tomarigi
富国生命の見学後、デザイン番長とikasamayaさんのお二人を向かいのビル内のスカイロビーにご案内。
僕自身も久々の訪問。
オランダから帰国中の梅原さんも見学に来てくださっており、ご挨拶することが出来ました。
老若男女問わず、各々好きな座り方をしてくれており、非常に良い使われ方をしており一安心。
デザイン番長からかなりお褒めの言葉をいただくとともに、放っておいたらパクられるから、早くパテントとっておけ、との指示が。。。
さっそく、手配いたします。。。
いったん、解散して、京都に帰ろうとするも、せっかくなのでということで、
デザイン番長と二人で、スカイロビー内のバーへ。
夕方4時からビールで乾杯!!!
明るい時間のビールのなんと美味いことか。。。
富国生命ビル
大阪梅田に完成した富国生命ビルのお披露目会に参加してきました。
![だから構造家は、楽しい。-既に誰でも撮影可能な外観](https://stat.ameba.jp/user_images/20101019/23/mscblog/c5/44/j/t02200146_0800053210810834112.jpg?caw=800)
コンペを経たドミニク・ペローによる基本計画。
清水建設が設計・施工。
雑誌発表等もあるでしょうから、既に誰でも撮影可能な外観のみの掲載に留めておきます。
どこまでがペロー事務所でどこが清水なのか、細かい線引きは良くわかりませんが、非常に良い建物でした。
建物外観をデコボコさせただけ、というようなシロモノではございません。
見せていただいた部分が、基本階、建物東側にある地下2階からのアトリウム的部分、1階エントランス、屋上、の4箇所ではありましたが、特にメインであるアトリウムとエントランスは素晴らしいの一言。
that's 建築。
低層部分は、構造的には吊ってるのかフィーレンディール的に解いているのか不明快で、どちらかというと変形の調整程度に丸柱を使っている感もあり、やや強引な解き方をしてしまっている印象ではありますが、「まぁ、仕方ないのかな」という感じです。
柱を落としたくなかった箇所が明快すぎたのは事実です(笑)。
でも、あのアトリウムは「上手い」ですよ。
(構造がそれだけ我慢してるのだから建築として上手く作ってないと可哀想だ。)
何が上手いかというと、空間ボリュームの適切さがまずあるのだけれど、形態的に壇状に徐々にズレていく段差部の構造がかなりマッシブになってしまっているところを底面をミラー貼りにしてさらに白のストライプで処理しているところなどはテクニックそのもの。
その結果、見上げた際の複雑さが、そもそもの形態の複雑さなのか、外壁のガラスのでこぼこの複雑さなのか、構成の複雑さなのか、ごちゃごちゃのままで、要素の差を全く感じさせず等価に扱っている。
ついつい、シュッと綺麗にまとめてしまいがちな日本人とは違う感性が出てる気がしました。
ここは是非、実物を見ていただいて感じて頂きたいところ。
そして低層部で全般的に用いられている天井仕上としてのエキスパンドメタル。
エキスパンドメタルをの端部を切りっ放しにするのではなく、あえて一つ一つ丸めていることで、畳のような柔らかさが出ています。
南面のエントランス正面壁のメタルリックな仕上げもまた良し。
なんとなく「石でも張っとけ」で済まされそうな部分がそうはならないあたりもペロー流か。
ここら辺もまた、自由に出入りできる箇所だと思いますので、是非現地にてご確認ください。
個人的には最上階(というよりも屋上)のヘリポートや外壁を支える亜鉛めっきどぶ付けの鉄骨フレームが好きでしたが。。。
特にH300x300の列柱は気持ちのよいプロポーションでした。
(ひととおり雑誌発表等がすめば、ここにこっそりUPしますのでしばしお待ちを)
とりあえず、今年度の暫定1位にランクイン。
(この後に今年の大本命、豊島美術館が登場しますのでね。。。)
JSCA構造デザイン発表会
JSCA構造デザイン発表会に参加(発表)してきました。
JSCAから案内が来たときは、ガチに建築というよりは、構造エンジニア独自の視点で成果を挙げたものの方が喜ばれそうな雰囲気だったので、『盲目のクライマー/ライナスの散歩』、と『梅田阪急スカイロビーベンチtomarigi』の2作品を提出したのだけれど、一人1作品まで、と後から連絡が来たため、新建築9月号で発表できたtomarigiを渋々取り下げて、ライナス について発表してきました。
建築学会大会の1セッションぐらいの規模だろうとたかをくくって行ってみたら、立派なホールでの発表でややあせりましたが。。。
延べ、400人超の聴講者だった模様です。
発表では、単に作ったモノの説明をするだけでなく、そのプロセスというか、デザイナー(京都芸大の先生方)と我々の作業の分担がどういう状態であるのがプロジェクトとして最適であるか、ということを考えながらやった経緯や、その内容についても語りつつ、実際のモノのディテールについて、サンプルを持参して説明するという2段構えで発表。
