2017年のアニソンを振り返る・Part.3/5【春アニメ編】 | A Flood of Music

2017年のアニソンを振り返る・Part.3/5【春アニメ編】

 注意:『YouTube』動画の埋め込みが多いため、読み込みに少し時間がかかると思います。


● はじめに

 Part.2に続く、「2017年のアニソンを振り返る」シリーズのPart.3です。企画の趣旨はPart.1にて説明済みですが、「2017年にレビューし損ねたアニソンを紹介する記事」という理解で相違ありません。本記事では、「2017年の春アニメ(4月~6月)に関する楽曲」がレビューの対象となります。


● 注意事項 (Part.2~5で共通)

 Part.2で書いたことと同じなので、お手数ですがリンク先を参照してください。


● レビュー済みの作品一覧

 先述の通り「レビューし損ねた」が題目に含まれるので、当ブログにて既にレビューを行ったものについては、以下に当該記事へのリンクをしておくことで振り返りの一環とします。要するに以下のラインナップは、個人的なヒットチャートですね。

■ あ・え・い・う・え・お・あお!! | かーてんこーる!!!!! / 劇団ひととせ
    『ひなこのーと』OP曲|ED曲
■ 恋?で愛?で暴君です! / Wake Up, Girls!
    『恋愛暴君』OP曲
■ イマココ | 月がきれい / 東山奈央
    『月がきれい』OP曲|ED曲
■ ハニーアンドループス / 豊崎愛生
    『プリプリちぃちゃん!!』1stED曲
■ gravityWall|sh0ut / SawanoHiroyuki[nZk]
    『Re:CREATORS』1stOP曲|2ndOP曲


● 対象作品とクールの総評

 ここからがようやく本題です。上掲のアニメ5本も含めると、2017年春クールは都合28作品を観ていました。2017年の中ではいちばん視聴本数が多かったクールですが、残りの23作品を英かな混在のあいうえお順で書くと…

 【『ID-0』、『アリスと蔵六』、『エロマンガ先生』、『GRANBLUE FANTASY The Animation』、『冴えない彼女の育てかた♭』、『サクラクエスト』(2クール)、『サクラダリセット』(2クール)、『終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?』、『進撃の巨人(第2期)』、『sin 七つの大罪』、『正解するカド』、『ゼロから始める魔法の書』、『つぐもも』、『トミカハイパーレスキュー ドライブヘッド 機動救急警察』(3クール)、『信長の忍び~伊勢・金ヶ崎篇~』(2クール)、『覆面系ノイズ』、『武装少女マキャヴェリズム』、『フレームアームズ・ガール』、『ベルセルク(第2作・第2期)』、『僕のヒーローアカデミア(第2期)』(2クール)、『ロクでなし魔術講師と禁忌教典』、『龍の歯医者』、『笑ゥせぇるすまんNEW』】

 …となります。 論争の種ですし邪道と仰る方もいるでしょうが、僕は一定水準以上で気に入った作品でもない限り、普段からn倍速で視聴していて特にリアタイにも拘らないタイプなので、これだけ本数があっても他事を圧迫するほどではありません。制作側の意図には反するでしょうが、内容が理解出来ていればどう観ようが自由だろうと、ある意味ドライに考えています。


 さて、アニメの総評と言ってもこの雑多なラインナップを端的にまとめることは困難です。メジャータイトルの2期や2クール以上ある作品の開始が集中しているところは実に春らしい…とそれっぽいことを書いたところで、あとはシンプルに作品名を挙げながらざっと振り返っていきます。読みにくいでしょうが、スペース節約のために文字サイズは小です。

 特に気に入った作品を挙げろと言われれば、『月がきれい』『ID-0』『アリスと蔵六』の3作品を推します。途中までは『正解するカド』と『Re:CREATORS』もわくわくしながら観ていましたが、両作とも終盤の画が僕の観たかったものではありませんでした。しかし総合的に見れば両作とも好きだと言えるので、これはディスではなく正直な感想のつもり。

 アニメの作りにどこか懐かしい印象を覚えた、『すかすか』と『FAガール』も安心感があって良かったと思います。この観点で言えば『つぐもも』にも随分と古い印象を受けましたが、出戻りヲタだからか、昔っぽい作画もスローリーな展開(=描写の誠実さ)も嫌いじゃないんですよね。

