我が家は、かみさんと僕の二人暮らし。

ふたりとも脱サラして現在は自営業。フリーランサーといってもいいかな。

なので、基本的には平日も休日も、自宅にいることが多い。

以前、都内で暮らしていたころは、二人とも出ずっぱりで働いていて、食事は各自。二人とも、ほとんど外食だった。

で、、、4年前、藤沢に引っ越してきてからも、最初の数か月は、同じような感じだったんだけど、、

2019年の暮ころから、状況が変わってきた。例の、疫病が、世の中に蔓延し始めたころだ。

まず、外食が、どんどん困難になった。お店を開けるな、っていうルールが広がっていったからね。

そして、かみさんが務めてた会社では、リモート勤務が推奨されるようになった。出社はするな、と。

そうすると、、二人とも自宅で食事をする機会がどんどん増えるわけで。

だったら、基本、家で食事を作ることにしようよ。そんな話が出てきた。

かみさんが言った。私は晩ご飯を作るから、あなた、ランチやってよ。って。(我が家は長年1日2食で回っている)

まあ、至極妥当な提案だ、と僕も思った。ランチなら、それまでにも自分の分ぐらい作ることもあったし、きっと僕の腕前でもそれなりにカバーできるだろう。両方やってもらうのは心苦しいから、いいよ、ランチは僕の担当でいこう。と。

それ以降、昼は僕、夜はかみさんが作る、という形で、我が家のごはんローテーションは回るようになった。

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さて、、何を作るか、である。

最初のころは、出来合いのパスタソースとか、ラーメンのパッケージとかをとよく使ってたんだけど、、

ああいうのは、味が単調で、なんか、すぐ飽きるんだよね。

もうちょっと気の利いたもの、作れないかなぁ、、そんなことを思いながら、youtubeで検索してみた。

それまで僕は、youtubeって、音楽系と旅ものぐらいしか見たことなかったわけよ。

だから、僕のホームサイトには、料理系の動画なんて、出てきたことなかった。全然、見たことなかった。。

検索で、でてきたのをいろいろながめてみると、、いやぁ、なかなか、面白そうだわ。

試しに、作ってみた。最初にトライしたのは確か、親子丼だったな。

親子丼。自分でも作ったことはある。まあ、そんな難しい料理じゃないし、自己流でもいちおう食べられるものにはなっていた。

だけど、、youtubeでどこぞの料理長が語っていた作り方は、僕の適当なやり方とは細かいところがちょっとずつ違っていて、、

そして出来上がったものは、驚くほど香り豊かな、上品な、満足のいく一品になっていた。

いや、特別な食材とかは全然使ってないです。味付けはめんつゆだし、肉も卵もスーパーで買ったいつものやつ。

だけど、、なんだか、うまい。断然うまい。へえーー、ちょっとした段取りで、こんなに違うものなんだ。

目からうろこが、、、ボロボロボロッと音を立てて落ちた。

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それからは、ランチで使えそうな料理動画をいろいろ見繕うのが、自分の大事な日課になった。

いや、これはもう日課というより、、趣味といっていいな。だって、楽しいし。笑

いろんな人の動画を見たけど、いま僕の一番のお気に入りは、りゅうじさん。

 

 

 

 

こちらは、最近話題のワンパンパスタ。フライパンひとつでソースとパスタを一緒に仕上げていく手法です。
これが驚くほどうまい。

 

 

 

こっちは明太子バター醤油。もうね、お店レベルの感動的味わいです。

 

どちらも、使ってる素材や段取り、それほど特別な感じではないです。

スーパーで普通に売ってる食材や調味料の範囲で、お値段もそんなに高くない。

だからたぶん、ちょっと料理をする人なら、改めてレシピとか見なくても、普通にさくっと作れる、そのくらいのシンプルな料理です。

だけど、、、それを、際立ったおいしさに仕上げるために、ちょこちょこっとした細かい手間とか、工夫、段取りが入ってるんですよ。パスタゆでるときの塩加減とか、ソースに加えるバターをしっかり溶かすための段取り、とか。

ほかのパスタ料理ではこれでもかってぐらいガーリックを使うりゅうじさんが、しいたけと大葉の香りを生かすこのパスタでは、ガーリックをあえて使ってない、とか。

いやまあ、そういうのも、料理好きな人に言わせたらあたりまえなこと、なのかもしれないんだけど。

料理のことを何も知らないまま自己流でやっていた自分からすると、、、そうか、一つの料理の味を作り上げていくっていうのは、こういうことなんだ、いろんな要素をちゃんと自分で考えて。ひとつずつ足したり引いたりしていくんだ、って感じで、創作の思考過程が見えた気がして、それがすごく面白い。

で、、、こういうのと比べると、大手食品メーカーが出してる、できあいの市販パスタソースなんかの味は、いかにも平均点で、もちろんまずくはないんだけど、面白みもない。

初めから無難なところを狙って、はい思惑通り無難に仕上がりました、っていう、そんな思考が透けて見える。

まあ、立場が立場だからしょうがないけどね。理解はできますよ、僕も大人ですから。笑

だけど、、じぶんでランチを作るなら、りゅうじ動画にトライするほうが、毎日の食卓が楽しくなる。これが実感だ。

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それで、、、こういうのって、あらゆる分野で、同じようなことが言えると思うわけですよ。

例えば、、僕はもともとフリーランスのライターで、名刺には「健康ジャーナリスト」というような肩書を入れて、取材して、記事を書く、ということをやっていた。

数年前までは、市販の健康雑誌や、大手の新聞でも連載記事を持っていた。

 

そういう、多くの人の目につくところで記事を書く上では、「間違えない」ということが、とても大事なわけです。

ちゃんとした裏付けに基づいて、きちんと取材で事実確認して、、という段取りをクリアした、まっとうな情報だけが、誌面に出すに値する、と、そういうやり方になります。

もちろんそれは、大事なことだ。やり方として、間違ってはいない。

だけど、、、

そうやって「正当であること」「間違ってないこと」だけを至上の指針としていると、、、

たいていの場合、「面白さ」が抜け落ちていくんですね。

ほら、教科書って、たいてい、面白くないでしょ。自然科学でも、歴史でも、わざとだろ、ってぐらい、面白みに欠ける書き方になってる。

当たり前だろ、教科書は面白さを追求したものじゃないよ、っていうかもしれないけど、、

科学や歴史から学ぶ物事の中には、本来、もっともっと面白いことがあるはずなのに、って思うんですよ。

まあ、、、自分ももう60歳だし、大きな媒体でバリバリ書きまくるような働き方は、今後はもうやらないと思うから。

だったら、そのあたりを根本的に見直した発想で、いまの自分だから発信できるようなことを、やっていきたいな、って、そんなふうに思うんです。