【NコンS62中】昭和62年度NHK全国学校音楽コンクール中学校の部
(修正更新2011.2.21)神代中学校の自由曲の作曲者は「飯沼信義」ではなく「加賀清孝」でした。
昭和62年は、異色の課題曲A
「トマトの夕焼けスープ」の年。
とてもシュールです。
■課題曲
A「トマトの夕焼けスープ
」
(作詞:村田さち子、作曲:青島広志)
B「時は流れても
」
(作詞:山上路夫、作曲:池辺晋一郎)
【金賞】
◎青森県八戸市立根城中学校
■課題曲
B「時は流れても」
■自由曲
「ヘンルーダの花が咲いたら」
(訳詞:峯陽、作曲:バールドシュ・ラヨシュ)
■審査講評
・2曲とも完成度が高かった。
・少々のことがあっても
絶対崩れることのないハーモニー。
・中学生としては驚くべき声の成熟度。
・課題曲はアンサンブルは見事だが、
表情がいくぶん硬化気味。
・自由曲はアルトが凄い声を聴かせた。
・中学生の女声合唱とは信じられぬ合唱。
【銀賞】
◎熊本県熊本大学教育学部附属中学校
■課題曲
A「トマトの夕焼けスープ」
■自由曲
「若葉よ来年は海へゆこう」」
(作詞:金子光晴、作曲:飯沼信義)
■審査講評
・課題曲は、現状に対する手厳しい批判と
告発性が欲しい。
・自由曲では、男声がもひとつ充実して欲しかった。
・全体的にピッチもフラット気味であった。
◎東京都調布市立神代中学校
■課題曲
A「トマトの夕焼けスープ」
■自由曲
「名づけられた葉」
(作詞:新川和江、作曲:加賀清孝)
■審査講評
・発声のフォームが徹底して乱れがない。
・自由曲の上手さは抜群であった。
・コトバさばきも見事であった。
・最後のソプラノの高音に
たっぷりした余裕があれば…
◎兵庫県神戸市立住吉中学校
■課題曲
B「時は流れても」
■自由曲
「美しい訣れの朝」より「お母さん」
(作詞:阪田寛夫、作曲:中田喜直)
■審査講評
・バランスのとれた流れの良い合唱。
・自由曲もコトバへの配慮が行き届いている。
・情感のふくらみがもひとつ欲しい。
【銅賞】
◎北海道教育大学教育学部附属札幌中学校
■課題曲
A「トマトの夕焼けスープ」
■自由曲
「わが里程標(マイルストーン)」
(作詞:片岡輝、作曲:平吉毅州)
◎長野県長野市立柳町中学校
■課題曲
A「トマトの夕焼けスープ」
■自由曲
「天使と羊飼い」
(訳詞:大熊進子、作曲:ゾルターン・コダーイ)
◎徳島県美馬郡半田町立半田中学校
■課題曲
A「トマトの夕焼けスープ」
■自由曲
「海辺のファンタジー」
(作詞:みやじま美也子、作曲:黒沢吉徳)
◎愛知県碧南市立新川中学校
■課題曲
B「時は流れても」
■自由曲
「最上川」より「潮騒の海へ」
(作詞:真壁仁 、作曲:服部公一)
◎島根県島根大学教育学部附属中学校
■課題曲
A「トマトの夕焼けスープ」
■自由曲
「海」
(作詞:草野心平、作曲:鈴木行一)
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続・『聞こえる』― 30年以上経った今も歌い継がれるNコン課題曲が生まれた背景とその主人公は❓
平成3年度 高等学校の部課題曲
聞こえる
作詞:岩間芳樹、作曲:新実徳英
名課題曲「聞こえる」
現在でもコンクールや演奏会でよく歌われる歴代のNコンの課題曲といえば、「聞こえる」を挙げる人も少なくないはず。
今回はその「聞こえる」が生まれた背景と、その主人公像をどう解釈すればいいのか。
作詞の岩間芳樹さんによる解説を要約して紹介します。
▲ 平成3年度高等学校の部・府中西高校(銀賞)
POINT合唱曲「聞こえる」の意味・解釈は❓
岩間さんが手がけたNコン課題曲とそのテーマは❓
「海はなかった」(S50高)
「公害に荒れる海」を表現した。
「冬・風蓮湖」(S54高)
「ティーンエイジャーが持つ劣等感」を表現した。
「聞こえる 」(H3高)
「社会や地球全体から発せられるさまざまな情報とそれに向かい合った高校生」を表現した。
この詩の主人公像は❓
今日の情報社会
➡ 世界の出来事が刻々と入ってきて、それぞれに感想を持ったり、論じたりする。
⬇
主人公は、テレビが情報源で、それを見ているだけの立場。
この詩に描かれた時代背景は❓
- 天安門事件で、戦車の前に立ちはだかる一人の青年。
- ルーマニアでは、民衆が権力を倒して涙している。
- 民族統一にわくベルリンの群集をバックに、第九の「歓喜の歌」が聞こえている。
- アマゾン流域の森林伐採が、地球を酸欠に向かわせている。
- アフリカでは子供が飢餓に泣いている。
- 海に流れ出した原油が鳥の翼を奪っている。
- 戦火に追われた難民達が救いの手を求めている。
時代背景の中で、主人公が置かれた立場は❓
