今日の一曲!金森まりあ(茜屋日海夏)「シアワ星かわいい賛歌」―プリチャンS2の音楽・プチ特集― | A Flood of Music

今日の一曲!金森まりあ(茜屋日海夏)「シアワ星かわいい賛歌」―プリチャンS2の音楽・プチ特集―

 【追記:2021.1.30】 本記事は「今日の一曲!」【テーマ:2019年のアニソンを振り返る】の第十一弾です。…が、後にブログテーマ「プリティーシリーズ」に振り分けました。【追記ここまで】

 

 

 今回の「今日の一曲!」は、金森まりあ(茜屋日海夏)の「シアワ星かわいい賛歌」(2019)です。TVアニメ『キラッとプリ☆チャン』シーズン2の挿入歌で、収録先は『キラッとプリ☆チャン♪ソングコレクション ~リングマリィ・だいあ チャンネル~』になります。

 

 

  『プリチャン』の音楽は【2018年のアニソンを振り返る】企画でも度々取り上げていて(リンク先の第十・十五・十九弾を参照)、「今日の一曲!」としてメインで扱った「スキスキセンサー」(2018)の記事が、当ブログ上で同作品に言及した最初の一本です。2018年分の振り返りはクール別に投稿しており、通年アニメの楽曲に対しては作中で初披露されたタイミングに基いて便宜的にクールを割り振っていたため、ひとつの作品への言及が複数の記事に跨る不便が生じていました。それを反省して今般の新規分に関しては、副題に「―プリチャンS2の音楽・プチ特集―」と付し、シーズン2(第52~102話)の間にお目見えした楽曲のレビューを本記事でまとめて行うことにします。来週からはシーズン3へと突入するので、区切りとしても丁度好いかなと。

 

 昨年からMXで再放送が始まった前作『プリパラ』の音楽も含めて、僕の中で『プリティーシリーズ』への評価は日に日に高くなっています。心情的にはブログテーマ「アニソン+」(用語の意味はこの記事の「2.5」を参照)へ振り分けるのにも吝かでないと考えているものの、現時点では前作および前々作『プリティーリズム』の音楽については聴き込みと理解が浅いため、テーマとして「プリティーシリーズ」を作成するのは自重しました。従って、本記事のテーマは+の付かないただの「アニソン」にしているわけですが、サブテーマにあたる「(可愛い系)」のカテゴリーに限って言うなら、今回のメインに抜擢した「シアワ星かわいい賛歌」は、2019年さいかわソングの座が相応しいと思っているくらいのお気に入りなので、+を付さずとも別格に捉えていることを先んじて宣言しておきます。ちなみに次点は別作品の「チカっとチカ千花っ♡」(2019)で、脳内で激しい可愛い戦争が繰り広げられた結果の選曲であることも補足しておきますね。笑

 

 

 

 ということで、まりあの歌う「シアワ星かわいい賛歌」の魅力に迫っていくとしましょう。シーズン2から登場した新キャラクターである彼女は、「かわいい」による世界平和の使命を帯びたアイドルで、森羅万象に「かわいい」を見出す才覚にかけては右に出る者なしの存在です。曲名にもこの人物像がダイレクトに反映されていて、「可愛いを讃えれば皆幸せ」の思想の下に生まれたテーマソングとして、強いインパクトとメッセージ性を放っています。

 

 歌詞内容も看板に偽りなしの「かわいい」まみれで、冒頭の"歌おう せーのっ かわいい/ハピネスあげる「サンキュ~ン」/I'll give you きゅんきゅん「ずっきゅ~ん」"を聴いただけでも、キュートさにくらくらしてしまうこと請け合いです。年季の入ったと書くと大袈裟ですが、長くアニソンを聴いてきている立場からの感想をフォローしますと、所謂「電波ソング」という形容にリアルタイムで馴染みのあった世代にとっては参考になるかもしれない記事、その手の楽曲にあって欲しい要素がきちんとおさえられているとわかる点に、一層の期待感を煽られますよね。『ニコニコ大百科』の同項目に例示されている特徴に照らせば、「1. > I. > a. / b. > a.」を全て満たす典型例です。"スズメちゃんも歌うの/ちゅんちゅちゅ きゅんきゅん"もモロにツボでした。

 

