江戸時代後期の禅僧・風外本稿の六曲一双屏風を神奈川県の總持寺に寄贈させていただきました。

歴史小説を執筆する際は、主人公や主人公に関係する人物の消息(手紙)、墨蹟、写真、古地図、書籍、論文など広範囲に収集します。寄贈した作品も執筆のために収集した資料の一つです。

 

自身の経験や想像で執筆する形態の小説と違い、史実に沿った歴史小説などは、こうした資料収集で大金を使い、書籍販売の収益など凌駕するほどの経費が掛かります。ところが出版すると、その後の資料は家の一角を埋め尽くすほどの状態になります。売ればいいのでしょうが、そうした研究資料を買う人はほとんどいないし、かといって家に蔵するのもかわいそうなので寄贈するのが真相です。動機は決して善行などではありません。

この屏風も11月5日に新潟県で行う講演会に展示しようと思ったのですが、この巨大な代物を遠隔地に運ぶことは困難であることが分かり、収蔵先を探していたところ、揮毫者が帰依した宗派の本山に引き受けていただきました。

屏風を置いたらすぐ帰ろうと思っていたところ、寺院の内部に連れていかれ、大広間で持参した屏風を開いていただき、荘厳な授与式を挙行いただきました。貫首禅師の感謝状、監院老師と宝藏館館長連盟の受領書などをいただき、新聞社の取材や寺院広報の取材もはいり、想定外の丁重な対応に驚かされました。

 

 

 

 

 

なにより、観光や取材で外観は拝見しましたが、寺院内部の拝観は初めてでしたので、良い経験をさせていただきました。

屏風は、御征忌前(?)までは瑞応殿(?)で展示、御征忌中(?)は紫雲臺(?)にて展示いただけるとお聞きしました。専門用語の期間と場所の意味がよくわからず、説明できません。その後は、宝蔵館にて保存・展示されるとのことで、光栄なことです。屏風もわが家を脱出し嬉しそうに見えましたし、しかるべきところに展示される姿は威厳があり見違えました。

お世話になりました監院老師、知客(しか)老師、宝藏館館長老師の皆様に感謝申し上げます。

 

ご寺院のHPにも掲載いただきました。

https://www.sojiji.jp/info/2026/09/01/7467/