 外見的なキャラの可愛さだけでいいなら、『ひなこのーと』『エロマンガ先生』『武装少女』あたりも好みでした。込み入ったアニメばかり観ていると疲れるので、眼福も大事。笑

 厳密には冬の新作且つワンクール作品ではない(=地上波初が春ゆえ本記事に分類)ので最後に回しましたが、『龍の歯医者』もかなり面白かったです。元々舞城王太郎さんのユニークな世界構築のファンであることも大きいですが、全体的に質が高い良作だったと思います。丁度今は劇場上映期間にあたるので、シアターでも観ることが出来ますよ。



 簡単に総評を終えたところで、上掲のアニメラインナップ(28本)に関する楽曲から、気に入っているけれどレビューし損ねたものについて言及していきます。

 Part.2(冬アニメ編)のラインナップは楽曲の印象でまとめやすかったため、カジュアルな見出し方式を採用しましたが、本記事に於いてはそのスタイルをとりにくいので、上掲のアニメ総評パートに登場させたアニメの順でふれていくのを基本とします。ということで、見出しは全てそのまま作品名に。


☆ アリスと蔵六



 トップバッターとして紹介するのは、OP曲・ORESAMAの「ワンダードライブ」です。ORESAMAにはPart.4と5でも言及する予定なのですが、そのことからも察せるようにアーティスト単位で注目しています。

 僕の音楽的嗜好のひとつにダンスミュージックや電子音楽があることは、当ブログの記事をいくつかご覧になればご理解いただけるかと思いますが、ORESAMAのように懐かしくてお洒落な電子サウンド;ディスコっぽさを基調としながら音遣いは現代寄りの作風も勿論守備範囲内です。

 補足:言われているように「渋谷系(からの派生)」と表現してもいいのですが、この言葉はムーブメントとしての名称とジャンル名との境が曖昧な(=厳密にはジャンル名ではない)気がするので、敢えて直感的な表現にしました。

 この音楽性とアニメOP映像をセットで語るならば、「クラップの素晴らしさ」これに尽きます。過去に2016年の振り返り記事およびmiwaのアルバムレビュー記事の中で、アニメ『ふらいんぐうぃっち』のOP映像に於けるクラップの良さについて語ったのですが、『アリスと蔵六』も同じく桜美かつし監督による作品です。ということもあってか、後者のOP映像にもハッピーなクラップが描かれているのが印象的でした。

 ダンスミュージックに於けるクラップの効果は、勿論ビートメイキング的な要素にかかるものの方が強いとは思いますが、たとえ人工的に作られた音だとしても、「手拍子の温かさ」というエッセンスが宿っているところに人間味を感じられるので、定番アレンジながらその意味は深いと僕は解釈します。それが楽曲にも映像にも表れているところを高く評価したい。


☆ 終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?

 既に何の説明もなく使っていますが、『すかすか』というのは同作品の短縮表記(愛称らしい)です。

 この長く独特なタイトル、これによって作品に興味を持つ人と、反対にそのせいで敬遠してしまう人、どちらが多いのだろうと思うところがあります。というのも、あくまでもアニメを観ただけの感想ですが、作品名で奇を衒う必要がないくらいに内容が真っ当だと感じたからです。感覚的に言えば、ゼロ年代のラノベっぽくて安心する。凄く面白いというわけではないけれど、アニメも作りが丁寧で好感が持てました。

 このように作品自体をある程度評価しているわけですが、それには音楽の力も大きかったと考えています。しかしここで注目するのは主題歌(OP曲/ED曲)ではなく、挿入歌の「Scarborough Fair」を含む同作品のOST『青い記憶』です。




 まずは有名曲「スカボロー・フェア」から。元はイングランド民謡で、今作では山田タマルさんによって歌われています。この曲には個人的に思い入れがあるので、同曲だとわかった瞬間に郷愁の念に襲われました。

