シラバス
4月から、とある芸術系の大学で、非常勤をすることになりまして、
そのシラバスを書くことになりました。
全15回(実質12回)の授業。
1.ガイダンス
2.「釣り合う」ということ。<綱引きとシーソーの違い>
3.「建物の重さ」を求める。<1+1=2という原則>
4.「床の支え方」を考える。<柱や梁の存在する理由>
5.「固さ」と「強さ」の違い。<剛性と強度>
6.「圧縮」と「引張」と「曲げ」。<部材に発生する応力とその種類>
7.「梁の断面寸法」を決めてみる。<梁断面に必要な性能>
8.「柱の断面寸法」を決めてみる。<柱断面に必要な性能>
9.「地震に耐える」その耐え方。<ブレース(壁)構造とラーメン構造>
10.「鉄・コンクリート・木」 <建築を構成する材料について>
11.「細い」と「太い」、「薄い」と「厚い」、・・・。<デザインと構造設計の関係>
12.「建物の作り方」 <一般的な施工の手順や技術の紹介など>
13.「免震」と「制振」 <最新の技術紹介など>
14.予備日
15.予備日
工学部ではなく芸術学部の学生なので、どこまでついてきてくれるでしょうか。。。
将来、建築家になっても恥ずかしくないよう、原理原則を中心に教える予定です。
京都-バルセロナ
バルセロナの伊東事務所スタッフと打ち合わせ。
WebCameraとWindows Live Messengerを用いたビデオ会議。
非常にクリアな音声と映像で相手の顔を見ながら打ち合わせ。
まったくもって便利な時代です。
これまでも都内の事務所同士で何度か用いてきましたが、京都-バルセロナ間でやっても、何の違いもありません。
つまり、距離は時差以外の意味をもちません。
ビデオ会議だと、カラー映像つきなので、話ながら不明瞭な点があれば、その場でスケッチを書いて、即、確認可能。
いったん電話を切って、FAXで絵を送って、再び電話で話しをする、ということは今でもやっていますが、情報の精度が格段に違います。
しかもインターネットに接続さえできていれば、エクストラの料金は無し。
使い放題でインターネット接続している人間からすれば、国際電話を映像付で無料でしている状態。
ちなみに、本日購入したWebCameraは130万画素の上位機種でありながら、5980円。
一晩飲むよりも安い値段です。10年前では有り得ない話。
そいつをパソコンにUSBで接続するだけ。設定も簡単。
結局のところ、直接顔をつき合わせての打ち合わせには、かないっこないわけですが、それ以外の打ち合わせ方法のうち、これ以上の方法は、今のところ見当たりません。
妙ちくリンな課金システムが導入されない限りは、近い将来にはこれが標準仕様になることでしょう。
それに対して、
「わざわざそこまでしたくない」という意見もあるかとは思いますが、
おそらく、携帯電話の黎明期によく聞いた
「外にいるときにまで、電話に振り回されたくない」
という言葉に近いモノなのでしょう。
研究中間発表
朝から大学
ひたすら夕方の研究中間発表会のための資料作り。
ジタバタしても仕方ありません。
「こうしたい」という目標はあっても、実際に進めていない(具体的成果がない)のだから、その核心部について話すしかないのです。
これまでの7年半の実務で感じたもどかしさについて、何がもどかしいのかを整理しました。
10年前に比べ、はるかに発達した現在の計算機環境において、何が可能かを真剣に考えています。
16時15分から発表。3人のうちのトップバッター。
今の計算機環境にふさわしい設計法とはこうあるべきである、ということをひたすらに述べる。
一つのプロジェクトにおいて制約条件などが最初から最後まで同じであり続けるわけなどないことを考えれば、制約条件を最初に規定してしまう多目的最適化問題が建築の設計には不向きな手法であるということに、なぜ頭の良い人たちが気づかないのか?
