・UFOはまるまる嘘っぱち!?~証言者たちの真と偽りとは?~』
というタイトルが見える。
「なにも悪いことしないから大丈夫!」
「や、そ、そんな、そんなこと言うのに限って、
な…何か悪いやつだろ…」
よいしょと掛け声をあげて川岸から上がると、
空いているスペースに腰を置いた。
背丈は小学生くらいだろうか。
「別にぼくは…、チキイン神を信じろだとか、
壷買えっていってみたり、クリスチャン・アッセンの
イルカの絵買わせたりしないよ、やだなあ」
ほら、やっ、やっぱり、
か、かか、関わりたくないやつじゃないか、と思った。
どうして心の中でまで突っかからなきゃいけないのか、
混乱しているからである。
胡散臭い、どうせカッパな訳がない。
元々、キャッチしやすそうに見えるのか、
学校外では日頃から声をかけられることが多かった。
最近は、大道芸士から「チキイン神の力は無限なり」
という紙を貰ったばかりだ。
ここまでやるものかと正直思った。しかもなぜにピエロなのだ。
うすうす感じていたが神道とまるで関係ない。
諸宗教を混ぜて混ぜて
混ぜまくるものだから訳が分からなくなっている。
宗教のファミリーレストランみたいな感じだ。
こんなに無節操なのだから、
これももしかしたらカッパに扮した
勧誘員だったりするかもしれない。
そう思って皺や毛穴を探しているが、肌はイルカみたいにツルツルだ。
「声かけられていたのを見ていたし、チラシ、ゴミ箱に捨てたじゃないか」
はあ、と自分は生返事をした。疑いの表情を浮かべてみている。
「あの、さ…、君の正体は一体なに…かな?」
激昂した自称カッパは、肩をガシッと掴んで揺さぶる。
「カッパだってば!」
相手の冷たかった手が生暖かくなってきている。
「ごっ、ごめん…」
「体調悪くなったから帰る」
「え、えっと、今日は急だったから
びっくりして…ごめん…。今度、一緒に相撲取ろうよ」
あれだけ言っておきながら、険悪な空気は恐ろしくて
相手の表情を伺えなかった。
「ほんと!じゃ、またね」
ハッとして顔を上げた時にはカッパの姿は見えず、
ただ波紋が川の水面に広がったところが目に映った。
秋なのにちょっと嫌な汗を掻いている。
こんなに話せただなんて、不審ではあるけれど
やっぱり面白いことだったからかもしれない。
もっと色々聞いておけばよかった。
結局カッパなのか?と考えたその時、
ふと四角い銀色の機器が頭にぽわわんと浮かんだ。
思わず叫んでしまった。なんということだろうか。
「カ、カメラアアアアア」
後ろで何か引きつる気配を感じて身構えたところで、
近くの小学校のチャイムが河原に響いた。
これが鳴ったら、中学校に走って戻らねばならない。
思わずまた雄叫びを上げた。
もう一度何かの気配を感じて、恐る恐る振り返ってみると、
首にタオルを掛けたランニング中の
おじさんの姿があるではないか。
妙なところを見られたという動悸が激しくなる。
「や、やあ…和明くん」
カッパを見たかと聞こうと水面を指差す。
「か」という音がせり上がってきたところで、
こんにちはと短く返し、お隣のおじさんの前から姿を消した。
これ以上変人には思われたくない。
それから、毎日昼休みになると教室を飛び出していくので
「たまには外で友達と遊ぶようにしましょう」
と1年生の頃から欠かさず書いていた先生はご満悦である。
腿にも筋肉がついて引き締まってきたな、と
木の幹のように逞しい腕で小突きながら声を掛けてくれる。
30代前半の男性なのだが、顔文字にすると><という風に
くしゃくしゃにして満面の笑みを浮かべるのだ。
先生の趣味は筋トレであるし、
おそらく誉めてくれているのだろうが
申し訳ない気持ちになった。
「カッパのために走っている」と知ったら、
やっぱりお前ってやつはとこぼすに違いない。
河原でしゃがんでカメラを構える。
この体勢を維持するのがなかなか疲れるが、
