メキシコ・ペソの動きがこのところ緩慢である。 昨日も米国 3月消費者信頼感指数が 2月の

111.2 から107.2 へと低下したこと。 また 米国 1月住宅価格指数が ▲ 0.2 % と、

2001年同指数が導入されて以来初めてマイナス成長となったことを受け、今後のメキシコ

経済の鈍化を連想。 メキシコ金融市場のみでなく、中南米諸国全体の足かせとなる予測が

広がり、南米通貨の売り材料として波及した。

また今年夏から秋の問題点として、ハリケーン襲来の予報が最近各所から報告され始めている。

2005年 810億ドルの大きな被害を出したハリケーン 「カトリーナ」 が有名であるが、今年も

ガルフ湾に約 15~20個のハリケーン発生が予測されており、うち数個は巨大ハリケーンと

されている。  これは米国のみならずメキシコにとっても大きな問題となりそうで、完全上陸

した場合、昨年トマト価格が暴騰し、 CPI が 3.0 % 台から 4.0 % 台に跳ね上がった

ように生鮮食料品の価格上昇を招きそうだ。 さらにカトリーナ上陸時には石油採掘設備を

破壊した経緯もあり、しいては原油価格の上昇を招く反面、採掘減少に伴うメキシコ歳入減に

働く可能性もありそうだ。

一方昨日のメキシコではポジティブなニュースも出ている。 一昨日下院を通過した国家公務員

年金改革法案が、上院財政委員会において 12 対 5で可決している。 この法案は公務員の

年金需給年齢引き上げを主としており、今後上院全体の承認が必要。

カルデロン大統領はこの法案可決に対し、「財政赤字削減策の一環であり、次はエネルギー

および個人・法人税法案改革に着手し、一層の財政赤字削減を達成しなければならない」と述べ、

さらなる財政健全化を目指すとしている。

                                            - to be continued -




上から ↓


メキシコ債券市場は終日軟調であったものの、当日実施された 10年メキシコ国債入札は、

  

メキシコ国債落札結果

平均利回り

応札額 (Bil)

落札額 (Bil)

