ワールズエンド・ツアー -120ページ目

ワールズエンド・ツアー

田中ビリー、完全自作自演。

完全自作、アンチダウンロード主義の劇場型ブログ。
ロックンロールと放浪の旅、ロマンとリアルの発火点、
マシンガンをぶっ放せ!!


「青い庭」


星が静かで風もない、あまりに取り柄のない夜は、
ランプの揺れる途切れかけの赤の下、
四隅の黴た古い古い世界地図を眺めては、
自分だけの夢の世界を書き加えて気づけば本当の夢を見ていた、

背中の毛布が滑り落ちて目覚めたら、
温いミルクの甘い匂い、グランマが焼くチーズの香り、
遠い丘の稜線からは、その日もきっと良い天気、
フライパンの黄身のようにふくらむ朝陽、

春の近づく夜になるたび思い出すのは無邪気の季節の世界地図、
窓の外の青い草原、それは永遠なる景だとなぜだかずっと思ってた、
なぜだかずっと私はそう信じてた、

心身ひとつ、誰も彼もが健やかなれと合わせる手、
いまの私は世界の平和を夢に見るほど幼くない、
青い草原見続けた、季節はいまも生きていないわけではない、
けれども何かを信じようとするにはあまりに時間が過ぎてしまった、

春の近づく夜になるたび思い出すのは無邪気の季節の世界地図、
窓の外の青い草原、それは永遠なる景だとなぜだかずっと思ってた、
なぜだかずっと私はそう信じてた、

信じることができたまま、生きてゆけるほどには強くなかった、
信じることを続けていられるほど幼いままでもいられなかった、
季節は時を連れて廻る、立ち尽くすばかりの無防備なる私を置き去るように、
いま思う、永遠の青い庭が消えてしまったにしても、
それでも人は生きてゆけるかもしれないと、
















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「グラディウス」


凍えながらも揺れては惑う心臓と、歩き疲れた靴の底、
トビウオ跳ねたら飛沫のアーチのなかに太陽、
リアリストに唾を吐き、ロマンティストをせせら笑う、
さらばだ真冬を選んだ花々よ、過ぎ去る地には「おやすみ」を、
振り向くのは消える前だけ、水平線はかすかに弧を描いてた、
そのとき某は、星が楕円形だと知った、

薄ら寒い枯れた草原、ミドリと褪せた金色に、
花持ち並ぶ白い葬送、氷上にて凍る頰、
頭上に旋回、鳥は群れ群れ、風に酔って風に舞う、
ペシミストは麦酒をあおり、サディストたちが泥を蹴る、
さらばだ真冬を選んだ花々よ、過ぎ去る地に「おやすみ」告げる、
振り返るさえ億劫だった、景は背中に流れて消えた、

聖域、地下鉄、海鳥たちの楽園よ、
オルガン、鐘の音、淋しがり屋の道化たち、
鹿の角でできた燭台、鉄を連ねた森の夜、
ラジカセ、残響、ゴールドラッシュの過ぎた街、
指笛鳴らして見上げる天には弾ける星が、

平和主義者と軍国主義者は遥か高みで見下ろしながら、
新たな共存、探るシナリオ描いてた、
黄昏れる神々は、滲む視界で地上を憂う、
赤い月にて終わりを告げる、
景色を揺らす指には蛇が、這い回って舌から涎を垂らしてやがる、
百年孤独に耐えた鍵盤、風を欲しがり地表を濡らす、
月の夜には旅の奏者が雨音にも似た叫び声を鳴らしてた、















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「レインメーカー」


……またふたりきりだね。
その呼びかけに彼は応えない。応えることができない。しかしそのレンズには寄り添う「彼」が映り込んでいる。砂にまみれて傷つき、風雨に晒され錆が浮いてはいるが、その奥は微かに点滅している。まだ消えてはいない。

 風が、鳴る。
 彼と彼の間を抜けてゆく、ふたりの目には捉えきれないほどの小さな砂塵を混じらせた風が鳴る。
 錆びた鉄と鉄が擦れる、無人の公園の忘れ去られたブランコのように軋んで鳴る。

 そして、そばにいるもうひとりの「彼」をも風は通過する。もつれて束になってしまった背中の毛がなびく。その様子は「彼」になにかを思わせる。
……いつだったのだろう。あれは……僕が飛び立ったある晴れた日のことだ、色のことは憶えていないけれど、たくさんの旗が揺られていた、あのとき、僕は「HOPE」と呼ばれて射出口から空に向けて飛んでったんだ。
みるみる人は小さくなって、地上の誰もが空を見上げていたんだ、いまもそうなのかもしれない。人はいつも天を見てばかりいる。
 晴れには雨を、雨には晴れを。

 ふたりきりだね。彼は尾を振る。赤い鼻先が乾いていた。舌もやはり乾いて白くひび割れてしまっている。

……雨を降らせる? あと一度だけなら……。
……ううん、もういいよ。君が動けなくなっちゃう。それに……
……うん。渇きを癒すだけだけど。
……ここにいてよ。もう飛ばなくて、いい。
……でも……。

 錆びた鉄の腕を伸ばす。そして友達を抱き寄せた。薄くなった皮膚に骨が浮いていた。飲むことも食うこともなく、かなりの日数が経過していることがわかる。酷く衰弱していた。

 行こう、ふたりで。
 鋼鉄の人は誘う、大空への最後の旅に誘う。友達は答えなかった。目を閉じ眠っているように見えた。
 そう思おうとしていたんだ。
 
 ふたりきりになった友達と友達は高く天へと風になる。
 砂の時間が終わる。永久に。

 鋼鉄でできた彼はレインメーカー。雨を降らせる機械だ。
 彼に運命を託したヒトはすでに絶えた。雨雲をつくるための銀は皮肉にもヒトには毒だった。水を得たがそれ以外を失ったのだ。
 生まれたときの彼は希望だったが後に災厄となり、明暗はやはり合わせ鏡であった。どちらの意味においても「神」になったのだ。

 その日の夜。
 地表はすべてを流すほどの雨になった、その後は何も残さないとばかりに降った、最期の雨だった。
















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