徐々に鍛えられたらしく今はなにも感じない。
「今度っていつだろう」
思わずそう呟いた時、視線に気づいた。
どうやら今日は午前授業だったらしい。
最初に来た2人、その後ろを歩く
子供達がこちらを眺めている。
目つきから「完全にどこかいってしまった」
と思われていることが手に取るように分かる。
そんな目で「私は見た!」と語る人を見ていたのに、
今や自分があっちにいるみたいだ。
一体UFOを追ったというマンテル大尉は、
従兄はどこへ行ったのだろうか。
妄想の果てだったのかもしれない。
だけど本当じゃなくとも犯罪をしたわけでもない限り、
本人が楽しめればそれはそれでいいんじゃないか。
もう連絡が取れないから、従兄のことはどうなっているのか
実のところはわからないし、理解できない部分も多いが
理想の生活を求めて遠くに行ってしまったのだなと思った。
気にはなるがそれで害があったわけではないために、
家でも特に話題に上がらなかった。
「名前を呼んではいけないあの人」扱いになりつつある。
魔法の物語に出てくる悪の権化、ボォルデモート卿じゃないのに
この状況とは流石に悲しいが。
一方、自分はというとカッパと初めて会って
一ヶ月近く経った今も、相変わらず
河原のベンチに腰掛けて待っていた。
ふと、カメラを持っていないことに気づいた。
手を構える時の形にして見つめていると、
何か予感めいたものを感じた。
「カメラがない時に限って出てくるんですよ」と
男性会社員のOさん(55)は語っていた。
山菜採りが趣味だという老人のKさん(73)なんかも
「タイミングが悪いんですよ、本当に」と答えていた。
皆、童心に返ったかのように遭遇について話していた。
話の内容はくさいなと思うが、わくわくした
あふれんばかりの感情が文字でも感じられるのは確かだ。
川縁で手を振るカッパはにこにこして、
鍛えていたのかなんて言っている。
100%カッパだとはまだ信じていないけれど、嘘とも思えない。
「じゃあやろっか」
相撲なんてやったことないし、取っ組み合いだなんて
久々だから面白そうだなと思う。
笑いをこらえて、にこにこというよりも
にやにやしながらつま先で線を引いていく。
△大好きの女の子だ。
もうわたしからしたら未知の遭遇だった。
「約束覚えててくれたんだ、やっさしいー」
「普通に言われたら覚えてる」
「やだこのひとこわ~い」
早速いうことがサイコロみたくコロコロと変わるので、
話を拾うのに精神的には全力ダッシュしたので私はへとへとだった。
言われたら全部拾わないと気が済まないほうなのだ。
さてはて、喫茶店につくと
「さて…君のオカルト、カルト話をきこうか?」
と無茶ぶりにあう。
私は別に詳しくはないのだ。
とくにオカルトは興味がうすいので知らない。
たまたまついてた番組でみた、
たまたま読んだ本で言及されていたから
ちょっと何を言ってるのかがわかる、それ位なわけだ。
「例えば、古典で源氏物語やったじゃん。
源氏物語好きかって言えば、
大体の人は進んでやった訳じゃなくて、
授業でちらっとやったから、
自然となんとなーく知ってる、
話がそこそこ合わせられる位でしょ?
つまりフリーメーソンは私にはそんな感じなのよ。」
ずばりこれだ!と思った。
「えっ、源氏物語とフリーメーソンって関係あるの?!」
しかし話が長すぎた。
キーワードしか残っていなかった。
結局伝えるのに3パートわけて逐次確認した結果、
源氏物語とフリーメーソンには直接的な繋がりはなく、
私がおぼろげに分かる例として出したことを理解してもらった。
シラフとは思えないが、提案のもとに背中を合わせて身長比べをした。
「彼氏欲しいよね」と
なぜか同意を求める形で5分置きに聞かれ、
「ない」と毎回答えていたが、
「いや欲しいでしょ?」と繰り返し繰り返し聞いてきた。
これは洗脳だろうと思うんだけど、どう?
