IwanBaanさん
岡田さん、山崎さんご家族とご一緒に
オランダ人写真家のIwan Baan さんが来所。
祇園祭りを楽しんで行かれました。
彼が最近撮影してきた、トレド美術館や多摩美大図書館の構造の基本設計を僕が担当していたことを知って驚かれていましたが、こうして京都の僕の事務所を訪れてくだすったのも、きっと何かのご縁だと思います。
北京のスタジアムや定期撮影を行っているCCTVの最新写真などを見せてもらった上に、DVD写真集やdomus中国語版などをお土産で頂戴しました。
どうもありあがとうございました。(謝謝)
多摩美大図書館 -オープン記念式典-
京都駅7時26分ののぞみに乗り、途中新横浜乗換えで、多摩美術大学へ。
10時半到着。
和歌山や奈良の南部へ行くよりも『近い』と感じてしまいます。
多摩美大の八王子キャンパス整備事業完成と新図書館のオープン記念式典に参加。
現場に足を運んでいたころと違い、バス停が新設されていたりするなど、キャンパス全体が整っていました。
式典では、
港千尋さんのコーディネートによる伊東豊雄さんと中沢新一さんの対談が面白かったです。
中沢さんの歯の浮くような持ち上げっぷりには、伊東さんもちょっと困惑気味でしたが。。。
伊東さんを除くお二方は、建築についてはいわゆるプロではないわけだけれども、デザインであったり都市というものに対して、一家言あるわけで、そうした方々の言葉からは、色々な気づきをいただけます。
門外漢でお気楽と言ってしまえばそれまでなのかもしれませんが、逆に、目の前の仕事をこなすことにおわれ、建築界におけるルールや常識・慣習にとらわれすぎていると、気づけない視点があるのは確かなようです。外からのハイレベルな視点とでも言っておきましょうか。
昼からのパーティーでは、また色々な方と出会うことができました。
パーティー後は、布の安東さんやスープの土井さんらと共に、ボストークの乾さんについていったおかげで、中沢さんの文化人類学研究所や港さんの研究室にもおじゃますることができました。
この大学には、とても面白い方々が、これでもか!!、というくらいにたくさんいらっしゃることを知りました。
最後に皆で図書館を見学。
今日は多くの学生が利用しており、4月初旬に見学にきたときよりも、よりこの図書館が活き活きとしていました。
低くカーブする書棚、傾斜のある床面上のマグテーブルなどは、本の所在を認識させるには、凄く優秀な手段ですね。藤江和子さんの家具も素敵でした。
使い甲斐があり、働き甲斐もある図書館、というのはこういう図書館なのだろう、と感心するとともに、その基本設計に携わることができたことに改めて感謝です。
非常勤講師講義録
非常勤講師をはじめてから、はや8回の授業が済みました。
大学受験で数学や物理などを経験していない芸術学部の学生ですから、構造の授業は敬遠されるものだとばかり思っていましたが、思いのほか出席してくれています。
履修登録者24名なのですが、ここのところ2週連続で、欠席は2名のみで、出席率は9割を超えています。
今週のテーマは、
「梁の断面を決めてみる」
です。
スパン6mほどの簡単な平屋鉄骨造の例題を通して、「強さ」と「剛さ」の条件から梁断面を決める方法を教えました。
前者については、曲げモーメントの計算を行い、必要断面係数を求めさせ、
後者については、たわみ量の計算を行い、必要断面2次モーメントを求めさせる。
そして、その両者を満たす断面を、いわゆる赤本などのカタログから選べば、それで設計は完了。
本日の例題では
広幅H200x200
もしくは
細幅H250x125
が答えとなります。
と、まぁ、ここまでは一般的な授業。
両者を満足する解は、カタログの中に、いくつもあるのだよ、ということを知り、
その中から、たった1つの答えを決めなければいけない、その決断こそが設計、
ということが今日の授業のポイント。
