永松昌泰学長のブログ【ものの道理で人生を豊かにしよう】 -18ページ目

うつ病患者激増の驚愕の事実 (3)

こんにちは。 永松昌泰です。


ご紹介している書評を続けます。



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もちろん、こんな精神科医ばかりではない。

神田橋條治を始めとする4人の専門医による
「座談会 うつ病治療-現場の工夫より-」(メディカルレビュー社、1890円)

は、もっぱらうつ病治療に携わる人々に向けた著作だが、
一般の読者にも有益な智慧や情報が詰め込まれている。




一例をあげると、

うつ病という「病気になったからその人は気づけたんだとか、休めたんだ」
という思考の転換が語られる。

それを「うつ病になるという身の処し方」や、「うつ病になる健康法」
といった、一見突飛な表現に結びつけて、

論者たちはうつ病を根本的にとらえなおそうと試みるのである。


患者から、
「病気の前の状態に戻るんでしょうか?」
と尋ねられたら、
神田橋はこう答えるそうだ。


「人間のする経験には無駄はないから、
あなたはそこから学んだものを身につけて元の世界に帰って行くんだね」と。



彼はまた、
「自分の歴史の中に生じたことを、
自分にとって何らかのプラスの意味があったというように
意味づけて作られる物語が、人を支えると思うんです。」

とも述べている。


このように、うつ病という”タコツボ”から、
広い海に連れ出されるような快感が、本書にはあるのだ。



紙幅が尽きかけているが、
別の視点からのうつ病論を、もう一冊。



植木理恵著「ウツになりたいという病」(集英社新書 714円)では、

パニック症候群を克服した若手の臨床心理士が、
最近おおはやりの
”ポジティブシンキング”と「新型ウツ」との
意外な相関性を分析している。


「やっぱり」と思いつつ、
”目からうろこ”の感も抱いた。



引用ここまで。


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神田橋先生は、初めてお会いしたのが4年前でしょうか。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A5%9E%E7%94%B0%E6%A9%8B%E6%A2%9D%E6%B2%BB

鹿児島の堂園メディカルハウスの堂園晴彦院長
http://www.dozono.co.jp/

からご紹介いただきました。



とても感銘を受けた素晴らしい先生でした。


神田橋先生、また堂園晴彦院長については、

長くなりますので、また書きます。



人間の常ではありますが、


どの世界にも、素晴らしい方々もいらっしゃれば、
素晴らしくない方々もいらっしゃる、



ということです。

うつ病患者激増の驚愕の事実 (2)

こんにちは。 永松昌泰です。



続きです。



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うつ病患者が激増した真の理由


みずからも精神科医である著者は、
慎重に言葉を選んでいるので、私が意訳しよう。


つまり、巨大製薬会社が、巧妙なうつ病キャンペーンを仕掛けて、
新たな”うつ病マーケット”を世界中に生み出してきた。

そこで新薬を売りさばいて2兆円以上もの暴利をむさぼってきた副産物こそ、
うつ病患者の激増という世界的な現象ではないのかというのである。



にわかに信じがたいかもしれない。

しかし、著者は欧米の論文や報道を渉猟し、
読み込んだ末に、かような結論に至った。


日本のメディアではほとんど伝えられないが、
この問題は、欧米でたびたび大論争を巻き起こしている。


それゆえイギリスでは軽傷のうつ病には、
日本で最も売れている「パキシル」のような抗うつ剤を
最初から使ってはならないという方針が、
はっきりと打ち出されているのである。


しかし、著者は抗うつ剤の効果を否定しているわけではない。

うつ病を減らすための方策も具体的にいくつか提案しており、
そのひとつが企業の「残業対策」で、
まずは残業時間を減らすことというのは、
なにやらリアルな説得力がある。



NHK取材班著 「NHKスペシャル うつ病治療 常識が変わる」(宝島社1200円)

