諸々のお知らせ!―更新が止まっている理由について― | A Flood of Music

諸々のお知らせ!―更新が止まっている理由について―

■ 前置き

 

 お前この手の更新するの何度目だよ!…なブランク言い訳記事です。とはいえ前回の更新(以降は[雑記]に置換)に「ブログのプライオリティはおそらく低いまま推移します」と書いていたので、それが現実になっただけとどうか軽く受け止めてください。優先度が下がる理由として「アウトプットよりもインプット環境の向上に努めたい」と述べた通り、突き詰めれば僕のモードが目下というか今年の頭ぐらいからずっとこうであるのが更新減の理由です。

 

 

■ インプットその1:過去の膨大な音源

 

 

 普段使いのWALKMANを新調した話を雑記に書きましたが、そのブックマーク機能を利用した「自作のプレイリスト」の改訂が未だに終わりません。何せ選曲対象が全所持音源に拡大した上に登録数の限界も無いに等しいため、肥大化を防ぎつつバランスの取れた内容にするのに時間が掛かっています。上掲リンク先に記したアーティスト名およびnの値は旧機種のものなのでそれらと比較すると、アーティストの総数も各個のnも平均1.5倍増になる程度で調整をしており、多くの音源を聴き直さないと満足なリストに仕上がらないので大変です。これを書いている今も並行して選曲作業をしているくらいですからね。笑

 

 詳細:最大限高く評価している存在に対しては「1st」「2nd」「3rd」の各組に20曲ずつを登録するのが従来の方針でしたが、改訂後は30*3をMax値と規定したので個人的なお気に入りの上位90曲がリスト入りする計算です。60から90の場合は単純にスライドさせても「2nd」までに旧リストの全曲が収まるため、新規に「3rd」用の30曲を選定する必要に迫られます。これだけでもまぁまぁ難儀するのに(好きな曲が多過ぎて選べないといったポジティブな意味合い)、いざ取り掛かると新曲に非ずして選外からいきなり「1st」への大躍進を果たすスルメ曲や、各組のボーダー付近に位置して振り分け先に迷うn+0.5軍曲が一定数出てきて、なかなか得心のいく布陣にならないのです。これをアーティストの総数分繰り返すと都合4,500曲程度になる目算で、旧来の3,000曲に上乗せして1,500曲分を真剣に選び切るまで終わらないと書けば、途方の無さが少しは伝わかると期待します。

 

 

■ インプットその2:トレッドミル

 

 

 果たしてこれをインプットと言っていいのかは扨置き、ブログから遠ざかる要因の一つには違いないので説明します。雑記に「(ディドロ効果で)健康管理用にスマートウォッチとフィットネスゲーム用にVRヘッドセットも買い揃えたくなっている」と書いたのが伏線で、この欲求はトレッドミルを購入するという消費行動に形を変えて実現しました。気象状況や時間帯や周辺環境に左右されずウォーキング・ランニングが可能な環境は思っていたより僕の潜在的な運動願望に適っており、前述のプレイリストの選曲も兼ねて音楽を聴きながらたまにスマホをいじりつつ楽しんでいます。きちんと安全キーを装着してデバイスの操作時には減速させて…と使い方にさえ気を付ければ、屋外では危険で出来ないことを比較的安全に行えるのも魅力です。

 

 参考:実際に設置したのはAFR1018という名称の製品で、上掲リンクは同じメーカーの別モデルです。ネットで見てもいまいち存在感や操作感がわからずスポーツ用品店と家電量販店を幾つか回ってみたところ、殆どが0~1台の中4台も展示していた大型店に行き当たったためここぞとばかりに全部を試して決めました。安いのは歩行面が狭くモデルウォークになってしまう+ハンドル位置が低過ぎて腰を痛めそうだったので、ベルト幅が広く手すりと操作パネルの高さが丁度良いものをとなると必然的に上位モデルを選ぶしかなかったです。しかし有難いことに新品を展示品と同じ金額にまで値引いてくれたおかげで(こちらから切り出したので値下げ交渉に応じてくれたのかもしれません)、想定より安く上がって助かりました。

 

 

■ インプットその3:積読本

 

 これに関しては今に始まったことではなく何なら当ブログの更新を再開させた2016年からずっと継続していると言えなくもありませんが、所謂積読の状態にある書籍の数が増えてきて気になっています。読みたくて買ったのに未だ読めていない本という定義通りのものは勿論、それらに関連していずれ読もうと思っている手元にすらない本や、一度は読んだけれど再度読むべき時機が今まさに到来しているのではないかと感じている本も含む広義的な意味です。その全てを載せると冗長になるので目ぼしいもののみ紹介します。…読んでないのに。笑