倍 率

10年債

MBONO

7.25%

12-15-2016

7.65 %

13.14 Bil

4.8 Bil

2.74 倍

2月に同一銘柄入札実施時よりその落札利回りが 34 bp 低下していたものの 2.74 倍の

落札倍率を集めるという好調な結果を示した。

ただ既発債市場の 10年債利回りはメキシコ・ペソ安が災いし、利回り 7.66 % と、前日比

5.0 bp 金利は上昇して引けている。

米ドル / 対  円

117.95円

- 0.20

02年国債

7.40 %

+ 2.6 bp

Mペソ / 対  円

10.66円

+ 0.06

10年国債

7.66 %

+ 5.0 bp

Mペソ / 対米ドル

MXN 11.061

- 0.041

原油価格

$ 62.93

$ + 0.02

Mペソ / 対ユーロ

MXN 14.769

- 0.080

金 価格

$ 668.80

$ - 1.40





週明けのメキシコ金融市場、米国 2月の 新規住宅販売が 84万 8,000戸と 2000年

6月以来の落ち込みを示し、今後の景気後退が色濃くなってきたことから、メキシコ経済も

鈍化するとの見通しが台頭。  通貨・株式とも売りが先行し、メキシコ債券市場も同一

歩調を取ってしまった。

同時にオルティス・メキシコ中銀総裁が新聞社とのインタビューで、「過去数ヶ月のトウモロコシ

価格の上昇が、賃上げ交渉とインフレ見通しに懸念している。 最近国内サラリー上昇率は

非常に高く、またエコノミストの経済見通しも インフレ期待が強まってきている」とし、先週

金曜日に開催された政策決定会合後に述べた、「国内物価が下落傾向に転じたとしても、

インフレの兆候が残るのであれば利上げに転じる」と会見で述べた考えを補足するような

考えを示した。

3月のコア CPI は前月比 + 0.41 % と 2月の + 0.50 % から 5ヶ月ぶりに下落に転じた

ものの、年率で + 4.1 % と中銀ターゲットの + 4.0 % を上回っている。 また昨年上半期

+ 3.0 %台前半で推移していた CPI は、夏場のハリケーンの影響でトマトなどの生鮮食料品が

高騰。 9月一気に 4.0 % を越えた後、今年 1月 3.98 % に下落したことを除き、ほぼ

4.0 %台が定着。 メキシコ中銀はなんとか 3.0 %台の水準へと誘導したいようだ。

また先週開催された政策決定会合のあとに発表になったメキシコ中銀のステートメントでは、

食品価格やその他諸物価にインフレを示すような兆候は無い。 しかしながらインフレ

そのものがレンジ内であっても仮にリスクが残るなら、中銀として適切な措置を講じる場合が

ある」とし、「現在注意深く両悪のリスク・バランスを注視している」と述べている。

一方メキシコ経済に関しカルステンス蔵相は先週、「昨年第 4四半期の GDP は + 4.3 % 。

今年第 1四半期は + 3.5 % と穏やかな鈍化となり、今年全体で + 3.6 % となりそうだ」と

発言。 同様に中銀ステートメントでも、「メキシコ経済は、緩やかな下落を辿る兆しが見え

始めている」とのべていることもあり、CPI の高止まりがこの先続かなければ現行金利の

維持を採りそうだ。

昨日のメキシコ債券市場、上記オルティス総裁の新聞記事や米国株式不振から来るメキシコ

金融市場の先行き不安で一服感。  2年債で 2.5 bp、10年債は約 5.0 bp 打ち込まれて

クローズ。 

 

米ドル / 対  円

118.15円

+ 0.05

02年国債

7.40 %

+ 2.6 bp

Mペソ / 対  円

10.72円

+ 0.03

10年国債

7.66 %

+ 4.9 bp

Mペソ / 対米ドル

MXN 11.020

+ 0.002

原油価格

$ 62.91

$ + 0.63

Mペソ / 対ユーロ

MXN 14.689

+ 0.002

金 価格

$ 663.90

$ + 6.60



昨日のメキシコ金融市場は、ペソの上昇 国内債券金利の大幅下落となり、メキシコ金融

市場は大活況の一日となった。  この大幅買い越しとなった要因として、下記のような

いくつかの好材料がでてきている。

1) FOMC声明文

3月 21日の米国 FOMC 開催後に公表された声明文の中で、金融引き締め継続の文言が

削除されていたこと。  さらに 「最近の新興諸国の通貨と経済は米国と密室な相関関係を

持ち、非常に安定した動きとなってきた。 この結果海外から資金の流入が増え、借り入れ

コストの低下を招いている。」と述べられていたことでメキシコ・ペソの再評価が出たこと。 

残るリスクは米国経済鈍化による輸出減退ではあるが、現在のところその兆候がほとんど

見えていないこと。









                                           - to be continued -




上から ↓


2) メキシコ国内経済指標

  昨日メキシコでは、 2件の重要経済指標が発表になっている。

 

メ キ シ コ

前月比

前年比

前月比

前年比

2月

C. P. I. (Core)

+ 0.41 %

+ 4.11 %

1月

+ 0.50 %

+ 3.98 %

3月上旬

C. P. I.

+ 0.08%

+ 4.21 %

2月

+ 0.14 %

+ 4.11 %

3月上旬

C. P. I. (Core)

+ 0.16 %

+ 3.87 %

2月

+ 0.23 %

+ 3.95 %

2月

失 業 率

+ 4.02 %

1月

+ 3.96 %

  


