中南米金融市場が回復に向き始めたこと、一昨日発表された IBRDIADBへの

総額 70億ドルの債務繰上げ返済が好感され、メキシコ金融市場は終日堅調な

推移となった。

 

朝方 5月の貿易収支が発表になった。 市場予平均 + 2億ドルに対し  9,500

ドルと法益赤字の数値とはなったが市場はこれを無視。 輸出 + 24.2 %、輸入

+ 24.8 % と輸出入とも堅調。 特に原油輸出は最近の原油価格高止まりの影響を

受け、+ 40.6 % と貿易収支に大きく貢献した。

また当日開催されたメキシコ中銀政策委員会でも、政策変更なしで 7.0 %を据え置き。

声明では7 2日の総選挙が終わるまで、金融政策操作は制限すると述べられていた。

さらにインフレ見通しは当面 3.0 % を越えた水準としたが、当局のターゲットである

+ 2.0 – 4.0 % のほぼ中間地点である。

7 2日からの大統領選挙であるが、実施当日 8日前からすべてのオピニオン・

ポールが禁止されることになる。 直近の有名紙によるオピニオン・ポールは、

                    オブラドール      カルデロン     マドラッソ

                   (PRD 左派)     (PAN 右派)    (PRI その他) 

l レフォルマ紙    (06/23)  36 %     34 %     25 %

l ウニベルサル紙  (06/23) 36 %     34 %    26 %

l ミレニオ紙     (06/22) 35 %     31 %     30 %

とオブラドール氏の僅差優位となっているものの、このポイント差は誤差の範囲

内といわれており、カルデロン紙の追い込みも十分考えられる。

開票速報は 7 2 (日曜日)、メキシコ・シティ時間午後 11時から。

債券市場は終日買いが入り、10年メキシコ国債利回りは 9.15 %、前日比 24p強も

買われ、大幅高で引けた。





昨日メキシコ政府は世銀 (IBRD) および米州開銀 (IADB)がら借り入れている債務、

総額 70億米ドル ( 8,000億円強) の繰り延べ返済計画を発表した。 

最近原油や・工業製品の輸出が好調となっており、外貨準備も 767億ドルと有史以来

の水準に達し、経済が良好な新興国のひとつとしてこの繰り延べ返済も高く評価された

ようだ。

 

