からくりサロンを退会した。
なずさんとちかさんがやっている会員制のサロン。
今月から有料制になったその節目で、やめることにした。
僕がなずさんに最初に会ったのは2016年の心屋初級セミナーだったので、そこから6年ほど、何かとお世話になってきた。
ずいぶん多くのことを、学ばせてもらった。
感謝しかない。
中でも最大の経験、といえば、、
最後の最後、からくり道場(からくりマルシェ)で、大きな大きな“失敗”をさせてもらったこと、である。
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振り返ると、僕はこれまで自分の人生で、「失敗しないこと」というのを、とても価値視してきたように思う。
まあ、人間誰しも、失敗はしたくないよね。だから、自然な心理では、ある。
だけど、、人生の舵取りの基本理念のようなところに、「失敗しないこと」を据えてしまうと、その人生はたいていおかしくなっていく。
だって、、、失敗しないための最善の方法は、「何もしないこと」なのだから。
「失敗したくない」に凝り固まるほど、その人は、何もできなくなる。動きがとれなくなる。
とりわけ、未知なこと、新しいチャレンジなどは、もってのほか、となる。
、、、というようなお話は、人生訓のような形でよく語られるところである。僕も、話としては知っていたし、自分に対する一種の“戒め”として、いつも頭の片隅に置いていた。
失敗を恐れて動かないより、動いてみて失敗するほうが、得るものも多い。だから、とにかくやってみよう。
そんな感じで、やってきたつもりだった。
ただ、、さ、、それでもやっぱり、失敗は、怖いんだよね。
だから、「動いてみる」と言っても、それはどちらかというとへっぴり腰で、やばくなったらいつでも逃げられるよう十分なリスクヘッジをして、安全マージンも確認した上で、ジリジリと前に出てみる。そんなイメージだったかもしれない。
もちろん、これも、必要なことではある。
自分の安全を守るのは、生きていく上で、とても重要なこと。
とはいえ、、それ一色に染まってしまうと、、、やっぱり、思い切ったチャレンジができない。人生が楽しくならない。
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長嶋茂雄さんの「空振り」写真を、見たことがあるだろうか?
もし、こう言われてピンと来ない人がいたら、いますぐ「長嶋茂雄」「空振り」でググってみて。きっとすごい写真が出てくるから。
昭和のスーパースター、ミスター巨人軍。長嶋茂雄。
伝説は数々あるけれど、、、
「空振り」で、あそこまで魅せた野球選手は、古今東西、そういないだろう。
脚はもつれ、体は限界までよじれてバランスを崩し、ヘルメットは宙を舞っている。
歯を食いしばった表情は、「やられた」という悔しさで溢れている。
あれは、「失敗を恐れる」という心理を100%、1000%、10000%も振り切って、微塵の恐れも躊躇いもなく振っていったから、生じた造形、なのである。
天才・長嶋の、天才たる所以である。
僕は、、人生の中で、たぶん、ああいう空振りを、したことがなかった。
もちろん、普通の空振りレベルなら、ある。でもどちらかというと、最後の最後に手先でなんとかボールに当てて、ファールに逃げるか、内野ゴロででも何か起きないかな、、みたいな方向へ進もうとすることが多かったと思う。
下手すると、最初からそこを狙っていた節さえ、ある。
そこからの空振りでは、、あんな豪快な絵には、絶対に、ならない。
今朝、退会したからくりサロンのことをふと思っていて、、
そうか、あのマルシェの体験を通して、、、僕は、長嶋茂雄のような空振りが、やっと経験できたんだな、って思った。
からくり道場(からくりサロン)というとても居心地が良い環境の中で、失敗に対する恐れや不安、リスクヘッジの計算などが徐々に頭から外れ、、
最終的には、微塵の躊躇いもなく全力で振りに行った。だから、、、
全力の、渾身の、1000%、10000%の、空振りができた。
おかげで、従来の、当てに行ったしょぼい空振りでは見えなかった多くのことが、見事に、あらわになった。
それは、とてもありがたいことだ。
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あらわになったところをふまえて、この先どうしていこうか、と考えた時、、
からくりサロンからは、一旦、退会することにした。
いずれまた、何らかの接点ができるだろうか? それはわからない。
今はとにかく、自分の目の前にことをやっていく。それだけだ。
なずさんとちかさんとは、最後にメッセージやり取りしたけど(それを踏まえてやめることにしたんだけど)、
その後、退会手続きにサクサク進んでしまったので、道場などで出会った皆さんにさようならをいう機会を逸してしまった。
なので、この場を借りて、お伝えします。
みなさん、おせわになりました。
本当に、いろいろ楽しかったです。
最後のマルシェのゴタゴタでは、不愉快になった人もいたでしょう。ごめんなさい。
そして、さようなら。また機会があったら、どこかで会いましょう。