まず 3月上旬の C.P.I. であるが、市場予測に反し非常に落ち着いた動きとなり、沈静化の

兆しが見え始めている。 特に年初、トルティーヤ価格の上昇に伴い食品価格が大きく上昇

したが、3月上旬は + 0.03 % と 2月上旬の + 0.02 % と比べほとんど横ばいとなった。

これはトマト、ジャガイモ、牛肉価格の下落が数値に寄与した。

                                              - to be continued -




上から ↓


また 2月の失業率も市場予測の + 3.96 % に対し 4.0 % 台に上昇。 米国への輸出が

頭打ちとなっていることと、国内住宅建設ブームが一巡したことにより、失業者も気持ち

上昇へと転じている。

2月 23日に開催されたメキシコ中銀 政策決定会合後の記者会見において、「 3月の

CPI が引き続き上昇していた場合、場合によって金融引き締めもあり得る」との声明が

出され、その後メキシコ金利は大幅に上昇し一時 8.0 % を超えてしまった。

しかしながら 3月上旬の CPI が前月を下回ったことで、利上げなしと見たメキシコ債券

市場は安堵感。昨日引けの 10年債利回りは 7.65 % となっている。

またロイター社によると 21名のエコノミストのうち全員が、本日のメキシコ中銀政策決定

会合で、金利は据え置かれると予測している。

3) 構造改革法案の下院通過

公務員年金改革法案に反対し市民デモが起こり、警官隊は催涙ガスで応戦する中、政府

年金システム改革法案が 313票 対 146票でメキシコ下院で可決。 国民行動党 (PAN) に

所属するカルデロン大統領はメキシコ国内第 3位の党である制度的革命党 (PRI) および

その他 3つの党の支持を受け、個人退職口座設立法案を可決した。  今後上院での

可決を必要とするが、いずれにせよ財政支出削減に働くことになり、債務削減に一歩前進。

今後労働法およびエネルギー改革法案審議・可決が執り行われることとなり、一層の歳出

削減が進む予定となっている。

4)  原油価格の上昇

4月 6日の Good Friday、 4月 8日の Easter Monday から海外諸国はいよいよ行楽

シーズンに突入するが、今年は遠出が増えると見込まれており、それを前に米国各製油所の

稼働率はすでに 86.0 % を超えた在庫積み増しに入っている。 一方ガソリン供給は

6週間連続で減少し、夏場に向けて再び原油価格の上昇が予測されている。

今年 1月 17日に一旦 1バレル 52.24ドルまで下落した原油価格は、イラン問題も含め

ジリジリと値を上げる中、上記要因で昨日は 2.08ドル高の 61.69ドルと大きく上昇。

3月 9日以来 2週間ぶりの61ドル台に昇ってきた。

世界第 9位の産油国であるメキシコは製造コストが 1バレル 50ドルが採算分岐点

(カナダは 30ドル)といわれているが、いずれにせよ原油価格の上昇はメキシコ財政に

とっては好材料となっている。

上記各ニュースが相互に補完し、昨日のメキシコ金融市場は買い一色。 メキシコ・ペソは

対ドルに対し主要通貨の中で最も上昇。 これと平行しメキシコ債券市場でも大賑わいとなり、

2年メキシコ国債利回りは 5.5 bp、10年債利回りはなんと 10 bp も落とし高値引け。

メキシコ株式市場もわずかではあるが、ボルサ指数で +39.25 ポイント上昇しトリプル高で

引けを迎えている。




おととい水曜日、オルティス・メキシコ中銀総裁が、「このところのメキシコ国内物価の上昇

(2月 CPI + 4.11 %、1月 + 3.98 %) は、インフレ圧力と賃金上昇を招く動きではない。

3月の CPI は低下傾向を示すであろう。 ただ今年第 3四半期までは + 4.0 ~ + 4.5 % と

高止まりし、8月から 9月近辺から中銀のターゲットである + 4.0 % を下回ってくるであろう」と

コメントしたことからメキシコ債券市場は急騰。 10年メキシコ国債で 95セントの価格上昇、

利回りで 12 bp もの低下を見せるというラリーの動きとなった。

昨日もその余韻が続き、朝方から堅調なスタート。 今月の CPI が上昇した場合 中銀は

利上げに走るとの予測が多かったため、市場は安堵感。 さらに 1月 鉱工業生産指数が

  