 郷愁…つまり幼い頃の思い出ということですが(ゆえに記憶違いかもしれませんが)、今から25年以上前にCMか何かで同曲が使用されているのを聴いて(なぜか『ムーミン』と結びついたイメージが脳内に残っているので、1990年の『楽しいムーミン一家』放送枠内のCMで聴いた?)、幼子と言っていい時分ながら同曲を非常に気に入り、よく口遊んでいたのを覚えています。有名なSimon & Garfunkelによるものではなく、女性ボーカルだった気がするのですが、他のCMの情報に埋もれているのか、検索しても正確なことは依然不明です。

 まあこういう個人的なエピソードは抜きにしても、この異国情緒あふれる楽曲がハイファンタジーな作品の雰囲気にとてもマッチしていたと言えるので、センスのある選曲だということに疑いの余地はないでしょう。冒頭の期待値だけで言えば、2017年春クールNo.1でした。


『終末なにしてますか?忙しいですか?救ってもらっていいですか?』オリジナルサウンドトラック「青.../ランティス

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 加藤達也さんによる劇伴集も良かったです。「Scarborough Fair」の編曲も同氏によるものですし、同じく山田さんがボーカルを務めている「Always in my heart」や「Call you」も良曲、インスト曲としては「街の喧騒」や「荒ぶる魔力」がお気に入りで、盤としての完成度は高いと思いました。


☆ フレームアームズ・ガール

 ここではED曲の「FULLSCRATCH LOVE」を取り上げますが、実は前にもMONACA楽曲紹介の一環として、冒頭にもリンクしたWUGのシングル(『恋愛暴君』OP曲)レビュー記事の中で同曲を簡単にレビューしています。以下はそこでの記述を一部引用したものです。

 アレンジが広川さんらしからぬというか…最初に聴いた時はサビ後のギターリフのまま突入するAメロが攻めすぎでびっくりしたのですが、慣れてくるとこのロックアレンジも悪くないなと思えてきました。|軸はロックなのにED映像は可愛いわ合いの手もあるわで中々の中毒性を誇る曲だと思います。"特別なあなたに"のところの詰まる感じのメロディも非常に好み。

 引用終わり。楽曲に対する大まかな感想は今でもこれと大きく変わりません。プログレッシブなアレンジが冴え渡る、ハード且つキュートなガールズロックナンバーだという認識です。せっかくなのでもう少し突っ込んだ言及をするならば、2番以降のアレンジの更なる攻めっぷりを褒めたい。


TVアニメ『フレームアームズ・ガール』 エンディング・テーマ「FULLSCRATCH LOVE.../歌:FAガールズ

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 2番A直前の唐突に感じられるギター(リフとは別のやつ)からの、"完璧よりもややミス"という歌詞には、(アレンジに対する)自己言及的な趣を感じましたし、その後の主張の強いベースも格好良いです。Bバックのピアノの自由さも気持ち好いし、そのままサビに入らず静かな立ち上がりのCに雪崩れ込むという展開にもはっとさせられます。

 C後半で俄に激しさを取り戻し、"あなたを満たすパーツ"でこのパートは結ばれますが、ここで曲を明るい方向に持っていこうとしていないのも、流石としか言いようがありません。この流れで落ちサビ→ラスサビと続くわけですが、ポップな合いの手がある曲とは思えない程の切なさが感じられ、このエンディング感に涙腺を刺激される。


☆ 恋愛暴君

 アニメ総評パートには作品名を出していないので流れに反しますが、『FAガール』の項で『恋愛暴君』の名前を出せたので、ここではレビューをしていないED曲の方にスポットをあてます。ということで、smileY inc.(大坪由佳)の『「スキ」を教えて』をご紹介。



 この曲はメロディの美しさを絶賛したいです。特にサビの旋律は甘酸っぱい記憶を想起させるのか、あたたかくて泣きたくなるような優しさに満ちた美メロだと思います。

 ピュアな歌詞に跳ねた質感の歓喜のアレンジも心地好く、派手さはないけれど素直な良い曲で直球勝負を仕掛けてきているところに、恋愛生存競争に於ける「結局いちばんぐっとくるパターン」を見たような気がするので、これは見事な配剤ではないでしょうか。

 c/wには12話の特殊EDで使われた歌詞違いの『「スキ」を教えてください』が収録されていますが、元曲も含めてグリというキャラクターのための歌になっているところも素敵です。


