株価と国債価格のジレンマ
マニアックな読者の皆様、お早うございます。米国経済指標が期待に反し、余り良くなかったことでNYSEは若干下落したが、大きな底割れはなさそうである。ナスダックも相変わらず、堅調である。 Bloomberg(引用元)NY外為:ドル指数が6日ぶりに低下、低調な経済統計に反応記事をメールで送信記事を印刷する記事写真映像共有/ブックマークShareGoogleチェックTwitterシェア 5月16日(ブルームバーグ):16日のニューヨーク外国為替市場ではドル指数が下げた。主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)の同指数は前日まで5日続伸していた。朝方発表された米経済統計の内容が予想よりも弱かったことから、米金融当局による債券購入ペース減速の観測が後退したのが背景。ドル指数 はサンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁が今夏にも債券購入のペースを減速させ始める可能性があると指摘したことに反応し、下げ幅を縮小した。ユーロは一時、欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が発表した4月のユーロ圏消費者物価指数に反応して下げていた。BKアセット・マネジメントの為替部門マネジングディレクター、キャシー・リーン氏(ニューヨーク在勤)は「米国の経済統計の内容が弱い方向へと転換しつつある。この失望感がドルの対ユーロや対円でのさらなる上げを抑えている」と述べた上で、「投資家は懸念しつつも、過度に嘆いているわけではない」と続けた。ドル指数はニューヨーク時間午後5時現在、0.1%低下して83.779。一時は0.5%下げた場面もあった。ドルは下げ埋めるドルは対円でほぼ変わらずの1ドル=102円23銭。一時は0.4%安まで売り込まれた。ドルは対ユーロで1ユーロ=1.2882ドルとなっている。一時は0.3%安まで下げた。ユーロは対円でほぼ変わらずの131円73銭。 米銀が決済機関デポジトリー・トラスト・アンド・クリアリング(DTCC)へ提出したデータをブルームバーグがまとめたところによると、外為オプションの店頭取引は合計420億ドル。対円でのドルのオプションの出来高は94億ドルでシェアは23%と首位。続いては対ユーロで50億ドル、シェアは12%だった。ブルームバーグの分析によると、この日の対ユーロでのドルのオプション取引は過去5週間の木曜日の取引平均値を45%上回った。一方、対円でのオプション取引は平均値を11%下回った。低調だった米経済指標フィラデルフィア 連銀が発表した5月の同地区製造業景況指数はマイナス5.2と、前月の1.3から低下した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査の予想中央値は2への上昇だった。同指数はゼロが拡大と縮小の境目を示す。労働省が発表した先週の新規失業保険申請件数 (季節調整済み)は、前週比3万2000件増の36万件。これは3月末以降で最多となる。米商務省が発表した4月の住宅着工件数は前月から16.5%減少した。4月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は前月比0.4%低下した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査の予想中央値は前月比0.3%低下。前月は0.2%の低下だった。ロシア中央銀行が発表したリポートによると、外貨準備高でドルが占める比率は45.8%と、前年の45.5%から上昇した。ユーロは40.4%と、前年の42.1%から縮小した。ユーロスタットによると、4月のユーロ圏消費者物価指数 (改定値)は前年同月比1.2%上昇となった。3月は前年同月比1.7%上昇だった。欧州中央銀行(ECB)が域内の経済成長率が6四半期連続でマイナスとなったことから、追加緩和を実施する可能性があるとの見方が広がり、前日のユーロは対ドルで下落した。日本に於いても大混乱する様な状況ではないが、国債先物市場や国債市場が混乱すればいつ下落しても可笑しくないほどの高い水準である事には変わりはない。引け後雑感本日は5年半年振りに大引けで15100円を維持で尚且つ本年度最高値。まず、高いか安いかは明確で高過ぎでバブルである。ところが、日銀がトピックスETFやREITを買い支えてくれると言った他力本願の甘い構造が投資家の根底にある。無論、底抜けリスクの際には買い支えるのも必要な措置であるが、15000円水準を割った昨日の引け直前にトピックスを買い上げたり、本日の様にREITが大引け直前に買いが入るという歪んだ市場は実体と懸け離れたバブルを招くし、現状でもバブルである。この様な機械的な相場は適正とは言えず、単なるギャンブリングゲームのカジノ化を齎すであろう。但し、日銀は国債を買い続けるだけでなくETFも買い続ければやがては限界にきて売らなければならなくなり、そうなれば日銀自体が自爆する危うい政策である事に間違いはなく、一体出口戦略をどう考えているのか皆目見当が付かない。ところで、日銀はジャスダックに上場しているのは御存じであろうが一般投資家の売買は出来ない。直近1年チャート(8301:日本銀行)大引け:67800円総裁が変ってからは上昇しているが、一般投資家は売買不可なので特に意味はない。下記が5/10現在の日銀のバランスシートである。(単位:千円)資産負債および純資産金地金441,253,409現金1304,574,257国債132,139,355,690コマーシャル・ペーパー等21,217,035,239社債32,900,177,701金銭の信託(信託財産株式)41,360,524,610金銭の信託(信託財産指数連動型上場投資信託)51,699,224,625金銭の信託(信託財産不動産投資信託)6134,184,738貸付金27,321,967,000外国為替75,038,351,052代理店勘定818,833,951雑勘定457,852,182合計173,033,334,459発行銀行券83,273,133,108当座預金63,372,765,524その他預金9358,129,582政府預金1,137,886,436売現先勘定18,291,492,171雑勘定10650,178,477引当金勘定3,237,012,172資本金100,000準備金2,712,636,985合計173,033,334,459これを見て何も理解できないなら、株式投資などは止めておいた方がいいだろう。重要なのは資本の部の準備金であるが、2.7兆しかない。詰まり、2.7兆円以上の損失が出れば債務超過である。この事が何を意味するのか?ピンと来る人は身の毛が弥立つかも知れない。国債買い入れは、理論上日銀は紙幣を無限大に刷れるので可能であるが、市場で売るときには当然国債価格が下落するので損失を被る。FRBが出口戦略を模索しても中々いい案が出ずに苦慮している中で、何の思慮もなくバランスシートを倍にするなど正気の沙汰ではない。然も、世界ワーストワンの借金財政国家…本当に金融を理解できる人は資産を海外に移して日本から脱出するであろう。また、ETF やREITの購入は日銀自体の損失リスクがあり、昨今の様な株価水準が高い中で買い入れを続ければ市場で売る際に大きな損失が出る。また、引当勘定が大きいのは無理な為替介入やETFの買い入れで含み損が3兆以上あるという事も念頭に入れなければならない。※引当金とは損失に備えて損金に計上後の数字であるので、実質の売買で利益が出れば減少する。事実、白川総裁時の為替介入やETF買い入れでも売買損失が確定しており特別損失に計上されている。何が言いたいかと言えば、日銀がリスク資産を買い入れて市場に介入するなど、凡そ資本主義経済からかけ離れた御法度の行為であり、必ずこの様な金融政策から逸脱した政策は破綻を齎すであろう。株式市場が幾ら上昇してもただの絵に描いた餅であり、皆が換金すれば需給関係であっという間に10000円などは割ってくる。皮肉にも今回の金融政策は異次元の地獄へ誘導すると言う意味では合っている。 naniwa335