 一方で、「かわいい」のテーマ性からは本来想起されないようなワードが敢えて放り込まれているのも特筆ポイントで、その最たるものは"かわいい憲法"なるパワーワードです。優しく言い換えれば「約束事」、もっとマイルドに「おやくそく」でもキャラの文脈的には可であろうところに、国の最高法規である「憲法」をチョイスしてくるセンスに、設定上にはまりあのガチ感が;メタ的には作詞者のギャップを意識した言葉遣いの過程が、それぞれ窺えて好みでした。この狙ったちぐはぐさは他のフレーズにも表れており、"五ゾウ六プに超かわいい"や"シンラバンショウ かわいいでしょう"も、カタカナ表記で可愛く偽装されている強い言葉です。とはいえ、この類の面白さもその実「電波ソング」の要件と説明出来なくもなく、またも大百科の記述を持ち出してくれば、「2. > I.」を効果的に利用した部分とも言えるでしょう。本曲の歌詞は「スキスキセンサー」の記事でも絶賛した児玉雨子さんによるもので、やはり只者ではないと再認識しました。笑

 


 前出した「かわいい憲法」は作中にも出てくる存在で、その第85条に言及されている「かわいい大行進」が、おそらく編曲上のキーになっているとして話を続けます。イントロのドラムロールが象徴している通り、本曲のリズムセクションは全体的にマーチ風の組まれ方で、まりあの振り付けもリズムに歩調をあわせた動きがベースです。聴いていると自然と体を動かしたくなってしまうのもビート構築の妙だと感じますが、その最大の功労者はドラムセット/キットから発せられるサウンドではなく、楽曲を通して印象的な鍵盤打楽器系の音だと理解しています。セクション毎に多彩なラインが披露されていて、リズムに寄与しているともサブメロディを担っているとも言えるマルチな働きぶりです。とりわけ好みなのはAメロ部のそれで、主旋律のシンプルな動きに追従しつつもメインより少しダイナミックに振る舞っているところに、影の主役感があると思いませんでしょうか。サビ裏の遊園地やサーカスのサウンドスケープが浮かぶフレージングも楽しく、リフとして安定していた間奏部(e.g. サビ始まり-1番Aメロ間)の発展形と表したい応用力のあるラインに、無駄を排したうえで飽きさせない変化をつける確かなアレンジ術が垣間見えます。

 

 また、個人的に意表を突かれたのは1番サビ後の間奏から鳴り出すギターで、この早い段階からエンディング感を醸してくる楽想は、自分にはない感性で新鮮でした。実際ラスサビ後にも当該のギターは出てくるのですが、僕ならこの音を4:01に初登場させてアウトロの主役に据える選択をします。ただ、こうするとサビ始まり後と1番サビ後の代わり映えがなくなってしまうので、それよりは何かしら新出の音を入れた方がいいと判断したのでしょう。2番サビ後はそのままCメロに雪崩れ込むので別の変化がありますし、ラスサビはベタですが最後のメロが二度繰り返されるオチがあるため、そこでまた差異が生まれますからね。

 

 

 

 ここからは副題にある「プチ特集」のパートで、シーズン2に於けるその他のフェイバリットナンバーをレビューしていきます。網羅的に全曲を取り立てるわけではないので「プチ」と題したものの、文章量的には全く軽くないことをご容赦ください。笑

 

 まずは引き続き『~リングマリィ・だいあ チャンネル~』からの一曲で、リングマリィの「インディビジュアル・ジュエル」を紹介します。「かわいい」の伝道師であるまりあの対に位置するキャラクター・黒川すずは「かっこいい」を追求するボーイッシュなアイドルで、リングマリィはそんな主義主張が相容れない二人によるユニットです。作品をご覧になっていない方が本記事を目にしないとも限らないので、和解に至るまでの道程には言及しないでおきますが、"バラバラこそキラキラ/君とインディビジュエル"という尊い一節の存在だけでも、本曲が振り撒くえも言われぬ多幸感の説明材料となるでしょう。歌詞で特にぐっときたのは、"ちがう君と認め合いたい/同じ夢を見たい Eye-to-eye"で、凝ったライミングも含めて愛おしく思います。

 

