ワールズエンド・ツアー -119ページ目

ワールズエンド・ツアー

田中ビリー、完全自作自演。

完全自作、アンチダウンロード主義の劇場型ブログ。
ロックンロールと放浪の旅、ロマンとリアルの発火点、
マシンガンをぶっ放せ!!


「ライフ・イズ・ビューティフル」


春の前の夜、絹が如く細い無音の雨が落ち、
冬の終わりの晴れ間には、小鳥歓ぶ声が咲く、
波打際では柔らかなる陽を吸い込もうと訪れた人々が、
乱反射にて弾ける光に歓声あげた、
凪ぎゆく風に微笑む飛沫、いまや季節は生まれ変わりのときになる、

光が射してくるのを待っていた、
穴の開いた手袋から赤い指、割れて滲んだ唇で、
それでも彼女は笑ってた、まるで世界の終わりみたいって、

まだ震えてる胸の奥から使い古しの台詞を数枚拾い集めて、
思いつきの調べに載せて春の歌を口ずさむ、
さらうように生き残りの北風が、彼女の声を散らばせて、
それでも君はなんでもないやと言って南を向いて目を閉じた、

美しい言葉を連ねることができたなら、どこか遠くへ行けるだろうか、
届かないと言いたいのだろう、見上げれば青は遠く鮮やか過ぎる、
それでも僕らは色鮮やかなる季節に身を委ね、子供のころの約束を想う、
いつか其処へ行かなくちゃって、かじかむ小指をからませて、

それから僕らは美しい言葉を探す、
どこに行こうか、どこにだって行けるはずだと、
未来で待つ互いの笑顔をまぶたに描く、零れ落ちた言葉たち、
砂粒に乗り移っては波にさらわれ遠く遠く光のほうへ、
天が僕らを許してくれるその日まで、つまみあげた砂粒に、
願い、祈りを託した言葉をいくつも載せて、

この手に届く世界の終わりで、
この手が触る世界の終わりで、










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「春雷」


 風は盗む、そこを歩いた誰かの軌跡を。
盗人が人の気配を盗み、手配師は人そのものを盗む。
 春の雨はそのすべてを盗みにかかる、なかったものとして音を立てる。風を誘い、雷鳴までもおびき出して盗みにかかる。

 炎がある、それを消そうと水を探す人がいる、それは消さなければならないものとして植え付けられている、しかし、そこには何かを焼き尽くそうとした炎の意思がなかったことにされている。

 雨曝しの木造から這い出たイヌは鎖を噛み切っていた、野に還ろうとしただけだ、ほら、よく見れば彼は牙を失ってしまったことがわかる。声をあげれど噛みつくことはない、仮に噛まれたとしてもときにお前が笑顔を浮かべ食べている肉の欠片に挟まれるほどのことでしかない。

 だが、彼は追われ、そして撃たれ、或いは捕獲されて殺される。
野にたどり着くことはない。
 もう、野はなくなったのだ。私たちは無自覚に何かを盗む、後ろ暗い理由をいくつか用意している、そして後ろ暗さがあることは都合良く忘れようと背に負う影のことを忘れてしまう。

 嗚呼、風をおびき寄せる、落雷までを引きずり寄せる、春とはそのような季節ではなかったか。出会いと別れ、そして咲く花は春だけの特権ではない。
 君がくわえている肉が、かつて生きたものであることを知る。私たちがろくに読まず促されるまま記すサインは、私たちが何者かに魂を盗まれてしまう証なのだ。















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「ライフ」


貧しき人が荒ぶれたる終わらぬ冬の一夜の青い、
見慣れたけれど見たくはないんだ、それはどう見たところで悲しい瞬間、
いつの日からか、僕は底に近しい場所で呼吸をしてた、

安い酒で祈りまで飲み込んで、白々しい嘘、
「大丈夫だ」って繕う笑顔、
明日もたぶん、今日みたいにそんなふう、
別にどうでもいいことなんだって、通りに錆びた軽自動車が寂しそう、

深夜3時は眠りきれずに水道水で嘯いたる昼間のことを吐き出したい、
それこそほんとにどうでも良かった、
消えてなくなりゃ楽なんだろう? 僕はときどき問いてみるんだ、
真夜中の古い手鏡の、自分自身に訊いてみるんだ、

幸せになんてなれるのかなって、安住の地を探してるだけ、
べつにそれくらいは許されるだろう、ひとつの孤独な塊だとしてそれくらいなら、
たってこの肉体はまだ生きているのだから、

ぎくしゃくと、オイルの切れた歯車みたいな毎日を、
なんだかなぁ、こんなふうしか生きられないのかなって、
別に夢物語なんて持ってないのに、そこらで見かけるくらいのさ、
幸せ欲しいだけなのにって、どうにもうまくやれないなって、

ピアノを調律するように、心を調えられたなら、
生まれ変わることができるだろうか、ときどき僕はそんなことを考える、

風を鳴らすピアノみたいに軽やかに、思い煩うこともなく、
生きてくなんてできるだろうか、いつもいつでも僕は思う、










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