また昨日発表になった 6月上旬 CPI+0.07 % と市場予測であった + 0.1 %

下回った数値となったことも好材料。 年率換算で + 3.27 % となり、5 CPI

+ 3.0 % を上回っているものの、メキシコ中銀のターゲットである + 2.0 % + 3.0 %

を下回っていることに反し、昨年 8月に金融引き締め策をとったことで景気成長に若干

の陰りが見えていることもこの先健全な景気成長が見込まれそうだ。

さらに 4月の Retail Sales – 0.4 % と市場予測平均であった + 1.9 % を大きく

下回る数値。 コンピュータ、雑貨販売が伸びたものの、衣料、自動車販売などの鈍化が

相殺した。

残る課題は 7月大統領選挙。 3著名候補者の中で頭ひとつリードしている民主革命党

(PRD 左翼政党)のオブラドール氏は、低所得階層の支持を得るため、財政支出増に

よる景気拡大を公約に入れているため、直ちにということはないであろうが、将来同国

財政の歪が生じることになるかもしれない。


10年メキシコ国債利回りは 2日連続の大幅高。 9.39 %、前日比 10bp強買われ、

3日前の安値 9.76 %から 37 bpも利回りが低下している。





東欧・アフリカの市場とは反比例し、メキシコ・ペソ、債券は買戻しが入り終日堅調に

推移。 中南米諸国の株式市場が 3日ぶりに反発したことが大きく貢献した。

目先 6月末の FOMC7 2日の大統領選挙と 2つの大きなイベントがメキシコで

控えているため、手控え感が強い中、昨日はメキシコが World Cup決勝トーナメントに

進むことができ、対戦相手が決まる日でもあったため、市場関係者はなかなか仕事に

集中することができず。 ポルトガルに 2 vs 1 で負けたものの、得点差でトーナメント

出場が決まったことも少なからず金融市場に好材料。

さらにはチャベス・ベネズエラ大統領が 3桁のデノミを発表。 2008年から通貨名を

「新ボリバル」として実施するニュースも好感された。

経済指標は一昨日遅く、 6 16日時点の外貨準備高。  767.2億米ドルと有史来

の記録となり、2005年末時点から 80.5億ドル上回っている。

また 5月失業率は + 2.88 % (4 + 3.32 %) と減少。 国内消費が堅調なこと

から、引き続き低下が見込まれている。

さらに昨日米国ダラス連銀がメキシコに関する報告書を発表。 同報告書によると、

近年のメキシコは外貨借り入れが急減。 また 1994年に総メキシコ債務の 85 %

非居住者が保有していたものの、現在は改善が進み 40 % へと減少している。 

メキシコ中銀も完全独立後インフレ退治を目標に掲げ、完全に制御している。 年間の

財政赤字は  GDP比で 1.0 % を下回り、1995年から累積債務も安定推移となって

いる。 政治安定の中、残るマイナー要因として、国内教育の拡充、脱税対策、

エネルギー対策などが充実すれば、なお一層の進展が見られるであろう。

との見解を出している。

本日 6月上旬の CPIが発表になるが、市場予測は + 0.1 % ときわめて安定。

10年メキシコ国債利回りは 9.49 %、前日比 4bp強利回りを押し上げて引けた。





6 20日、米国大手債券運用会社である PIMCOは、旗艦商品である「 Total

Return Fund  に占める新興国債券の保有残高を4.5 % から 0.5 % へと大幅

減額したことを明らかにした。  しかしながら同社は、中長期的な観点から見ると、

新興国資産に対しては引き続きポジティブな見通しをとっている。 その理由として、

l 世界全体の GDPに対する新興国の貢献度は高く 50%を占める半面、購買力

平価から見た世界の債券市場に閉める新興国債券市場のウェイトはわずか

4.1 %に過ぎない。同社は今後新興国債券市場が急速に拡大すると見ている。

l 新興市場からの流失資金は再び回帰し、新興債券およびその事業債へと流入して

いくであろう。 同社の新興国市場への資金配分は、昨年の 33億ドルから今年は

82億ドルへと拡大している。

l それら新興国債券市場は現在成長の第一段階を迎えたばかりであり、今後も

ボラティリティの高まりや急速な修正があることが予測される。  しかしながら

長期的な観点から見ると、世界の投資家は景気成長に大きく期待できない先進

主要国から成長著しいいくつかの新興国市場へと資金シフトを進めるであろう。

としている。



連日の新興国株式市場の下落により、その指数が 2割以上下落した水準まで打ち

込まれたことから、中南米諸国の株式市場に買戻しが入り反発。 同様にメキシコ

債券市場でも 今週に入り一気に 40 bp以上利回りを上げ 9.65% まで記録した

10年メキシコ国債に割安感も台頭。 短中長期全般に積極的な債券買いとなった。 

目先FEDの利上げ、左翼候補者が勝っている大統領選挙など不安定材料が多いが、

堅調な国内経済に対して若干ながらも下落を示している CPIなど好材料もあり、

こと金利に関しては売られ過ぎのイメージが出始めたのかもしれない。 荒れた金融

市場となって入るが、本日のメキシコ中銀政策委員会では政策金利は据え置かれる

であろう。 下げ止まりの安堵感が少し出始めたようだ。

10年メキシコ国債利回りは 9.54 %、前日比 10bp強利回り低下の大幅高。

 なお米国フォード社、向こう 6年で総額 92億ドル ( 1 500億円)

対メキシコ投資を発表している。




米国 5 CPI、コア数値が + 0.3 %と市場予測を上回る数値となったことで、

米国債券市場が急落。 2000 12月以来の高水準に達したことがメキシコ

金融市場を直撃。 10年メキシコ国債は2日連続約 20 bp近い利回り上昇の

急落となった。 6月の FOMC、大統領選挙を控えていることに加え、昨日は多数の

負傷者を出す教員組合の大規模ストライキも加わり、不安材料が目立つばかり。

4 鉱工業生産が + 1.74 % と前月の – 1.34 % から市場予測を上回る

伸びとなったことも手伝い、メキシコ金融市場は終日不安定な展開を見せた。 

 昨日はエル・ユニバーサル紙が大統領選挙オピニオン・ポールを発表。同紙によると、

l オブラドール氏 民主革命党 ( PRD 左翼政党) 37 %

(5月下旬調査時 35 %)

l カルデロン氏  国民行動党  (PAN 与党)     35 %

( “ “ “” 39 %)

