ワールズエンド・ツアー

田中ビリー、完全自作自演。

完全自作、アンチダウンロード主義の劇場型ブログ。
ロックンロールと放浪の旅、ロマンとリアルの発火点、
マシンガンをぶっ放せ!!


   【当サイト暫定イメージ動画】The Journey Man   





「あの夏、僕らは流星になにを願ったんだろう……」
 2011年、夏。このブログでご好評いただいた小説「流星ツアー」を表題作にした短編集がAmazonペーパーバックとして出版されました。
 表題作「流星ツアー」の他、好評の小説3編(「スタンド・バイ・ミー」、「戦時のポストマン」、「楽園はイレギュラー」)を同時収録。
 Amazonにてお買い求めください。

★目標は書籍刊行化、及び商業作品化です。
★なお、本ブログに掲載されたテキスト、写真、イラストなどは本人によるオリジナルです。特定の表記がある場合を除き、著作権は本人に帰属します。


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「サーカスの少女」


支柱から放射状に舞う原色、綻び目立つ万国旗、
破れていたり、いまはもうない国だったり、
褪せたベージュの三角テント、
開幕を待つサーカスが、昨日設営したばかり、

陽を浴び風になびいているのに、まるで楽しげなんかじゃなくて、
まるで野戦病院みたいに見えた、それは野戦病院みたいに何故か、

ピエロが出たり入ったり、だけど、
メイクのない彼は使いまわしの小さなサルと変わらない、
焼けた輪だとか、木馬とか、
年を重ねた着ぐるみだとか、
世界を茶化したあらゆるが、テントのまわりで静かに寝てる、

少女の名前はアンジェリカ、ナイフ投げ師の夫婦の子供、
毛皮のソファで欠伸をしてる、
サイズの合わないデニムのパンツ、サスペンダーで吊り下げて、
青い石つきペンダント、手の平、光にかざしてる、

彼女の夢は絵本に見た天蓋のある大きなベッドで眠ること、
キャンピン・バンの狭い荷台、
両親に挟まれて寝て、いつも朝を迎えてる、
だけど、そんなの話したことはない、

落ち目のサーカス、次の時代のスターに皆が期待してると知ってる、
ターコイズを握りしめて目を閉じる、
明日になればまた見慣れぬ、景色のなかで風に揺られる、

街から街へ、村から村へ、
旅立つばかりのアンジェリカ、
小さな村で言葉もなく手渡されたペンダント、
〝ありがとう〟を言う前に、走り去った男の子、
彼がいまも元気なら、ベッドのことは忘れてもいい、

リハーサルが始まって、父が母の輪郭描くようにナイフを投げる、
突き立つ音が聞こえるたびに、アンジェリカはターコイズを手の中握る、

落ち目のサーカス、ナイフ投げ師の夫婦の子供、
アンジェリカは次の世代を期待され、
彼女の意思はいつも抱えるリアルに飲まれ、

スクールバスに乗ってみたい、みんなと学校へ行ってみたい、
ふざけて笑ってケンカして、一度そんなのしてみたい、
ネオンカラーのジェリービーンズ、皆と騒いで食べてみたい、
ラスタカラーの帽子を被って、〝これ似合う?〟って訊いてみたい、

狭い世界を飛び出して、違う生き方するって決めたアンジェリカ、
握りしめたターコイズ、あの子がいる街へゆく、
逢えるかどうかは分からない、
だけど、他に行きたい場所もない、

とりあえずの行き先決めたら、ひたすら進むとサーカステントを飛び出して、
オレンジ色のバスを待つ、出てゆく彼女に気づいたピエロ、
〝元気でね〟って手を振った、
溶けたメイクが垂れていること気にすらせずに、

はるか遠く知らない街へ、荷物はひとつのアンジェリカ、
目を閉じ握るターコイズ、ベージュのテントは小さくなって、
彼女は未来へ旅立った、










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「風を待つ白い帆のよう」


かつては純白だった帆も、帰港すれば使い捨ての雑巾みたいに汚れてた、
打ち上げられた難破船から降りてきたのは奴隷か貧民、
かつての誇らしげたる航海者たちはそこにいない、

風を待つ帆のように、白い渚を振り返っていつまで見てた?
砂のように流れる時間は戻ってきてはくれないらしい、
どうでもいいと嘯いて、どうしようかと首を垂れる、
吐き捨てちまった言の葉たちが、腐りきれずに時間をただ待つ、

浅い眠りに続いた朝は輪郭さえ覚束ず、
発光する窓の外、再び目を閉じたくなった、
風は季節を着替える途中、ツバメたちなら南へ群れたと落ちてた花に告げられた、

美しい言の葉を、編み上げようと鉛筆握って紙に向かう、
無言に月は湖へと落ち、岸には流れ着いた草の船
白いサギの群れ群れは、夜を明かす営巣地へと戻る途中、
風を待つ白い帆が、青紫の夜へと染まる時間に今日も死を想う、

それから僕は生まれ変わる、昨日によくは似ているけれど、
今朝は生まれ変わった気分で目覚め、夜には死にゆくもののように眠りに落ちて、
翌朝には生まれ変わる、
濃い青紫の夜を越えたら澄み渡る水の色の青が待つ、

そんな夜を乗り越えて、
君は僕は明日へ明日へと生まれ変わる、
いけるさ、朝まで死んだふり、
君は僕は昨日を忘れて生まれ変わる、
風を待つ白い帆のよう、
風を待つ白い帆のよう、










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【インスタグラム】幽霊船長が話してくれたこと


 不眠症のようになる時期が定期的に訪れるのだけれど、現在がまさにその最中なんです。理由はわからない。考え事があるといえばあるけれど、悩みや考える事がないときなんてないし(子供ならまだしも大人は誰もそうだろう)、それはたぶん理由ではない。

 季節の変わり目、とくに雨の多い季節が昔から苦手で、雨の予報を見るだけでなんとなく沈む。
 なんと暮らしにくい国に生まれたのかと自らを嘆く(大袈裟すぎますね)。
 何度かこのブログでも書いたけれど、この国に四季なんてない。夏と冬と雨季だけだ。
 雨季が終われば突然に冬がくる。過ごしやすい季節は本当に短い。


 眠れないときは強めのアルコールでも……とはならない。あるぶんすべてを飲んでしまうとわかっているので買い置きはしない。
 そして、とりとめなく解答もなく、問いそのものが不毛な、迷路のような考え事に突入してしまう。

 考えるなんて無駄だ、そうわかってながら様々なことを思う。
 正解不正解などないと結論がある自らの生き方、生そのものを振り返り、続く未来に思い悩む。
 ほとんどの不安は杞憂に終わるし、いつだって最悪の事態は避けられた、これからもなんとかやっていくしかない。


 眠れぬ夜のたびに同じことを思い煩い、同じ結論にて朝を迎える。
 結局は。
 その不眠もどうにかやり過ごして朝を待つ以外にない。どうせ眠れないのだ、起きて深夜から明け方のドライブにでも行ってみようか、とならないのは恐らく僕の怠惰さ故だろう。










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