という疑問を持ち始めてはや5年。
ようやっと、そうした人々にそのことに気づいてもらえるのではないか、という実感が湧いてきました。
最新のトレンドを追い続けていると思い込み続けると、気がつけば、随分と時代遅れな状況においやられてしまう。
今はそんな時代です。
方法論に終始してしまったせいか、発表に対しては厳しい質問もなく、終了。
この状況は発表のあり方としては本当はよろしくありません。
次回からは、もっと深い議論が交わされる内容となるよう務めます。
他の2人の発表(木造柔床建築物の振動特性、乾燥砂地盤の強振動時の群杭効果の特性)も興味深い内容のものでした。
人のプレゼを見ていると、自分のプレゼがいかに技術的に下手であるかということにも気づきます。この点も次回以降の課題。
18時半セミナー終了。
終了後、教授室にて、今後の展開について話。
研究室に戻ると、机の上に「M研M助手へ連絡して下さい」とのメモ書き。
M助手室を訪ねると、西宮市内に建設予定の倉庫の設計の相談。
中に収蔵する品の特徴を外部に装飾的に表現しようとしている。
複雑に考えぬよう、外装と本体を切り離して考えた方が良いと助言。
20時すぎ終了。
森田事務所に1通のメール送信後、20時半に大学を出て、桂から阪急電車に乗り梅田へ。
21時半梅田着。大学時代のサークル仲間とミニ忘年会。
23時45分解散。阪急は終了のためJRで京都へ戻る。
京都の夜は「小型のゾウさん」に限ります。
この意味がわかるあなたは真の京都通。
世田谷区民会館
今日もまた子供のダンスの発表会。
どっちかというと今日が本番。
会場は世田谷区民会館。
設計:前川國男
竣工:1959年
古けりゃ良い、という短絡的な発想は嫌いですが、良い歳のとり方をしている建物だと思います。
いろいろな手直しが加えられており、丁寧に息長く使い続けていこうという感じが伝わってきます。
正方形の柱割をさらに均等3分割した格子状の小梁。
均質グリッドも捨てたもんじゃありません。
基準法や学会RC計算規準も時代とともに変遷しているから、今これと同じものを、というと簡単にはいかないかもしれないけれども、この時代の小気味良いちょっと小ぶりのRC部材寸法は、個人的には非常に好きです。
ホワイエ。
後から付いたと思われる手前スチールの階段がちょっと残念。
あ、もちろん、子供の発表会は良かったですよ。
同じチームには小学生など違う学年の子もいますし、それだけをしに集まってきているチームなので
幼稚園の運動会のお遊戯とは根本的にレベルが違います。
ダンス教室に行かせる、という話しを嫁さんから聞いたとき、最初は「どうかなぁ」と思っていましたが、
単にリズム感や運動能力を養うだけでなく、周囲とも動きのレベルやタイミングを合わせなければいけないし、協調性や向上心も養われるようなので、子供のお稽古事の一つとしては、十分に褒められるものではないかと感じました。
まだ小さいので、必死に塾とかでお勉強させるよりは、僕はこっちの方が好きかなぁ。
manga展
朝9時過ぎに家を出て、千歳船橋の地区会館にて子供のダンスの発表会。
義父も観に来てくれていたこともあり、昼間から梅ヶ丘の美登利寿司にて寿司+酒三昧。
夕方から表参道のスパイラルへ行って、manga展のクロージングパーティーに参加。
この1年へうげもののためだけに、モーニングを読み続けていた身としては、
グッドタイミングなイベントでした。
マンガの山に詰まれた25周年号は、最後お土産に頂きました。
先日竣工したKNOTを設計したスープデザインがこの展覧会の展示を担当していたこともあり、そのご縁で参加させていただきました。
隈事務所のさやかさん、大林のせつ君、大成の賢クンなど大学時代の同級生たちとも会えました。
皆さん、頑張ってます。
今月は締め切りオンパレード月間なので、あまり無茶せず、まっすぐ帰宅して翌日に備えました。