 

 

□ 資料にしたい系

 

 

 

 

 大型書店でアウトレットブック(新品)として購入した三冊。音楽レビューブログを通してはあまり発信する機会に恵まれない個人的嗜好の一端が窺えます。ファッション・建築・雑貨とジャンルはバラバラだけれど僕が惹かれた共通要素は懐古趣味的な部分で、時間を経たものを現代に活かすアイデアを求めている今日この頃です。同じ流れでとある蒐集活動にも触手を伸ばしたいと思案しているものの、その界隈の人口がおそらく相当に少ないことに加えてメイン層はもっと上の世代だと見受けられるため尻込みしています。

 

 

□ 雑誌

 

 

 テーマに興味を持って初めて手を出した雑誌ですがその歴史はまあまあ古くて創刊は1999年らしいです。「パソコンとヒッピーがどう結びつくねん」と浅学の身で文字通り浅はかなツッコミを入れながら序文を立ち読みしたところ、そこに「SNSに道徳性を強いる大衆側からの言論統制」と、僕がここ数年のネット社会に対して抱いている違和感を的確に捉えた一節があったため即レジに走りました。こう書くと僕が「SNSは不道徳で構わない」と考えているふうに誤解されそうだけれどもそうではなくて、社会を健全にしようと躍起になった結果が巡り巡ってより大きな不和を招いている現状を憂いているだけです。以下イデオロギー注意。

 

 Case.1:「声を上げよ!」は大切な観点ながらこれが変に意識が高い方に行き過ぎて、別に何かを変えようとか変えるなとかではない素朴な所感が蔑ろにされているのは不健全ではないでしょうか。その他大勢の素直な反応こそが「世間の声」であり、拡声器(賛同や拡散機能の比喩)がデフォルトで備わっているからこそ耳目を集めやすくある「ネットの声」を、ネット上でだけならまだしもマスコミも政治も行政も「世間の多くを反映したもの」と捉えている節があるのは危険です。それらはSNSを積極的に利用するタイプの人間に限った話、言い換えれば最も容易にサンプルを得やすい集団だから広く利用価値があるというだけの話で、これのみを絶対的な物差しにして世間を測っていたら認識が歪むのも無理からぬことと思います。自分の認識だけに頼って物事を判断するのも同様に良くありませんが、ネットジャンキーの集合知を恣意的に解釈して悦に入るぐらいなら(AIが機械的に行うのであれば意義深いことだと注釈)、一人静かに内省して得た自分なりの意見を大切にするほうが人間らしくて好ましいです。

 

 Case.2:たとえポジティブな意見ですら表明するのが馬鹿らしくなるような殺伐とした空間が、ヘイターのみならず彼らにまともに取り合う人(特に著名人)の後押しで構築されていく負の連鎖にも辟易しています。万に一人の激烈なアンチを退けるために強く出れば同じく声の大きいフォロワーから目に見える称賛を得られるでしょうが、その裏でアジテーターと同じ土俵に上がってしまったことを嘆く黙して(或いは多くを)語らずのファンもいるわけです。度を越した人間に対して何らかの対抗策を講じるのは当然だけれど、それを大っぴらに表明するとアンチにはヒットマークと捉えられ一層の増長を招きますし、苦言を呈す対象の描写が具体性に欠けると本来は対象とならない人達まで委縮します。すると僅かな批判を含むだけで全体としては称賛が優位の意見まで封殺されるため最後にはアクティビストじみた先鋭的なフォロワーばかりが残り、その意気軒昂ぶりが次のアンチを生む蓋然性を高めていく構図を指して悪循環と評したいです。これは何も無法者の身勝手を黙認せよと言っているのではなく、法的措置を検討する場面でよく「粛々と」という言葉がコロケーションを見せるように、沈黙は金の精神で事に当ったほうが益が大きいと思います。

 

 

 

 このようにブログでの発信にやや二の足を踏むようになってしまったのも更新減の遠因で、自らディストピアを望む人が増えていそうな空気感に暗澹たる気持ちでいます。具体的に名前は出しませんが僕と年齢や世代が近くて、前々から考え方に大枠で共感を覚えている複数の著名人の言を振り返ってみると、ここ数年でネットから距離を置く方向にシフトした旨の表明が多いんですよね。これは所謂SNS疲れとかデジタルデトックスとかメンタルの話ではなくて(広義ではこれらの言葉でも括れるとは思うけれど)、面白くないからシンプルにSNSを見限るフェーズに入ったという類のものです。ネット上での交流が楽しかった時期は疾うに過ぎて、今や大手サイトは魔境で蠱毒の生成に加担させられているような禍々しさを有しているので、リアルで自分のやりたいことを自分だけ或いは仲間内とで楽しむほうがよっぽど有意義で贅沢だと思うようになりました。