私がある世紀末アニメだけのヲタであることを明かすと、
彼女は「ああ、あれもフリーメーソンでしょ」
「航海の道具の名前の人いるじゃん、
あれはさ、三角形してるからフリーメーソン」と語る。
6年以上前からそのアニメ見てる私が知らない新事実が飛び出した。
「いやいやあれは海や戦艦に関わる名前で…」
「そうだよつまりフリーメーソンだったわけだよ」
「彼女は三角探しをしてるのだ」そう思った。
「全力で取りにいかないで、ふわーと受け流さないともたないよ。」
バレーのレシーブが頭に浮かぶ。
「相手の体力は無尽蔵だから…」
という助言をもらったので、私はふわふわする事にしますね。
ニュースみててふと思った妄想話。
…
朝の9時を過ぎても居座ったニュース番組は
だらだらと同じ出来事を語ったり、
電話・ファックス・メールで
「夫婦円満の秘訣」を茶の間で
話し相手もなくだらだらしている視聴者から募っていた時、
あるたわいもない話が
活字になって紙面に載せられていることに気づいた。
旦那は最近は口にはできない心配事のせいでよく眠れていないらしく、
朝刊は郵便受けにささったときのように、
三つ折りで食卓にのせたまま、
今朝はやく会議のために家を後にした。
旦那に読むような余裕がなくてよかったと内心ほっとしながら、
鋏を灰色の紙面の端から滑らせていく。
読んでいたならきっと職場に向えるような状態じゃなくなる。
私は決まって朝食後、後片付けの一休みに
パラパラと新聞を読む。
番組で取り上げられるような話題は
2日や3日ではなかなか変わらない。
新聞に目を通して、取り上げられないのに納得してしまう
小さなニュースを拾って、
洗濯物が溜まっていれば洗濯、
そうでなければ掃除をしたら
お昼休みはウキウキウォッチング、
ぼんやり眺めている内に、
どんな女や男と寝ただの話がメインの昼ドラも見てしまう。
いっそ、この問題が浮気だったらどんなにましだろうかと思う。
切りはなしてみてみると小さい。
内容も一般的にはただ眉をひそめられて
終わってしまうようなくだらない出来事だ。
だが「私」には依然大きい。
記事をテーブルに置くと、「これから」という言葉が
津波のように私を飲み込んだ
衝動的に消してしまいたいと切り抜いてしまったが、
読めなかった朝刊は週末に読むから取っておいてくれ
と旦那はよく言っていた。
今朝も急いで靴を履きながら口にしていたのだから、
明日…土曜日に、彼はこの空間は
なんなのだと聞くに違いなかった。
苦しくてもこれの言い訳は必要だ。
その内たまったらまとめて回収に出そうと
箱に入れておいた先々週の新聞を探した。
同じくらいのサイズの特殊な写真が目当てだった。
客観的にみて切り取りたくなるようなものだ。
「1匹の猫からこんにゃにたくさん!