 すず(徳井青空)のソロ曲「キューティ・ブレイキン」にもラップセクションがあったことに鑑みてか、「インディビジュアル~」でもすずは主にラップ調のラインを担当しており、まりあが歌うメロディアスなラインとの対比が鮮やかです。しかし…というかだからこそ、二人の調和が見られるパートが一段と美しく響くようになっていて、サビのデュエットソングらしい王道の融合も素敵ではありますが、僕は2番Aメロの半ば強引な混ざり方のほうに殊更の快感を覚えました。1番Aでは完全に分かれていたまりあとすずの歌唱パート("私のスキ"~|"My very very"~)が、2番では旋律性の高かったまりあのラインにすずのラップが、或いは反対にメロディレスだったすずのラインにまりあの表情豊かなフレーズが挿入されるといった変化が窺え、そのことが"私の世界にきた"および"かっこいい世界にやってきた君"という自己言及的な歌詞によってマークされ、ストーリーテリングの役割も果たしている点が実に技巧的です。

 

 あとはアレンジ上の細かい点ですが、"Now it's me !"の後からインしてくるマイルドな音色のシンセが奏でている旋律も中々に印象的で、このサウンドが布石として機能しているからこそ、落ちサビの裏に再登場した際にもその音に自然と意識が向いて、メロディの美麗さがなお際立つ仕上がりになっていると分析します。別けても絶賛したいのは"それを友だちと呼ぶのかな"の部分から聴こえ出すメロで、ラスサビで弾けるためのボルテージをじわじわとチャージしているとわかる、ワクワクする音符の動きが気持ち好いです。2番サビ前でのライザーサウンド的な盛り上がり方(2:28~2:36)とは異なり、"バラバラがかみ合った"の直後に翳った一音が挿入されるひねり具合に美学を感じました。

 

 

 

 

 続いては『キラッとプリ☆チャン♪ソングコレクション ~ミラクル☆キラッツ チャンネル~』(2019)の収録曲から二曲ピックアップします。一曲目は本作の主人公である桃山みらい(林鼓子)が歌う新曲「TOKIMEKIハート・ジュエル♪」で、個人的には「ワン・ツー・スウィーツ」(2018)を超えるヒットでした。紙幅の都合上「スキスキセンサー」の記事中では少ししか言及出来なかった「ワン・ツー~」ですが、自分の中ではかなり評価の高いナンバーであるため、そのハードルを超えてきたことをまず称賛します。

 

 「TOKIMEKI~」の美点はサビメロにあると考えていて、ぱっと聴いただけでは地味にも思えるそのラインを、敢えてリズムセクションの一部として捉えてみると、実は物凄くダンサブルな振る舞いをしているとの理解に至れるというのが、これから述べることの肝です。同曲のサビメロに初めてふれた際には、「なんだか伴奏みたいな主旋律だな」と感じてしまい、ピークで後ろに下がるような作曲者の意図がよくわかりませんでした。しかし、2番サビの歌詞"スイートにスタッカートに/踊ってみたら気づくよ"(合いの手は省略)を見て、「そうか、断奏で生じた跳ね感のあるグルーヴに身を任せればいいのか!」と、文字通り気付いたのです。すると、合いの手もリズムの補助というよりはメインの一部として扱ったほうが据りが良く、ボーカルラインには全てビートメイキングが先行しているとの制作過程が推測され、ここでようやく作曲者の狙いが見えた気がしました。これは推測もとい妄想ですし、作編曲者が別人であるのもつっこみどころではありますが、Arte Refactのプロダクションという統一性はあるので、作曲と編曲は通常以上に相互的で有機的なものになっているだろうと補強しておきます。

 

 もうひとつ言及しておきたいのは、歌唱を務める林さんの声に関してです。「ワン・ツー~」の合いの手(鍵括弧で括られている歌詞)にも近しいことを思いましたが、謎の必死感があると言いましょうか、林さんの台詞インサートには少し笑ってしまうような面白さがあります。これは勿論誉め言葉で、「TOKIMEKI~」でも"(シャイン!シャイン!)"の迫真加減や、"(びっくりメイキング!)"のコミカルな響きが妙にツボでした。実際の歌唱に即した文字起こしを試みますと、前者は勢い良く「シャィシャイッ!!」、後者は泣きそうな声音で「びくりメイキン」といった感じで、これを耳にひっかかりを残すのが上手い歌い方ないし発声法と解釈すれば、それは声優としての大きな強みだと言えるでしょう。

 

 

 