メ キ シ コ

前月比

前月比

1月

鉱工業生産指数

+ 1.4 %

12月

+ 1.6 %

1月

景気先行指標

- 0.8 %

12月

+ 0.4 %

+      1.4 % (YY) と 昨年11月に + 4.7 %を記録してから 12月 + 1.6 % に急落。 1月も

市場予測を下回る( 市場のコンセンサスは + 2.5 % ) 低水準となったこと。 さらに 1月

景気先行指標も 2ヶ月ぶりにマイナス成長となり、メキシコ経済の鈍化も顕著になり始めた

数値となってきたことから、同国債券市場は底堅い動きとなった。

                                           - to be continued -



上から ↓


さらに昨日メキシコ財務省は昨日対外債務削減のために、海外で発行された外貨建てメキシコ

債券を国内ペソ建て国債に転換するワラント・プログラムを実施した。 これはカルデロン政権に

なって初めて実施されたが、フォックス旧政権時代である昨年 総額 33億米ドルの同一転換

プログラムと、世銀や米州開銀などに対して総額70億ドルの早期借り入れ返済を完了。 

結果 2000年に対 DGPで+ 8.4 % あった対外債務は、昨年 + 5.3 % に減少。 今年も

同様のプログラムを実施することで、メキシコの対外債務は着実に減少方向に入っている。

昨日実施された転換プログラムは、総額 20.0億米ドルの米ドル建てメキシコ国債、および

5.0億ユーロのユーロ建てメキシコ国債を、国内メキシコ国債 (MBONO) 2銘柄に転換すると

いうもので、

① MBONO 9.50 % 2014年 もしくは

② MBONO 10.0 %  2024年が その転換される債券に指定された。 

メキシコ財務省によると米国はもとより、欧州およびメキシコ国内投資家 43グループがこれに

応じ、応募総額は米ドル建てが 35.4億ドル、ユーロ建てが 5.3億ユーロあり、両通貨建て

とも転換計画総額を上回り、順調な消化を見せたと述べている。 

同様の転換プログラムは、

① 2006年 09月 19日実施  2008 ~ 2020年償還の外貨建て国債を、国内債券に転換

② 2006年 10月 11日実施  2009 ~ 2033年償還の外貨建て国債を、国内債券に転換

③ 2006年 11月 07日実施  2009 ~ 2033年償還の外貨建て国債を、国内債券に転換

     と昨年からスタートし、今回で 4回目となっている。

メキシコ債券市場はメキシコ財務省による対外債権転換プログラムは、同国財政赤字削減と

平行し、メキシコ国内国債の買いにつながるとしてこれを好感。 イールド・カーブ全体に3.0 bp強

利回りを押し下げて堅調の中引けている。


米ドル / 対  円

117.55円

+ 0.45

02年国債

7.48 %

- 3.1 bp

Mペソ / 対  円

10.54円

+ 0.04

10年国債

7.81 %

- 3.3 bp

Mペソ / 対米ドル

MXN 11.145

unch

原油価格

$ 57.55

$ - 0.61

Mペソ / 対ユーロ

MXN 14.751

- 0.007

金 価格

$ 647.10

$ + 4.60

注目されていた メキシコ 2月の CPIは、

 

メ キ シ コ

前月比

前年比

前月比

前年比

2月

C. P. I.

+ 0.28%

+ 4.11 %

1月

+ 0.52%

+ 3.98 %

2月

C. P. I. (Core)

+ 0.41%

+ 3.95 %

1月

+ 0.50 %

+ 3.89 %

2月

P. P. I. (除、原油)

+ 0.39%

+ 5.20 %

1月

+ 0.26%

+ 5.14 %

2月

自動車輸出台数

+ 24.9 %

- 8.20 %

1月

- 21.8 %

- 20.7 %


                                        - to be continued -




上から ↓


ついにメキシコ中銀のインフレ・ターゲットである + 4.0 % を上回り、年率 + 4.11 % となった。

ただ季節食品と原油価格を除いたコア CPI は、+ 3.98 % とかろうじて 4.0 % を下回っている。


CPI 構成品目のうち上昇したのが衣料 + 0.45 % (1月 – 0.22 %)、教育費 + 0.32 % ( - 0.09 %)

などの家庭内必要用品。 逆にトルティーヤ価格統制で沈静化した食品価格は、 + 0.12 %

(1月 + 0.98%, 12月 + 1.35 %) と順次低下傾向を見せ始めているため、メキシコ国内の

大半の個別商品価格がじわりと上昇傾向にあるようだ。


特に 2月の 生産者物価指数 (PPI) が年率で + 5.20 % (1月 + 5.14 %) と高水準に張り

付いていることから、小売物価への影響も少なからず波及していると思われる。


2月 23日に実施されたメキシコ中銀金融政策委員会終了後、「 3月のインフレが下落傾向に

入っていなければ、場合によって引き締めも考慮しなければならない」との声明が出たこともあり、

3月 23日に発表になる 3月上旬の CPI、および同日に開催されるメキシコ中銀金融政策

委員会に注意が向きそうだ。



もうひとつ発表された 2月自動車輸出台数は、原油高や新車発表前という季節的要因がかかり

2ヶ月連続の減少となっていたが、その要因が払拭されたこともあり、前月比 2ケタ台の伸びと

なっている。

また昨日はマイナーなニュースであるがメキシコ上院で気になる動きが出ている。

法令によりメキシコ中央銀行は 5名の理事を置かなければならないが 昨年末にヤカマン理事が

任期満了で退任したため、現在1名欠員となっている。 カルデロン大統領はその公認候補に

フォックス前政権時代に財務局長であったフルタード氏 ( Mr. Carlos Hurtado ) を指名していた。

しかしながらメキシコ上院での信任投票において、 68 対 45 で昨日否決となった。 

上院スポークスマンはその否決理由として、フォックス前大統領時代に財政支出拡大政策を

採ったためと述べている。  しかしながら現在メキシコ上院では与党である国民行動党 (PAN) の

議席数が野党議席総数を下回っており、カルデロン政権に対する横槍が入ったようで今後も

同大統領の政策運営の足かせとなる可能性もある。

昨日のメキシコ債券市場 4.0 % を超えた CPI が嫌気され、発表後からイールド・カーブ全体に

小幅軟調推移。 ただメキシコ・ペソは新興諸国通貨の回復が追い風となり、対ドルで強含んで

引けている。

米ドル / 対  円

117.20円

+ 1.45

02年国債

7.50 %

+ 2.2 bp

Mペソ / 対  円

10.50円

+ 0.13

10年国債

7.80 %

+ 2.9 bp

Mペソ / 対米ドル

MXN 11.152

+ 0.037

原油価格

$ 61.64

$ - 0.18

Mペソ / 対ユーロ

MXN 14.666

+ 0.079

金 価格

$ 655.50

$ + 2.60