◆◆◆くじょう みやび日録 第二期◆◆◆

 

第一期から断続的に楽しんでいる「女房気分de書写」。

現在は

『栄花物語』を読み、巻一から順にひとつずつ好きな場面を書写

という形で一人密かに進行中です。

 

本日は、巻十九をご紹介いたします。

 前回は藤原定頼メインのおまけ編→



巻十九「御裳ぎ」:禎子内親王への彰子からの贈り物

 

治安3年(1023)4月~8月。
この巻も道長一族の栄華を行事を通して描いている。巻名は、冒頭の禎子内親王(道長次女・妍子所生の三条天皇皇女)の裳着より。以下、さまざまな行事が描かれる(末尾に前回の道長子息・教通の大井川祓)。


 

行事の華やかさを描写した巻のひとつと言えましょう。巻名となった禎子内親王の裳着に関する記事から、短い場面です。

「裳着(着裳)」とは裳を着け髪を結い上げる女性の成人式(12~14歳程度)です。禎子内親王(「一品宮」と記されるがこの時点では無品)の愛らしさ!

出家の身を憚り息子の関白・藤原頼通に当日の差配は任せますが、道長心配りの儀式の豪華さが強調されています。「腰結」は太皇太后である道長長女・藤原彰子がつとめました。

 

印象的だったのは、その彰子からの由緒ある贈り物

貫之書写の古今集兼明親王(本文では「御子左」)書写の後撰集道風書写の万葉集、本物でしょうか、見てみたかったです!(←こうした「残っていたらさぞ素敵だったろうに……」という国宝級の逸品が、栄花物語にはたくさん登場しますよね~♡)

 

 

 

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