まず、梁せいを小さくしたいなら、広幅のH鋼を使えばよいし、経済的にしたいなら細幅のH鋼を使えばよいということに言及。
さらに、例題の梁の総長さから、上記の2つの答えの違いで、実際に何キロの鋼材料の差が生じているかを算出。
材料トン単価を示し、それが具体的に何万円違う結果になっているかということを黒板で計算。
つまり、設計者のさじ加減でデザインの内容と金額が同時に変わるのだという設計の基本事項を教える。
また、梁のピッチを細かくしていけば(=梁の本数を増やしていけば)、梁1本あたりに必要な断面2次モーメントや断面係数が小さくなるので、H200→H175→H150と梁せいをどんどん落としていくことも可能であることも教える。
(もちろん、それと同時に鋼材量も増えていくことも教える)
そして、その究極がH鋼を隙間なく並べたのと同じ両面鉄板の形式であり、その代表がせんだいメディアテークであることも解説。
H150の場合が答えとしてもありうることを示したので、鉄骨造であれば、梁せいとスパンの比率が1対40くらいまでであれば何とか頑張れるもんだよ、と教える。
設計演習で模型を作るにしても、これくらいの比率にしておけば、そこそこ見ためにもかっこよいプロポーションであるし、実際に(ちょっと高いけれども)何とかなるレベルのことだということを伝えた。普通にやるなら1:30以下は守れとも。
と、同時にこれ以上にスリムな比率のものは、相当に極みの世界になるので、絶対に作るなとは言わないが、決して軽率なノリでは作るな、つまり、かっこよいプロポーションの床を作りたいのであれば、お金もたっぷり必要だということを自覚しておくように、と訓示。
そして最後に、
いずれ君たちも設計者となるのだろうけれど、
床を薄くしろだの、壁をとれだの、構造設計者に散々わがまま言って難しい構造(つまりお金のかかる構造)の答えを出させているにも関わらず、最後になって、予算が高くついているのは構造の設計が悪いんじゃないのか?、などと無自覚に人のせいにするような設計者にだけはなるんじゃないよ、と大人になったときの心構えを伝えて本日の授業はおしまい。
ま、どれくらいの学生が理解してくれたかはわかりませんが、デザインに偏り過ぎないバランス感覚のある設計者が育っていってもらいたいところです。
まじめに授業の内容をノートにとっている学生もいてくれているので、こちらも教え甲斐があります。
来週のテーマは
「柱の断面を決めてみる」
です。
講演会のお知らせ -その2-
6月15日(金)に京都工芸繊維大学にて講演会を行います。
大学院の授業の1コマを使ったものなので、オープンなのかどうかは定かではありません。。。
構造の森迫清貴教授担当の授業で、いわゆる2時間目(午前の後半)の授業時間帯となります。
先日のアーキフォーラムでの講演をベースに、少し時間調整をして、お話したいと思います。
工繊大の皆様、よろしくお願いいたします。
満員御礼
アーキフォーラムにて講演を行いました。
ご来場くださった方、どうもありがとうございました。
打ち上げの2次会では、たくさんの人と話せてとても楽しかったです。
たんなる準備疲れか、ようやく解放され緊張の糸が切れたのか、3次会では酔いつぶれてしまいました。
後日、シリーズの全講演内容が、一冊の本にまとめられ出版されるとのことです。
講演会のお知らせ
5月26日(土)に大阪で講演します。
アーキフォーラム2006-2007という若手構造家による講演シリーズ全11回モノ。
3月末に行われた第10回の佐藤淳さんの後をうけての最終回を担当します。
独立してから1年間、頑張ってきた甲斐あってか、話せるネタ(作品)が何とか出揃ってきたのはよいのですが、自分自身でじっくりと振り返っている余裕もなかったので、これを期に一旦整理しておきます。
ここで書いている(きた)ことを中心に、ここでは書ききれない本音を交えて話す予定です。
詳しくはコチラ 。