 

 

【追記①:2021.10.16】

 諸事情で詳しくは書けないのですが本項にリンクした『スペクテイター~』には顕著なリアクションがあったため、「紹介した僕が読んでないのは如何なものか」ということで優先的に読了しました。誌面の大部分を占めるのはテーマ通り「パソコンとヒッピー」に関するヒストリカルな事象の解説で、一見結び付かなさそうな両者がその実密接な関係にあること、そもヒッピーにはテクノロジーやハイテクに肯定的な人種もいたこと、そのタイプが後にプラットフォーマーとなり現在の(ネット)社会に多大な影響力を持っていることを知ります。婉曲的に表現して神秘体験もやはり切り離せないファクターで、タブー視されがちな部分の掻い摘んだ説明があったのも有難いです。コンピュータの仕組みと計算の歴史の概略がわかる中盤の誌上講座も面白く、特に格子掛け算は桁数の多い乗算をする際のミスが大幅に減らせるであろうやり方で感心しました。升目と斜線のおかげで視覚的なメリットが大きいですよね(下掲リンク参考)。

 

 

 一方で僕が読む前に惹かれた序文の言「SNSに道徳性を強いる大衆側からの言論統制」に直接的に関連したページはそう多くなく、特集のラストに付された編集部による考察セクションおよび高野麻子さんへのインタビューの中で示唆的に言及されています。前者はアーミッシュの生き方に学べという主旨で、文明に慎重な向き合い方をして存えているコミュニティがあるのは一考に値するでしょう。余談ですが僕は過去に牧歌系の自作曲に「Amische」と名付けかけたことがあります。笑 後者のトピックは指紋で、そこから監視社会論の話にリンクしていく内容です。講師の高野さんと質問者の赤田祐一さんがインターネットの現状に大きな失望を抱いている点で共通しており、同じ憂いを持っている自分は当然ながら多大な共感を覚えました。もう一つのインタビューは能勢伊勢雄さんに対するもので、特集の補遺として充実しているうえに神秘体験の流れからゴアトランスやレイヴなど音楽系の話題もあって面白かったです。とりあえず次はダグラス・ラシュコフの『サイベリア』が読みたいなと思いました。

 

 

【追記①ここまで】

 

 

□ 文筆系

 

 

 

 厳密には積読本ではなく上は再読したい本、下は今後購入したい本です。前者は次に読むべき実験的な小説のカタログとして定期的に参照していて、後者は反対に王道の脚本について学びたいから候補に入れています。STCは特定のクラスタからすれば今更に映るでしょうけど、僕があまり映画のそれもハリウッド式の脚本術では育ってこなかった人間なので、対外的な説明や認識の摺り合わせに際して便利かなと考えているのです。同書を参考にしたと公言している創作者も多く、すごく直近では『NEW GAME!』の画集第二弾のインタビュー中にも名前が出てきて、ストーリー4コマにも応用が利くものなのかと(脚本の本なので当然と言えばそうですが)俄然興味が湧いて来ました。…画集とはいえこういう二次元趣味の本は積まないんですよね。笑

 

 

 

■ ここまでのまとめ

 

 以上の三点がブログの更新を妨げている主なインプットです。妨げると書くとネガティブですが思わぬ知識や体験が音楽レビューに活きることもあると経験上わかっているため、より意義深いレビューを書くための充電期間と捉えていただければ何よりと存じます。ちなみに異様に本数の多いアニメ鑑賞は特にブログ執筆を妨げる要因にはならない(2016年からずっと並行している)ので、相変わらず暴飲暴食を繰り返している次第です。

 

 

【追記②:2021.10.16】

 

 タイムリーな記事がForbes JAPANに載っていたのでシェアしておきます。著名なビジネスパーソンが現在進行形で膨大な量のアニメ鑑賞を続けていると知り、似たような価値観を持つ僕としては励まされました。

 

 

【追記②ここまで】

 

 

■ 2020年および2021年のアニソン振り返り企画について

 

 徐々に記事内容をアニメに寄せていったところで小見出しの件に関しまして、2016年から毎年アップしていたアニソン振り返り企画【2016年, 2017年, 2018年, 2019年】は、事後報告で勝手ながら一昨年の分を最後にしようと思います。「2020年以降のアニソンは今後レビューしないよ!」という意味ではなく、今の更新間隔で複数記事に跨る連載を行うのは無謀なので、特集のスタイルで書くのは止めざるを得ないと判断しました。代わりと言っては何ですが、個人的に面白かった作品の年間トップ10を以下にリストして超簡易アニメ語りとします。

 

□ 2020年

 

1. ID:INVADED イド:インヴェイデッド

2. ドロヘドロ

3. 呪術廻戦

4. 炎炎ノ消防隊 弐ノ章

5. 邪神ちゃんドロップキック'

6. ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会

7. 映像研には手を出すな!