世界ギネス記録更新、101匹?!にゃんちゃん」
というふざけた記事が飛び込む。
実は、というか、もちろん100匹には遠く及ばない数なのだが、
写真いっぱいに子猫が映っている。
個人的には猫はあまり好きじゃないのだが、
それも今では本当にどうでもいいことだ。
聞かれたらこの写真で切り抜けよう。
記事は先ほど切り抜いた記事よりいくらか小さいが、
サイズは大差ないし、大きいより小さいほうが
これでもいくらか言い逃れしようがあるだろう。
うつむいて考えていると、暗い茶色の髪が視界の端に映り、
明るい日に透けるような薄茶のショートカットのことが
ふと脳裏をよぎる。
歪んだ表情で、細かく切り刻んでいく彼女の向こうにテレビがある。
黒い縁取りのされた枠の中に、
西洋風のはっきりした目鼻立ちに薄茶の髪の女がいた。
彼女は首を絞められて静かに死んでいくのに対して、
普段はこけしのように表情がない暗褐色系の髪の女の顔は
般若のように恐ろしく豹変して、
指に力を込めているせいか、力んで深い皺を刻んでいる。
あなたが…とつぶやく声はおぞましいほどに低い。
きつく締め上げる手は震え、相手の長いまつげも震えている。
全く女との類似性を感じられなかった。
代用品ですらないかもしれない。
こけしである女は、亭主の心の中から消されてしまう危機…、
いや元々いないのかもしれないという恐怖にさいなまれているのだ。
「盗っていったのね、あんたなんかあんたなんか死ねばいいのよ」
居間に泣き叫ぶような声が響く。
とてつもなく惨めだって分かっているのに、
何の解決も結局はないのに、
嫉妬がここまで狂わせてしまったわけだ。
殺されていく相手はだんまりだった。
それもそうだ、声を出せるわけない。
私だって「盗っていった」「死ねばいい」と言えるなら
まだよかったのにと思った。
誰にも分かっては貰えないだろう。
不倫じゃあるまいし。
西洋人形みたいな女の細く生白い首がガクンと落ちる。
すると旦那を盗られた女の般若の形相は消えて、
憑き物が落ちたかのように、急に怯え始めた。
「私、なんて…どうしたら…」
旦那の実家に訪れたときのことだった。
彼が「そのまま待っててくれよ」と
トイレに立ってしまうと、
落ち着かずに壁や机の上を眺めていた。
壁は日焼けしたところしてないところが模様のようになっていた。
不自然なほど何もなく、飽きてしまうと机の方に目をやった。
貸した専門書に気付き、手に取ってみるとその下には
若いというか少し幼い女性の写真が何枚もあった。
頬はバラ色でどの写真でも睫毛がはっきりしていた。
水着姿で旦那に寄り添っている。
真っ白な部分にはこの少し色褪せた写真がかけられていた、そう分かった。
今度どこ行くかデートの電話をしている時も
「彼女」に囲まれていたのだ。
鏡には憎悪で醜く顔が歪む黒っぽい髪の女の姿があった。
仏間に飾られていた七五三のドレス姿もまるでフランス人形みたいだった。
成長の経過は途中で、黒い縁取で終っていた。
「お前…なにをしてるんだ、気は確かなのか?!
どうして直接俺に言わないんだ…」
テレビの中の旦那役が詰め寄るのを耳にして回顧から引き戻される。
私も言われるだろうか。
小さく判別できないほどに切り刻んでしまうと庭に埋めた。
くたびれて魂が抜けた旦那が新聞を読んでいる。
私に彼女のことがバレていることくらい、彼だって分かっているだろう。
でも言わないのだ。新聞の穴が気になるようだった。
「それ、子猫の記事が気になって切っちゃったの、ごめんなさい」
ふと、新聞は裏も印刷されていることを思い出した。
これは絶対に見せられない。気がどうかしていた。
「猫か…確か嫌いじゃなかった…?」
「子猫は平気よ」
覚えていることに内心驚いた。
あまりそういう個人のこのみに興味があるとは思っていなかった。
旦那は別に猫が好きという訳でもないのだが。
「そうか」
もう言及する気は無いらしくパラパラと新聞をめくっているのを、
カウンター越しにみていた。
何も起きそうにないとわかると、お皿洗いを続けていく。
土曜のニュースはのんびりくだらないニュースを拾っている。
「さて間抜けな女性が引き起こした騒動で…」
蛇口から小さな瀑布のような音があがり、所々聞こえてきた。
「アメリカ」「目出し帽で防寒」「強盗」「地元の有名人」とかだ。
ラジオのように聞き、泡を洗い流していくのと一緒に下水道へと流す。
旦那もチラチラと見て、失笑していた。