全発表(38題)の中で、佐藤淳さんと僕だけが、建築以外のアート系展示作品について発表するという外様な感じだったので、浮いてしまうんじゃないかと心配してましたが、セッションのコメンテータの金箱さんや具体的に質問してくださった新谷さんといったアトリエ系の大御所の方々ほか、大手ゼネコン・組織設計の方々からも「面白い」とコメントいただき、一安心。
特に、ディテールのサンプル(1分の1サイズの切れ端)を持参して、接着剤を用いずとも、金具を用いた圧着により、それなりの一体化が可能であることを体感的に示せたことが好評につながった模様。
昼休みは、佐藤淳さんと近くのカフェでランチ。
大学のことや事務所のことなど、いろいろ意見交換。
ヴェネチアのこともかなり突っ込んでお話を伺うことができた。
事務所の立ち上げという意味では6年も先輩で、実作でも3歩も4歩も先を行っている方であり、大いに刺激を受ける。
アーキフォーラムでの講演依頼もご快諾いただけた。
詳しくは近日発表できるかと思います。
夜は、懇親会。
隣に金箱さん、前のお二人がJSCAの会長さんと専務理事さん。緊張で酔えませんわ(笑)。
随分遠い存在の方ではあったが、同じテーブルでお酒が飲めるのもめったに無い機会。
根本的に立場の違う方々と思ってはいたけれど、それでもトータルで構造エンジニアの置かれた立場について考えてくださっていることは伝わってきた。
金箱さんとも細々とじっくりお話できたのも収穫。12年前、就職活動の頃に事務所へ伺ったこともきちんと覚えて下さっており、恐縮。
以前、さいたまアリーナのインタビューの際に間に立ってくださった北海道日建の山脇さん、何かとお世話になっている竹中の大畑さんなど中堅世代の先輩方などとも久々にお話でき、たまにゃぁ、東京に出てこういう会に参加するのも勉強になるもんだと実感。
もちろん、関西でも、ではあるけれど。
ま、ぼちぼち頑張っていきます。
アーキフォーラム難波和彦講演会
- 9月25日(土)は毎月最終土曜日恒例のアーキフォーラムです。
早いもので第6回。今回は講師に難波和彦さんをお迎えいたします。
講演タイトルは
『建築家は住宅で何を考えているのか』
難波さんと言えばやはり「箱の家」シリーズ。
すでに100棟近い竣工を数え、設計段階のものでは既に140番台に突入している、というその圧倒的な数字が意味するものは何か?何がその数字に至らしめているのか?
実は僕自身も、佐々木事務所在籍時に構造の担当者として「箱の家」の設計に携わらせていただきました。
担当者として関わったものや、中間管理職として後輩担当者の内容を見ていたものを界工作舎のホームページで振り返ると、その数は10棟以上。その一つ一つは、やはり違うモノなのです。
単なる思い出話ではなく、生な体験に基づく「箱の家」観について難波さんに質問しつつ、
会場の皆さんと一緒に
「誰がために建築は建つか」
について考えていければと思っています。
また、今シリーズ僕と一緒にコーディネータを務めている山口陽登さんは、難波さんが大阪市立大で教鞭をとられていたときの研究室出身者でもありますので、彼もまた当時の生の体験に基づいたコメントを発してくれるのではないかと思います。
(と自分たちのハードルをあげてどないするねん。。。)
講演当日の理解を深める上で予習に適した本は何かと言われると、
建築の四層構造――サステイナブル・デザインをめぐる思考 (10+1series)/難波 和彦
- ¥2,310
- Amazon.co.jp
や、講演タイトルと同じ題名の
- 建築家は住宅で何を考えているのか (PHP新書 545)/難波 和彦
- ¥1,470
- Amazon.co.jp
あたりではないでしょうか。
また、僕はまだ読めていないのですが、最新刊である、
- 東京大学建築学科難波研究室活動全記録/東京大学建築学科難波和彦研究室
- ¥3,045
- Amazon.co.jp
や、
- 建築の理(ことわり) 難波和彦における技術と歴史 (-)/難波和彦
- ¥2,310
- Amazon.co.jp
の2冊もあります。
なお、これら最新刊2冊を含めた難波さん関連の書籍は、当日会場でも販売予定です。
会場はTOTOテクニカルセンター大阪
時間は17時~19時(開場は16時半)
です。
(詳しくはこちら )
皆様のご来場をお待ちしております。
アーティスト・トーク
清澄白河のhiromiyoshii galleryにて開催されております
『超都市からの建築家たち/Architects from Hyper Village』展
の関連イベントであるアーティスト・トークの第三弾に出演します。
アーティストっていうガラじゃないんですけれど、出展者の一人ということで参加します。
五十嵐淳さん、吉村靖孝さん、徳山知永さんと私の4名での出演となります。