 続いて紹介するミラクル☆キラッツの「ロケットハート」は、実に名曲と評したい主役ユニットの面目躍如たるナンバーです。…が、僕は同曲の良さに気付くまでに時間を要してしまったため、スルメ曲の側面もあると付け加えておきます。というのも、アニメで聴き始めてから暫くはエピソード(第84話)の影響もあってか、宇宙要素の強いAメロのクセに気を取られていて、サビメロの流麗さを拾い切れていなかったのです。音源で聴いてからは、もうイントロからして名曲の予感がすると印象が変わり、サビを聴いて少し泣きたくなるような気持ちが芽生えたところで、過小評価していた自分を恥じる結果となりました。

 

 ホップ・ステップ・ジャンプを繰り返してローンチ&デパーチャーの趣がある"今世紀最大級の"のハッピーなラインに、"地球飛び出して Sayハロー"の不安と期待の入り混じった美メロ、同じ"ロケットハート"でも一度目(~"打ち上げて")より二度目(~"打ち上げよう")のほうが僅かに切なさが増している対比と、何処を切り取ってもエモさがあって素晴らしいです。

 

 

 

 

 リリース順に処理して、お次は『キラッとプリ☆チャン♪ソングコレクション ~メルティックスター チャンネル~』(2019)の収録曲から三曲ピックアップします。同盤で最も気に入っているのは、赤城あんな(芹澤優)のソロ曲「ヒロインズドラマ」です。あんなのイメージカラーである赤から情熱を抽出して、フラメンコを意識したパフォーマンスとラグジュアリーなサウンドと歌謡曲的な艶っぽさに変換した、「This is 赤城あんな」と言える納得の一曲に仕上がっています。自分でも説明が難しいのですが、サビの"夢見がち"の歌い方がとりわけ琴線にふれまして、ややねっとりとした質感が付与されているところが好きです。

 

 余談というか別作品を持ち出してきますと、先月にリリースされたゲームアプリ『SHOW BY ROCK!! Fes A Live』に登場するバンドの一組に、芹澤さんがCVおよび歌唱を務めているキャラがいまして、同バンドの楽曲に於いても芹澤さんのコケティッシュな歌声に僕はイヤガズムを覚えたので、きっと声質自体が好みなのだと自己分析します。他にLynnさんと鈴木みのりさんも歌っているのに、それぞれが埋もれずに個性を発揮しておりおすすめです。

 

 紫藤める(森嶋優花)が歌う「スペース!スパイス!スペクタクル!」もお気に入りの一曲で、理系才媛に相応しいピコピコしたアレンジと、自由奔放なパーソナリティを反映させた楽しげなメロディラインに、めるめるらしさが顕となっています。合いの手の可愛らしさもみらいのキャラソンに負けず劣らずで、"(満タンで!)"のバウンシーなフロウにも、"(ジャ・ジャ・ジャ・ジャーン!)"の自信満々なイタズラっぽさにも、繰り返し聴きたくなる魔力が宿っていてまさに虜です。

 

 

 

 メルティックスターの「La La Meltic StAr」は、ユニット名を含む曲名にも得心のいく集大成的なナンバーで、イントロと1番後間奏のハードテイストなギターサウンドにはさらが、A/Bメロのしっとりとしたピアノと2番後間奏のパッショネイトなビート感にはあんなが、サビ裏のキレの好いシンセが構築するサイバネティックな雰囲気にはめるが、それぞれ音に解釈されて表れていると認識しています。サビメロの往年のアイドルソングらしいセンチメンタルさもどストライクで、「キラリ覚醒☆リインカーネーション」(2018)のレビューでも似たようなことを書きましたが、一定の年齢層以上には懐かしさと共に刺さるアウトプットになっている点も嬉しいです。

 

 歌詞内容にも非常に心奪われるものがあり、中でもラスサビは全文が大好きゆえに長めの引用をご容赦いただくとして、"あふれてやまない乙女のキラめきを/たったひとつ見つけた情熱を/ぶつけて光る スーパーノヴァ/今始まる Brand New Showtime/そうだよ ホントは女の子はみんな/歩いてるメインストリームをね/気づいたらキラっと世界はシャイン!/世界中をドキドキで満たす/誰かの瞳に映りこむ/巻きおこる…/Heroine's STARDOM/La La メルティックスター"は、『プリチャン』の世界観をレペゼンする名フレーズだと喝采を送ります。とりわけ"誰かの瞳に映りこむ"は秀逸な一節で、輝く自分達の姿をその目に捉える受け手の存在が;延いては憧れから始まる次世代のアイドルへのリレーが、"誰かの瞳"の描写で浮き彫りになるというカメラワークの見事さに、素直な感動を覚えました。