☆ つぐもも

 OP曲の「METAMORISER」でバンドじゃないもん!というアイドルを知ったのですが、アルバムのCMで流れていた楽曲群も含めて音楽自体が良いと思ったので、3rd(メジャー1st)アルバムの『完ペキ主義なセカイにふかんぜんな音楽を♡』に手を出したところ、予想以上にハイレベルな内容でファンになってしまいました。



 楽曲制作陣の面々を見たらクオリティの高さにも大いに納得です。Q-MHzに在日ファンクにGLAYのHISASHIにORANGE RANGEのNAOTO等々、このアルバムにかける本気度が窺えるラインナップとなっています。参考までに本作に於けるお気に入りナンバーを挙げると、「結構なお点前で」「YAKIMOCHI」「すきっぱらだいす♡」「夏のOh!バイブス」あたりは中毒性が高く、ヘビロテの対象でした。制作陣の楽曲まんまだなと思う節もあるんですけどね。笑


 話を「METAMORISER」に戻しますが、これはアルバムより後に出たシングル曲のため『完ペキ~』には収録されていません。しかしQ-MHzよるトラックなので、アルバムからの流れを汲んでいると言ってもいいのではないでしょうか。



 スピーディーなアレンジとジェットコースターのように目まぐるしいメロディが持っている勢いは、アイドルによるナンバーでありながらきちんとアニソンとしてのツボもおさえられていて、そこはQ-MHzだからか間違いないという感じですね。


☆ エロマンガ先生

 この作品名、Ameba的には大丈夫なんだろうか。笑 露骨なR18ワードは非表示の憂き目に会う確率を高めるので不安なのですが、全年齢アニメだしセーフだろうということで続行します。 OP曲/ED曲共にアーティスト単位で気に入っているので両方を紹介。




 まずはOP曲・ClariSの「ヒトリゴト」から。クラリスは当ブログのプロフィール欄にあるリストB(アニメの枠を飛び越えて単独で好きになるようなアーティスト)の中…には入れていませんが、入れてもいいのではと思っているくらいには好きな存在です。

 特に二人の声質が好みで、それはアリス在籍時も以降(カレン加入後)も変わらずに好きなポイント。こう書くとクララの存在が大きいような気がしますが、何れにせよ重なった時に真価を発揮するタイプの優しい歌声の持ち主達であるとまとめておきます。


 「ヒトリゴト」はスカっぽいアレンジによるノリの良さや歌詞のいじらしさも聴き処ですが、個人的にはメロディが技巧的なところを称賛したい。共感を得られるかわかりませんが、いちばん最初のAメロがサビっぽい振る舞いをしている;換言すればサビ始まりっぽい雰囲気を醸しているところが堪らなく好きなのです。

 聴けば瞭然ですが、冒頭の"ヒトリゴトだよ"のパートはAメロですよね。間奏を挟みますが、続く"掛け違えてる"のところと同じ旋律ですから。しかし、同じメロなのに1回目はサビ然としていて、2回目はそのままAメロ然としているところが、このメロディの不思議な魅力だと思っています。勿論アレンジの差による影響もあるのですが、持論としてはメロ自体のポテンシャルが高いゆえの変わり身だという分析です。

 これだと相対的にサビの旋律が弱くなる虞がありますが、肝心のサビメロもAメロに負けず劣らずのポップでキャッチーなものだったので安心しました。後半に畳み掛けるパート("Ah/言えないその言葉"以降)があるのが味噌だと思います。仮に前半だけで終わっていたら、それこそ冒頭Aをサビに持ってきたらいいのにと不満に感じたことでしょう。




 続いてED曲・TrySailの「adrenaline!!!」を見ていきます。トライセイルの楽曲には次のPart.4でもふれる予定ですし、前のPart.2では言及しませんでしたが、『亜人ちゃんは語りたい』OP曲の「オリジナル。」もそこそこ好きだったので、アーティストレベルで注目しているユニットです。メンバーの一人である麻倉もものシングル曲も、『プリプリちぃちゃん!!』関連のは良いと思いました。

 この曲も「オリジナル。」もそうなのですが、J-POPの王道的な空気を纏っているところが魅力ではないでしょうか。コード進行のせいですかね?「何々に似ている」と具体的には出てこないのですが、油断すると他の知っている曲が歌えそうな気がします。笑