8. 放課後ていぼう日誌

9. デカダンス

10. 魔王城でおやすみ

 

□ 2021年(注:夏アニメまで)

 

1. オッドタクシー

2. Vivy -Fluorite Eye's Song-

3. 平穏世代の韋駄天達

4. スーパーカブ

5. シャドーハウス

6. 美少年探偵団

7. ゆるキャン△ SEASON2

8. ワンダーエッグ・プライオリティ

9. 死神坊ちゃんと黒メイド

10. 86-エイティシックス-

 

 本当は一・二行でもどの点を高く評価したのか作品ごとに書きたいのだけれど、連載ではなく一記事に集約させる方針でなら2020年と2021年の振り返り企画をいつかは書けるかもしれないため現時点では温存しておきます。

 

 

【追記③:2022.2.7】

 

 2021年のランキングが中途半端で気がかりだったので、残した秋の視聴分を追記します。秋アニメと2クール目で評価を上げた作品の反映です。1.~5.は変わりないため範囲をスライドさせて、6.以降を15.まで表示します。

 

6. 月とライカと吸血姫

7. 美少年探偵団

8. ブルーピリオド

9. ゆるキャン△ SEASON2

10. 白い砂のアクアトープ

11. ワンダーエッグ・プライオリティ

12. 86-エイティシックス-

13, 先輩がうざい後輩の話

14. ビルディバイド -#000000-

15. ジャヒー様はくじけない!

 

【追記③ここまで】

 

 

■ ミュージックビデオ紹介記事について

 

 

 新記事の作成は今年の7月が最後とはいえ、過去記事に手を加える形での更新は密かに行っていました。中でも大規模なのは上掲リンクカードの記事で、当ブログで最もコンスタントにアクセスが多いだけに言わば定期メンテナンスをしています。前回の大規模更新時から新たに追加したMVは以下の通り。

 

5. 環境と心理 (2020) / METAFIVE

10. Chorus (2014) / Holly Herndon

14. Karaoke (2020) / Ginger Root

17. here comes the sun (2021) / Bill Wurtz

20. Transfer (2012) / livetune adding 中島愛

24. Black Snow (2018) / Oneohtrix Point Never

35. ただし、BGM (2018) / ニガミ17才

38. Last Bloom (2019) / Floating Points

61. 鬼 (2021) / 吉澤嘉代子

62. くるかな (2014) / Especia

 

 このラインナップではジンジャー・ルートとビル・ヴュルツが最近のマイブームです。映像も音楽も共にハイセンスでMV界隈もマルチクリエイターの時代だなと熟々思います。分業だからこそ素晴らしい作品もごまんとあるけれど、MVぐらいの短尺であれば音楽も映像も一人で手掛けたほうがアーティストとしての世界観が強固になって没入感が高まる印象です。

 

 また、新規追加ではありませんが解説文を大幅に変更したものもあります。例えばきゃりーぱみゅぱみゅの「原宿いやほい」(2017)に対する従前の文章は、掲載順が上位の割には巧く芯を捉えていない微妙な内容だったので敢えて感覚的に書き直しました。細かい補足レベルの変更は多くあり、80KIDZ「Reversed Note」(2017)の「素材同士の動線が~」に、capsule「WORLD OF FANTASY」(2011)の「自動運転技術の安全性が~」は以前に無かった文章ですし、Max Cooper「Repetition」(2019)にcf.としてCyriakの名前を、The Chemical Brothers「The Test」(2002)に推定オマージュ元として『キートンの蒸気船』を、椎名林檎「りんごのうた」(2003)に類型として新たにV6の「Full Circle」(2021)を追加しています。

 

 

■ おわりに

 

 久々の更新が取っ散らかった内容でしかも音楽ネタが少ないのを申し訳なく感じつつ、諸々のお知らせ記事を終えるとします。過去記事の部分改訂やリンク差し替え程度のライトな更新は行うかもしれませんが、新記事を提供出来ない状態は当分続きそうです。わざわざ書くまでもないことなので省いたものの新しい音楽のインプットは須く行っており、ちょっと前の僕なら嫌っていたような存在に寧ろハマってしまうくらいには一段と寛容になってきているため、更新再開の暁には語れる分野が広がっているであろうと自身に期待しています。

 

 …と、いざアップしようとした瞬間に大きい地震が来て焦りました。フィギュアがいくつか落下しましたがもう眠いので片付けるのは週末にします。それでは~