は、話題になったテレビ番組の取材をもとに書き下ろしたドキュメントだ。


ここでも、うつ病治療の問題点が列挙されているが、
一番ショッキングなのは、日本の治療現場の惨状である。


ひとことで言えば、
抗うつ剤の使いすぎと
それに反比例するかのような診療時間の短さが、
目に余るのである。


手っ取り早く稼ごうと、
”駅前クリニック”開業へとなだれ込む精神科医たちの姿には、
怒りを通り越して、情けなさすら感じる。

ちなみに、ダメ医者の見分け方が5つあげられているので、
ご紹介しよう。



①薬の処方や副作用について説明しない。


②いきなり3種類以上の抗うつ剤を出す(初診、あるいは最初の処方で)。


③薬がどんどん増える。


④薬について質問すると不機嫌になる。


⑤薬以外の対応法を知らないようだ。



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ふーーーーーー とため息をつきたくなるような、記述です。


今まで、たくさん、こういう惨状の犠牲者のクライアントに会ってきました。

そして、暗澹たる思いがあります。


しかし、当然ながら、そんな惨状ばかりがあるわけではありません。

素晴らしい先生方もいらっしゃいます。

残念ながら、多いとは言えないところもありますが・・・・・


この後の書評では、旧知の神田橋先生が登場します。


つづく

うつ病患者激増の驚愕の事実 (1)

こんにちは。 永松昌泰です。



先日ブログにアップした記事
ポジティブとネガティブに関して、
いろいろな方々から反響がありました。


その中に、「抗うつ剤」という言葉を比喩的に入れたことで、
ある医師の方からコメントいただきました。


それについてのやりとりをしながら、
そうだ! 皆さんにこの書評をご紹介しよう、と思いました。



「週刊現代」の「リレー読書日記」。
今年の2月中旬だったと思うのですが、野村進さんの書評です。



P154からP155まで
以下引用です。


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バブル崩壊でも長期不況でもない
うつ病患者激増の驚愕の事実



「うつは心の風邪」
そんな言い方に、私は以前から強い違和感を覚えてきた。


長期取材で入った精神科病院の救急病棟で、
重いうつ病の患者を何十人も見てきて、
うつ病が風邪のように数日で治る病気ではないことを
日々思い知らされていたからだ。


私の身近にも、うつ病から回復した者や、
現在まさに闘病中の人間がいる。

重傷ではないものの、彼らの苦しさはひしひしと伝わってくるのだった。

ご存じのように、日本のうつ病患者は急増中である。
その背景にはバブル崩壊や長期不況、
アメリカ型グローバリズムの浸透といった要因が複雑に絡み合っている。
そう私も思っていた、


富高辰一郎著「なぜうつ病の人が増えたのか」(幻冬舎ルネッサンス新書900円)
を読むまでは。




この本には驚くべきことが書かれている。

うつ病患者数の折れ線グラフは、
1999年を堺に急勾配で右肩上がりを示すのだが、
その最大の理由は、バブルでも長期不況でもグローバリズムでもない。


何だと思われるだろうか。


実は新薬の登場なのだ。

SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)という新薬が、
日本で発売された年が、1999年なのである。


驚愕の事実は、さらに続く。

たとえばSSRIの発売とうつ病の急増は、
我が国に先んじて欧米諸国で起きており、
日本は同じ道を辿っているにすぎない。

うつ病かと思ったらすぐさま医者に診てもらおうという
マスメディアあげてのキャンペーンは、
うつ病の患者を減らすどころか、
逆に増やすほうにばかり働いている。


こうした動きは、巨大な多国籍企業と化した製薬会社によって
誘導されてきた面が、あまりにも大きい。

しかもSSRIの効果は、従来のうつ病治療薬と大差なく、
うつ病患者の20%以下でしか発揮されていないというデータさえあるのだ。



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まだまだ引用続きます。


つづく

風力発電で原発40基分の発電可能と環境省試算!