(吉村さんとは、アーキフォーラムに続き2週連続のおしゃべりとなります。)
日時:9月4日(土) 18時~20時
会場:hiromiyoshii
よろしくお願いいたします。m(_ _)m
ちなみに第一弾・第二弾の様子はこちら 。
アーキフォーラム吉村靖孝講演会
今週土曜日(8月28日)は、アーキフォーラムです。
今シリーズの第5回目です。
講師は吉村靖孝さん。
演題は「ダブルテンポから中川政七商店まで」
そうです。月曜日(23日)深夜に関西地区で放映されたばかりのタモリ倶楽部に出演されていた吉村靖孝さんです。
同じ週にタモリ倶楽部とアーキフォーラムの両方に出演、という快挙を成し遂げたのはおそらく吉村さんが初めてでしょう。
と、あんまりこういう書き方をすると吉村さんにおこられそうなので、タモリ倶楽部ネタはこの辺にしておきますが。。。
さて、今シリーズのアーキフォーラムのシリーズテーマは
「誰がために建築は建つか」
なのですが、当然のことながら、建築主(俗にいうところの、お施主様)あっての建築でもあります。
従いまして、通常の場合、竣工直後、建築物は建築主のモノとなります。
設計者も施工者も、基本的に建築主がオーダーしたものを設計し施工するわけです。
では、設計者や施工者は、建築主にあごで扱われ、ヘコヘコしていなくてはならないのか、といえば決してそうではありません。そこには、プロと素人(建築をビジネスにしている建築主を除く)という関係があり、プロの良識をもって建築主を導かねばなりません。
建築主・設計者・施工者のトライアングルのバランスが悪ければ、決して良い建築は生まれませんし、建築はあるインパクトをもって立ち上がるので、その三者だけで満足するようなものであっても駄目で、その周りにも意識が向けられていなければなりません。
実は、今回のアーキフォーラムでは、吉村さんの最近の代表作である
奈良の中川政七商店の中川淳社長にゲストコメンテータとして参加していただきます。
中川政七商店新社屋は、完成してまだ半年もたっておりませんが、
すでに、日経ニューオフィス賞やJCDデザインアワード銀賞を獲得し、現在審査中のグッドデザイン賞の2次審査にも進出中、と非常に高い評価を得ている建築でもあります。
こうした評価は、もちろん吉村さんの設計の良さあってのことですが、だからといって、設計者のアイデアだけで獲得できるものではないと思うのですね。それに、アイデアを導くヒントのいくつかは必ず建築主が出しているはずですし。
そうした諸々のこと含め、建築主の話も聴いてみたい!
と中川社長にゲスト出演を依頼した次第です。
正直、建築家にとって、建築主の前で講演するというのはやりにくいことだと思うのですよ。
話せること、話せないこと、ってあると思いますし。
ともすると、建築主が問われる、ということにもなりかねません。
第1回の中山さんの時のゲストも建築主だったわけですが、中山さんも、最初は「えっ?」という感じでしたので。
でも、そこをやってしまうのが、今シリーズのアーキフォーラムでもあります。
今現役で設計をしている人、これから設計者になろうとしている人、だけでなく、これから建築主になろうとしている人にも聴きに来ていただきたい。
そして聴きに来て良かった、と言ってもらえる回にしたいと思っております。
皆様のご来場、お待ちしております。
会場や時間など詳しい情報はこちら 。
盲目のクライマー/ライナスの散歩 -解体-
生存のエシックス展が終了。
盲目のクライマー/ライナスの散歩
石原友明+中原浩大(京都市立芸大)
(設計・施工協力:建築商会+満田衛資構造計画研究所)
いったい、延べ何人の人がこの上に登ってくれたのだろうか。
特に事故もなく、好評のうちに役目を終えてくれたことに、ホッと一安心。
さて、展覧会終了とともに我々もお役御免、というわけには参りません。
この作品の場合、接着剤を使用せず金具だけで接合、というのが一つのポイントでして、それは即ち、
元の三角形の合板だけの状態に戻せる
ことがポイントで、要するに
きちんと解体作業を終えるまでがプロジェクト
なわけです。
というわけで、本日は朝から解体作業。
![だから構造家は、楽しい。-解体作業中](https://stat.ameba.jp/user_images/20100825/04/mscblog/53/2f/j/t02200146_0800053210712215784.jpg?caw=800)
京都市立芸大の学生さんたちが頑張ってくれて、2時間もせぬうちに解体完了。
作るときは2日半かかりましたが、あっさり過ぎて拍子抜け。
しばらくは京都芸大にて保管され、次の出番を待つことになります。
今回展示したこのフィールドは再利用可能なシステムというだけではなく、無限に拡張可能なシステムでもあるので、今回のパーツを使いつつ、新しいパーツを追加・更新し続けることで、毎回少しずつ違った形態で展示されていくことが実証されていけば、協力した我々としてもなお満足です。