 「アドレナリン」というタイトルの通り、エネルギッシュでパワフルな元気ソングです。どの楽器もグルーヴィーで思わず身体が動いてしまいます。映像のアイデアと楽曲のどちらが先かは知りませんが、あのめちゃくちゃ可愛いED映像の解釈にも納得です。この曲を使うならば、キャラに積極的なモーションをさせなきゃ嘘だぜと思うので。


☆ 武装少女マキャヴェリズム



 伊藤美来によるOP曲「Shocking Blue」は結構なお気に入り楽曲です。当時普通にレビューしようかなとも思っていたぐらい。なんとなく見送ってしまったので今紹介することになっていますが、イントロの「ババーン!」って感じの堂々さと、ブラスアレンジによる絢爛さには、特筆すべきものがあると評価しています。

 ざっくりとした感覚で言えば、なかなかお洒落なナンバーですよね。OP映像も僕にはスタイリッシュに思えたので、映像との兼ね合いも考慮すれば一層好きだと言えます。先述の通りイントロの勢いも素敵ですが、表題の"Shocking Blue"が登場する気持ちの良いBメロが最も好きなパートかな。

 アニメ総評パートでは「外見的なキャラの可愛さだけ」と、ある意味ネガティブな表現と共に作品名を出してしまいましたが、実は主人公の気風の良さこそが楽しく観ることの出来た要因なのではとも思っています。いくら女性キャラが可愛くても、主人公の男キャラがウジウジ系やヤレヤレ系だと観ててイライラするので、きちんと主体性のある納村くんは好きなタイプの主人公でした。


☆ ロクでなし魔術講師と禁忌教典

 ここからはアニメ総評パートで作品名は出さなかったものの、楽曲自体は気に入っているので紹介しようのセクションです。まずは『ロクアカ』ヒロインズによって歌われているED曲、「Precious You☆」をピックアップ。



 決して悪い意味で言うのではないのですが、このトラックはテンプレ感が良いと思っています。コーラスパートでは特に"tiny heart"の部分のメロディ運びとか、BメロのPPPHパートとか、サビで"ほら"と"もっと"がリフレインして"どんどんどん"と跳ねた旋律に収束するところとか、色々と教科書的だなと感じます。正しくアウトプットされていて好みだという意味なので誤解なきよう。

 このように安定した作りだけあって、繰り返し聴いているとこのポップセンスが段々とクセになってきます。ダンスミュージックと言っていいビートメイキングなところも個人的には高評価で、何だかんだ言いつつ結局好きになってしまうタイプの楽曲ですね。笑


☆ 笑ゥせぇるすまんNEW



 最後は格好良い曲に締めてもらいましょう。ということで、NakamuraEmiが歌うOP曲「Don't」を埋め込み。シニカルな歌詞とメロウでお洒落なアレンジが、作品のダークな雰囲気に自然と寄り添っていて、2017年の新しい『笑ゥせぇるすまん』にぴったりだと思いました。

 同時期から旧版の再放送も行われていたのであわせて観ていましたが、梅沢富美男の「孤独の唄」および「ココロの唄」(共に1993)も傑作なれど、両曲ともどちらかと言えば男性目線の内容だったので、こうして女性(目線)によるナンバーが起用されたことには意義がありますよね。

 "ナチュラル位が丁度いいのにどんどん濃くなる厚化粧"や、"不器用位が丁度いいのにどんどん身に付く女の計算"など、中村さんの鋭い観察眼が発揮された歌詞が素晴らしいです。サビで繰り返される"おいおい子どもがお前を見てるぞ"も非常に強烈な一節で、これにドキっとしない大人は居ないと思います。笑 MVを観れば尚更です。


● おわりに

 以上、「2017年のアニソンを振り返る・Part.3/5【春アニメ編】」でした。視聴本数が多かったため言及したい楽曲も多く、内容が長くなってしまった…のは僕にとっては毎度のことなので特に詫びませんが、埋め込み動画が多いせいで記事が重くなってしまったことについては申し訳ないと思っています。

 Part.4/5【夏アニメ編】へのリンクはこちらです。