こういった出来事が主人公に迫って、何かを訴えている。
⬇
誰しもがそうであるように、テレビの前では何もできず、ひざを抱えているに過ぎない。
➡意味は理解できて、意見はあっても、黙って見守っているだけの立場である。
その立場に置かれた主人公はどんな状態なのか❓
- 主人公はたぶん、そんなことに関心を持っているわけにはいかない、という心理的ブレーキがかかっている(そんな暇があるなら勉強、勉強…)。
- 食卓で話題になっても、「早く勉強をしなさい」とテレビを切られるかもしれない。
⬇
そんな状態にある自分が、馬鹿げているように見えてイライラする。
⬇
では何ができるのか❓
➡ 何もできない、というジレンマ。
詩の最終部の意味は❓
=主人公の考えていること
- 社会や世界で起こっていることに関心を持つことは正しい。
- 自分にできることがあれば、やりたいと思うことも正しい。
- 突きつけられている問題に対して、気持ちはいつも柔軟でいたいのに、どうしても抑圧ばかりが、自分を押さえ込んでいる。
⬇
生きること、感ずること、考えることに積極的でありたい。
と主人公は考え始めている。
⬇
自分を抑圧するものに、不満を持っているだけではダメなんだ。
と…。
参考文献
「教育音楽」中・高版 1991年(音楽之友社)
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【NコンS59高】昭和59年度NHK全国学校音楽コンクール高等学校の部
昭和59年のNコンは、選択制課題曲の初年度です。
Bは既存曲で、混声・男声・女声向けが
用意されました。
なお、書き留め忘れたため、
静岡県立富士宮東高校(演奏順:5番目)の情報が抜けています。
■課題曲
◎A「君は夕焼けを見たか 」
(作詞:阪田寛夫、作曲:黒澤吉徳)
◎B(混声)「ひとつの朝 」
(作詞:片岡輝、作曲:平吉毅州)
◎B(男声)男声合唱組曲「月光とピエロ」から「秋のピエロ」
(作詞:堀口大學、作曲:清水脩)
◎B(女声)「開演のベルが 」
(作詞:中山知子、作曲:末吉保雄)
■審査員
石井歓(作曲家)、石丸寛(指揮者)、小田野正之(東京学芸大学教授)、
小林秀雄(作曲家)、三枝成章[現・成彰](作曲家)、田中信昭(合唱指揮者)、
中村義春(声楽家)、丹羽正明(音楽評論家)、畑中良輔(声楽家)、
真篠將(日本教育音楽協会)、水上毅(NHK学校教育部長)
■司会
宮本隆治(アナウンサー)、堀江美都子
【最優秀】
◎群馬県立高崎女子高等学校(演奏順:9番目、得点:451点)
■課題曲
A「君は夕焼けを見たか」
■自由曲
自由曲:「三つの抒情」より「北の海」/「春の岬に来て」より「北の海」
(作詞:中原中也、作曲:三善晃 / 尾高惇忠)
■審査講評
・音楽的流麗さが横溢した音楽性豊かな演奏。
・声質が良く安定したアンサンブルだった。
【優秀】
◎北海道滝川高等学校(演奏順:7番目、得点:429点)
■課題曲
B混「ひとつの朝」
■自由曲
「季節へのまなざし」より「のびる」
(作詞:伊藤海彦、作曲:荻久保和明)
■審査講評
・しっかりと歌って、音楽的面白さを提示していた。
・男声と女声の好ましいアンサンブルだった。
◎福島県立安積女子高等学校(演奏順:4番目、得点:428点)
■課題曲
B女「開演のベルが」
■自由曲
「街路灯」より「マルメロ」
(作詞:北岡淳子、作曲:三善晃)
■審査講評
・緻密で美しい雰囲気だった。
・いま一歩、日本語の発音、明瞭度に対する配慮を。
・安定したアンサンブルは卓越したものだった。
◎鹿児島県鹿児島市立鹿児島女子高等学校(演奏順:6番目、得点:443点)
■課題曲
A「君は夕焼けを見たか」
■自由曲
「南島歌遊び」より「酒、酒、酒」
(作曲:福島雄次郎)
【優良校】
◎島根県立松江北高等学校(演奏順:3番目)
■課題曲
A「君は夕焼けを見たか」
■自由曲
「優しき歌」より「爽やかな五月に」
(作詞:立原道造、作曲:小林秀雄)
◎香川県高松市立高松第一高等学校(演奏順:2番目)
■課題曲
A「君は夕焼けを見たか」
■自由曲
「光の幻想」より「停電小僧」
(作詞:まえだ純、作曲:新実徳英)
◎和歌山県立田辺高等学校(演奏順:1番目)
■課題曲
B混「ひとつの朝」
■自由曲
「北廻船」より「古い壺」
(作詞:阪田寛夫、作曲:大中恩)
◎千葉県立千葉東高等学校(演奏順:8番目)
■課題曲
A「君は夕焼けを見たか」
■自由曲
「優しき歌」より「爽やかな五月に」
(作詞:立原道造、作曲:小林秀雄)
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