こんにちは。 永松昌泰です。


環境省が今まで言わなかったこと・・・というか、

言いたくても、
力の強い経産省から睨まれるので言えなかったことを、
ついに発表しました。

http://www.asahi.com/national/update/0421/TKY201104210510.html

原資料はこちらです。

http://www.env.go.jp/press/file_view.php?serial=17339&hou_id=13696



原発は必要ない、ということを、より明確に裏付けました。



また、原発の依存度3~4割といっても、
原発のみフルに動かしていて、
火力や水力発電は、調整程度にしか動かしていません。


実際には、火力や水力を十分に動かすことだけで、
夏のピークでさえ原発なしに「ほぼ」乗り切れます。



また料金体系を変えることも必要です。


現在の企業向け料金体系は、使えば使うほど安くなっています。


だから企業は集中的に使おうとしますが、
それをやめて、逆に欧米のように、
夏の暑い時期の特定の時間のみ非常に高くすると、
企業は絶対にその時期はできるだけ減らしますから、
簡単に節電できます。



いよいよ、本格的なシフトの時が近づいている!・・・

ならば良いですね!


ものの順序 (2)

こんばんは。 永松昌泰です。



今、エクスまセミナーで、スコットの話を聞いていました。
http://ameblo.jp/ex-ma11091520sukotto/entry-10867991924.html


すると、「ものの順序」の話と全く同じ話が出てきました。



「儲け」を最初に考えてはならない、
儲けを目的にしてはならない。
誰も幸せにしない。


何をすべきか考えて、
それが結果として儲かる、ということでなければならない。

儲けが目的になってはならない。



その人ならではの役割、
その人ならではのミッション。

それを果たすために私たちは存在している。

それを忘れてはならない、
ということ。




ホメオパシーの聖典「オルガノン」の第九章と
まったく同じです。


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オルガノン第九章



健康な状態にある人間においては、
物質的身体に生命の息吹を吹き込み、
ダイナミックに作用する精神のような生命エネルギー(完全調和の統治者)が、
身体のあらゆる部分を限りなく自在に支配し、
感覚と機能の両方において、
みごとに調和的な生命活動が営まれるように維持している。


それゆえ、私たちの内に宿る理性的な精神は、
生命をもつ健康なこの道具を、
私たちの人生における、より高邁な目的のために自由に使うことができるのである。


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つまり、


健康な時には、生命エネルギーは、身体のあらゆる部分を調和的に統率し、
見事に生命活動が営まれている。


しかし! 健康は人生の目的ではない。


健康な心身とは、私たちがこの世に生を受けた根源的な目的、
それを実現するために存在している。



のです。

古い友人

こんにちは。 永松昌泰です。



今日は、とても嬉しいことがいくつもありました。


そのうちの一つは、
35年来の恩師N先生の無事が分かったことです。



恩師の体調が思わしくないことが分かったのが、
数か月前。

片脚を切断する、と聞いて、
ずっと心を痛めていました。



私の本を読んでくださって、
とても喜んでいただいたことも以前聞きました。



最初にお会いしたのが15歳の時。
英語の先生です。


私にとって英語の恩師は2人いらっしゃいます。
その1人です。




もう少し早く分かると、
私にも出来たことがあったのに・・・

とも思いますが、

もうすぐご無事に退院される、と聞いて、
とても嬉しい思いです。



お知らせくださった、Mさん、ありがとうございました。

ものの順序 (1)