         と、昨日のミレニオ紙に続き、オブラドール氏が優位に立っている。 

さらにレホルマ紙調査でも、僅差ながらも37 % vs 35 % でオブラドール氏が

上回っている。

7営業日連続の中南米株式市場、昨日はコロンビア株式市場が 8.7 %安と前日の 10.5 %

続き、わずか 2日間で 2割もの下げを演じたことが中南米各国にこれが飛び火。 メキシコ金融

市場もその余波を受け、ペソが急落。 対ドルで 11.475 7ヶ月ぶりの安値となった。



現在メキシコのファンダメンタルズは決して悪くはないものの、 7 2日に予定されている

大統領選挙がネックとなっており、それまでは手控え感が強いこと。 またワールド・カップに

目が行っていることも市場の流動性を小さくしている要因となっているようだ。

さらにメキシコ日刊紙、ミレニオが実施した大統領候補のオピニオン・ポールでは、

l オブラドール氏 民主革命党 ( PRD 左翼政党) 34.2 %

l カルデロン氏  国民行動党  (PAN 与党)     31.0 %

l マドラッソ氏          (PRI  中道右派) 29.6 %

         と、左翼政党の人気が高まっていることもネガティブ要因。 悪材料ばかりが

目立った一日で、10年メキシコ国債利回りは 9.45 %、前日比 28bpもの利回り上昇となってしまった。




最近の新興市場の売りがメキシコ・ペソを 19ヶ月ぶりの安値に導いており、対円でも 1ペソ 

10円丁度を上下。 米国経済の減速からメキシコの対米輸出の減少もペソ売りの材料となって

いるようだ。


一方債券市場は 628-29日の FOMCで再び利上げが実施された場合、その影響を受け


10年メキシコ国債利回りは 9.5 %近辺にまで達するとの見通しもあり、完全に米国市場を

にらんだ状態。 他の新興市場と同じく、最近の市場からの資金流失がメキシコ債券・為替

市場の頭を重くしている。


投資家の目は明日発表予定の米国 5 Retail Salesに注目。 市場コンセンサスは + 0.1 %

(4 + 0.5 %) であるが、これを下回るとペソ売り材料となる可能性もある。


10年メキシコ国債利回りは 9.17 %。 前週末比ほとんど変わらずで引けている。



メキシコ債券・為替市場は終日落ち着いた動きに終始。 前日発表になった 5 CPIが前日比 

-0.45 %と下落に転じていたことで、メキシコ中銀のインフレ・ターゲットである 3.0 % と年率の 

CPI 3.0 %と上限に並んだことで現行 7.0 % の政策金利引下げ余地が予測されるように

なってきた。  1994 4 1日にメキシコ中銀は完全独立した後、同金融政策委員会は毎週

金曜日に開催され同日にその結果が発表されている。


現状新興市場の混乱がまだ続いていることと、7 2日の大統領選挙を目前に控えているため、

当面様子見スタンスのままであろうが、債券・為替市場ともその可能性は十分認識され始めた

ようだ。


メキシコ・ペソは対円で一時的に一ケタ台まで打ち込まれた後、引けは 10.04円と再度 2桁台に

戻している。


10年メキシコ国債利回りは 9.14 %、前日比 3bp強利回りを押し上げたものの、 2年国債は 

7.63 %と前日比変わらずで引けた。



メキシコ債券・為替市場も引き続き軟調。 先週末から今週にかけての 3日間、 10年メキシコ

国債は 18 bp利回りを押し上げる急落を見せた後、水曜日に自立反発。 7bp回復を示した

ものの、再度打ち込まれた。



昨日発表になった メキシコ 5CPIは、構成品目の 25 %を占める住宅関連価格が 1.87 %


下落したことを受け、総合指数で – 0.45 %のマイナスと有史以来初の前月比大幅下落と

なった。 (食品・エネルギー価格を除いたコア 5CPI + 0.15 %, 4 +0.37 %)なったものの

材料視まではされず。 引き続き世界新興金融市場が脆弱な推移となるのであれば、10

メキシコ国債の利回りは今月末に 9.30 %程度まで上昇する可能性が残されている。


ただ 7 2日の同国大統領選挙が終われば政治的リスクが払拭されるため、現行の CPI


低下を考慮すれば、メキシコ債券市場にとって好材料となりそうだ。



10年メキシコ国債利回りは 9.14 %、前日比 4bp強利回りを押し上げて引けた。