 

 「この煌めきは隠されている(誰もが持っている)」というコンテクスト自体も好感触で、覚醒を促す"(Wake up…Heroine's STARDOM)/(La La Change It, Old Your Mode)"の幕開けと、きちんと対応を見せているのもプロットとして綺麗です。また、覚醒までの過程を「星」に擬えて描いているのも芸が細かく、2番サビの"何億光年磨いた輝きと/いろんな経験積んできたまぶしさと/似ている光 プレシャス・ワン/絆ってすごいんだ Alright/たくさん 傷ついて出来たクレーターも/自分らしさに変えてゆけるよね/生まれたら星は絶対にシャイン!/それだけはキミにもゆずれない思い"は、まさにメルティックスターの軌跡(トレイル)であり、彼女達が証明した奇跡(ミラクル)とも言えるでしょう。作詞を手掛けたのは真崎エリカさんで、彼女もまた作品に欠かせないクリエイターのひとりであると確信しています。

 

 ラスサビのところに巧く組み込めなくて恐縮ですが、どうしても書いておきたいことがあと一点あるので補足的に追記をしますと、"世界中をドキドキで満たす"の"で"で濁るあんなの歌声は、強い決意が滲む名演ですよね。

 


 

 

 最後はシーズン2の顔とも言える第78話からのOP曲、Run Girls, Run!による「キラリスト・ジュエリスト」(2019)を紹介しましょう。歴代のOP曲の中でも、もしくはランガの持ち歌としても、過去最高に気に入ったナンバーと言って過言でありません。作編曲を担ったのはMONACAの広川恵一さんで、氏の持つポップセンスに更なる磨きが掛かってきたとわかる、確かな進化を裏付けるワークスです。収録先シングル『Share the light』の表題曲は田中秀和さんが、もうひとつのc/w曲は石濱翔さんが手掛けており、同じ音楽プロダクションによる統一感のあるディスクという意味でも、傾聴に値する作品となっています。「Share the light」については、いずれレビューの対象にするかもしれません。

 

 【追記:2020.10.10】 レビューしました。同記事内では簡単にですが歴代『プリチャン』OP曲へのレビューも行ったので、併せてお楽しみください。【追記ここまで】

 

 

 

 後に来るサビ後半部を利用したサビ始まりによって、"ダイヤモンド・ジュエリスト"~がフック的な役目を負い(用語の意味はこちら、サビ前半部"私たち ここにいるよ"~と合わせて、二度のピークが設定されているかのような楽想になっているため、それだけ熱狂も長い間継続し、OPの目映いオールスターステージに見合う音楽になっていると分析します。フック部分の映像は作画も動画も神懸っていると絶賛したくて、特に"みんなをリスペクト"の振り付けは、歌詞を反映させたうえで可愛いモーションを実現していて大好きです。一方で、同じく第78話からのED画はファッションもキャラの造形もリアルタッチで、この振れ幅の大きさにも『プリチャン』制作陣の本気度が窺えて満足でした。

 
 話をOP曲に戻して、コーラスが主体のAメロのユニークさには中毒性があり、Bメロの合いの手「プリ☆チャン!」にはやはり少しの面白みが感じられ、サビの"ねっ 夢 宝石 パワー"の呼び掛けからの名詞連続という意外性には「意識の流れ」を見たり、"ブレスをするみたいに歌うよ"には息継ぎ宛らにはっとさせられたりと、ニッチな「ここすき」ポイントはたくさんあります。
 
 
 
 以上、『キラッとプリ☆チャン♪』シーズン2の音楽のプチ特集でした。シーズン1より全体的に楽曲のクオリティが上がり、キャラの成長に根差した発展的なナンバーが増えているというのを総評とします。期間限定ではありますが、現在はYouTubeの「テレビ東京公式 あにてれちゃんねる」にてシーズン2の無料一挙配信が行われているので、これを機に振り返ってみてはいかがでしょうか。外出の自粛が推奨される今日この頃でもありますしね。