心配事であまり眠れていないからか、
正直笑っているという感じではなく、
笑いの効果音に合わせて笑っているという感じが否めない。
「お次は「びっくり、人?命救助」です。」
「日本海で人が浮いているとのことで救助要請を受けて向かうと」
「なんと人形が浮いていたのです」
「髪は明るい茶色でな、若いお姉ちゃんが溺れてんのかと思ったの」
「引き上げてみると、大変精巧な人間そっくりの…と呼ばれるものでした」
「どういう経緯で浮いていたんでしょうねー」
「処分に困ったからじゃないですか、全く人騒がせな持ち主ですよ」
ドアの下の狭い隙間から
たくさんの人の顔が覗いていることに気づいた。
一瞬、気が動転した。
いや、何が起きているのかわかってからも
3分は気がおかしくなっていた。
というのも50はあろうかという
人の顔ひとつひとつに目線が入れられている。
ひらたく言うと「幸福になれました」とのコメント群の上にも
何かマーカーの線が走っていることに気づいた
なぜこんなものが私の部屋にあるのだろう。
玄関先ではなく、外部からは入れようがないはずの場所だった。
かがんで恐る恐るみてみると
「うそつき」「うそつき」と
虫が這うような文字が書かれている。
呪われたんだと思った。
なにがうそつきなのか分からないが責められていて、私は……。
「お父さーーーん」
叫んだ。
しばらく動けなくなるほど戦慄しており、
気づくのに時間がかかったが、
新聞にはさまれた
「買うと幸せになれると謳うチラシ」に
腹立たしさを覚えて
私に八つ当たりした父の仕業だったのだ。
いままで、うちに入れられた宗教のパンフを部屋に入れられたり、
商品についた「驚きの洗浄力」などのシールをドアに貼り付けられたりしてきた。
何かと戦い、抗議する人の家みたくなりつつある。
私だからって冗談にならない。
これを解決できるなら、幸せになれるなんたらを買って幸せになりたい。
こないだ、会った瞬間に指で作った三角形から目をだし、
「フリーメーソン」という一発芸をAちゃんに披露された。
君はフリーメーソンは知ってるかというから、
→はい
と答えたら、ああやっぱりみたいな表情をされた。
やだあああああああああああ。
隣でウフフと穏やかに微笑んでる友達の横で
気持ちが高ぶってきたのか、
話しながらこっちに向けて振っている指が急接近。
目潰しされるのではないかと思った、
そういっても大袈裟ではない。
今まで様々な目に遭った。
指差して「ポア!」と私刑宣告をうけたり、
「メンヘラ!」と一瞬で決定されてきたが、もうやばい。
「お願い助けて…」とウフフと笑う子にSOSを出す。
「ウフフ」しか返ってこなかった。
自分で不味い方向に話を進めてしまったものだと思った。
「フリーメーソン入りたいんだよねー」
といわれたので
「いやまず男じゃないと難しいよ…」
と返すやいなや
「あっ年収もあるんだっけ、医者を捕まえよう。
…そして潜りこませよう」
ときた。
年収の壁はよく分からないのだが、捕まえるとは…。
「興味ないと無理じゃない」
「いや眼科医ならいける!「眼」科だし興味あるはず!」
とまた指で△を作って目を覗かせている。
有り得ないテンションの高さ。
「でフリーメーソンが…」
と語られて暫く記憶がない。
陰謀とかいってた。
こういう人にあのカルトはぴったりだな、そう思った。
「フリーメーソン好きだね」と言うと、
「フリーメーソンは宇宙の絶大なる
パワーの恩恵を受けているから、地球を支配している」
とまあ私のような広く浅くには通じない言葉を
途切れずなめらかに言うから笑い死にかけた。
一つ上の世代なんかでよく話された
話題なんじゃないかなと思うんだけどどう。
「ムー好きそう」
「ムーってなに」
「学研のオカルト雑誌」
知らないことに内心驚いた。熟読してそうなのにな。
「どこで買えんの?!」
「大きい本屋にいけばあるんじゃないの」
知らないからこの程度しかいえない。
好きそうだから、宇宙人とコンタクトするとかいって、記者と食事し続ける人、
飼い猫と心通わすとかいって
実は犬だっこしてる人の話をしたら
想像以上にうけた。
「いやほんと今度どっかで語ろう?!」
自分でプラグ立てまくってしまった。
「カルトやオカルト話しよ!」
「…何者かにつけられて、帰り道で勧誘とかやだからね」
そう返しておいた。
面白そうだからちょっと今度長々話してみますね。