こんにちは。 永松昌泰です。


今日は、私の大好きな一文をご紹介したいと思います。


「目的」ということについて、深く考えさせられます。



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『沖虚真経』には「善行に対する警告」というものがある。


楊朱いわく


「善行をおこなう者は、名声のためにおこなうわけではないが、名声は自然についてくる。


名声は勝利とは関係がないが、勝利もついてくる。


勝利は争いとは関係がないが、争いのとき味方する。


それゆえ崇高な人は善行をおこなうよう心がけるのである」。



「病気が教えてくれる病気の治し方」 P59


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素晴らしいと思います。


結果を先取りしてはならない。


ということです。


何か「さもしい目的」「物欲しげに善行をするのは、

まったく善行でも何でもありません。


真の善行とは、善行をすること自体が「目的」であり、

何かをさもしく、物欲しげに、あたりをきょろきょろうかがいながら、

することではありません。



ただし、自然な結果として、

善行は、名声を生まずにはいられないし、

名声は勝利に繋がらざるをえないし、

勝利は争いの時に見方せざるをえない。



さもしい目的のために「善行」しても、

それは「善行でも何でもありません。


それは、「さもしい目的」のためにしただけの、

姑息で物欲しげな行為以外何ものでもない。



そして、それはそれだけの結果しか生みません。

結果を先取りすることは、決してできないのです。



結論は、


真理は自然発生的に必然的結果を生む。
真理ではないことも、自然発生的に「それなりの必然的結果」を生む。

福島原発の行方

こんばんは。 永松昌泰です。



数日前、福島原発の事故が、レベル7に引き上げられました。


5からいきなり7ということで、
いろいろな批判を浴びています。




ただ、ごく簡単な基礎的知識があれば、
東電と政府の発表を注意深く聞いていると、
十分に洞察できることだと思います。



これからも、時間が経てば経つほど、
基本的には悪化します。

累積の線量がどんどん増えるからです。


でもパニックは必要ありません。
時間はそれなりにあります。



ただ、中長期的に人生設計をする必要があります。

具体的なことを「祈る」とは、神に「命令」していること。

お早うございます。 永松昌泰です。




スコットが、一昨日ブログに書いてくれました。

http://ameblo.jp/ex-ma11091520sukotto/entry-10864298341.html



このことは、

いつも授業でお話していることでもあり、

まったく同じ意見であり、

また褒めていただき、とても嬉しく思いました。



この問題について、私なりに考えていることがありますので、

それを少し書きたいと思います。



本来、神道では、

決して具体的な願望や願いを祈ってはなりません。


それは「不敬」になるからです。


???という方もいらっしゃると思います。

通常は、具体的な願望を祈る方が多いですし、

神社にも、そういうお札が売っています。


でも、本来はしてはならないのです。


なぜでしょうか?



それは、自分の願望を神に祈るということは、


その実体は、「神に命令している」からです。



つまり、言葉は、「願い」や「祈り」であっても、

そういう「具体的な祈り」は、

実体として、そうするように神に命令しているのです。


そして、その願いが実現しないと、

神に対して怒ったり、恨んだりします。


これは、初めからお門違いです。



自分は「祈っている」つもりですが、

実体は、自分の得手勝手な欲望、欲求を神が実現することを命令している、

つまり、自分を神より上に置いている、ということです。


自分には、その「つもり」はない、と言うかもしれないけれど、

実体はそういうことです。



続きは、また書きたいのですが、

続きのタイトルは、


「思いは実現する」は、「思いさえすれば何でも実現しちゃうだろう ワハハ」ということでは全くない


という、いささか長いタイトルで書きます。

穂高養生園でのセミナー

お早うございます。 永松昌泰です。



今日は、6月28日~30日に行われる
穂高養生園
http://www.yojoen.com/about/about.html

でのセミナーについて、
お知らせしたいと思います。



今回のセミナーは、
「本来の自分と出会う旅」というテーマです。
http://www.yojoen.com/workshop/2011/work02_Homeopathy.html



3月11日の大震災以来、
多くのことが起こりました。


激震と大津波、そして原発事故。

史上空前の大災害であるというだけではなく、
原発の問題が起きて、
一過性の問題ではなくなり、

好むと好まざるとにかかわらず、
これからずっと継続的に処していかざるをえない、
根源的な大問題を抱え続けることになりました。



どのような問題、特に社会問題は、
一見、自分の外で起こっている問題のように見えますが、

よくよく考えてみると、
結局は、自分自身の「内なる問題」である、

ということになってきます。

突き詰めると、そういうところに逢着します。




今回の大災害は、私自身にとっても、
もちろん甚大なショックでありました。


この養生園でのセミナーも、
「本来の自分と出会う旅」というタイトルが、
何だか、もう時節に合わないような、

今のこの緊迫した時にそぐわないような、

そんな気がした時もありました。



しかし、その後少しずつ私自身が立ち直り始めた時、
正に、今こそ「本来の自分」に出会わなければならない、

「本来の姿」に逢着しなければならない、

今こそそういう時なのだ、
今なのだ、

と強く確信するに至りました。



それは、一個人の問題でもあり、
そのまま国家の問題でもあります。


つづく