今年の認定結果が出ました。

「要介護1」でした。


昨年と変わらずです。


1ヶ月前の訪問調査では、いろいろと頑張りましたが、


結局、変わらずでした。


有効打を何発か放ったはずなんですけどね。


でもまぁ変わらずということで、落ちなかったわけですから、よしとしましょう!




ということで、


引き続き、ヘルパー週6、デイ週1、を継続します。


もう少しデイを増やしたら?


宿泊も考えたら?


とケアマネさんに助言をいただきましたが、


毎週水曜日のデイを楽しみにしている母が、


週に2回になったり、泊まりが発生したら、


なんかパニックになりそうで…。


毎日デイに行く準備をしてしまいそうで…。


なので、最近は落ち着いているので、このままにしました。




介護認定は年に1度と勘違いしていましたが、次回は2年後のようです。

2年後はどうなっていることでしょうか…。


 

 

 

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実家に帰ったとき、家が狭いので、母と同じ部屋にもう一組布団を敷いて寝ている。

先に母が8時くらいに寝て、僕が夜中1時頃に部屋へ行く。


すると、


「あした6時に起きて・・・」
「あかんあかん。あっちに・・・」


なんかしゃべっている。


これは完全に寝言なのだが、寝言には聞こえないほどすごくハッキリと話している。


だから僕は「え?なに?」と聞いてしまう。


すると母は目が覚めて


「え?なに?」と逆に聞くので、


「今、お母さんがなにかしゃべってたから」と言うと、


「え?寝てたで。私なにもしゃべってへんで。」と言う。



うそ…

あんなにハッキリと6時がどうのこうのと言っていたのに…。



寝言は誰でも言うのだが、あまりにも鮮明なので驚き。


認知症の問題なのか、一人暮らしの問題なのか。


普段、誰からも注意されないからかな?



それで僕が寝ていると、


「あんた、布団から出てるわ。布団掛けたろか?なぁ?」


と聞こえる。


また独り言かよ!


いま何時だよ!


と思って薄目を開けて時計を見ると、朝の4時!



はぁ?4時?!

もう!うっとおしいなぁ!



まぁ無視していればそのうち黙るだろと思っていると、


「なぁ。布団から出てるわ。なぁ掛けたろか。なぁ!」


と、ずーーーーっと言い続ける。


これは独り言ではないぞ。


いちいち聞かずに、やるならやればいいのに、5分以上なぁなぁと言っている…。


朝4時ですよ!4時!


4時にずっとなぁなぁ言われたらもう怒りますよね!



あぁ…

消えて欲しい…


おねがいだから消えて…


おねがいだから砂漠でラクダに逃げられて…



「うるさい!!!」



と叫んでしまいましたが、


これは叫んでも仕方ないですよね?


 

 

 

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前から何回も書いているが、母はテレビに話しかける。

「あんな。向こうの人が手を振ってくれたら、私も振り返してあげるねん。

そしたらうれしそうにニコニコっとしてくれるねん。」


「こんにちはって言われたから、私もこんにちはって言ってあげたら、

すごくうれそうに笑ってくれるねん。」



重症である。



妻も実際に見るまでは「冗談でしょ」と言っていたが、本当にそれを見たときに絶句していた。


認知症だし、別に誰に迷惑をかけている訳ではないのだが、


やはり、こういうのは自然と「それは違う」と注意してしまう。



僕「もう!お母さん!向こうからこっちが見えるわけないやん!」


母「見えてるわ!アホかあんた!」



カチーン!

アホって…



ここはしっかりとシステムを説明しないと。


僕「お母さん。あんな、
もし向こうからこっち見えるんやったら、どの家も見えることになるやろ。
だってテレビはうちだけのためにやってるのと違うから。
テレビの人、同時に何万もの人に話しかけられても答えられへんで。」


母「???」


ダメだ…。ややこしすぎたか…。


もっと単純に…


僕「テレビの人は、カメラに話しかけてるねん。
それがこの家のテレビに映るねん。
向こうの人はカメラしか見えてなくて…」


母「あんた明日帰るんやったかな?」


あぁ…。母が得意の「興味がないときは話を変える」が出てしまった…。


どうしたらわかってくれるんだろ。



狭い家なので、僕が部屋の隅で着替えようとすると、プチッとテレビ切るし。


「お母さんが店やってたときの赤字をオレがどれだけ払ったか」とか身の上話をすると、プチっとテレビ切るし。


「なんで切るんや!見てたのに!」の連続。




あるとき、母が「刺身が食べたい」というので、僕が買い物のついでに買って帰ってくると、


「いや!私は焼き魚が食べたいって言った!」と言い出した。


いやいやいやと言い合いに。


そもそもが些細なことなので、軽い応酬だったが、


だんだん母は、

「私のことをどうのこうの言う前に自分のことしっかりせい!」とか
「そんなんで会社でやっていけるんか」とか
「あほ」とか…

そうなると僕もカチーンときて、


「誰に食わせてもろとるねん!」となってしまう訳ですよ。


こうやって冷静にブログを書いているときは、そんなことを言ってはいけないとわかるんですが、相手は自分の親なので、やっぱりガンガン言ってしまう訳ですよ。



怒りがピークのときに、ふとテーブルの端を見ると、

「さしみ」と書かれている紙切れを発見!



あ!そうだ!ここに欲しいものをメモしてたんだ!



証拠をつかんだ僕は、これぞとばかり言い返す。


しかし母は話を変えようとする。


あっ!イイ手を思いついた!


僕はテレビに映っている、ベッキーとぐっさんに


「ちょっとベッキーさんぐっさん聞いてください。


うちのお母さんね、自分で刺身が欲しいって言ったのに、刺身買ってきたら、焼き魚が欲しいって言ったか言うんですよ。


でもね。ここに、ほら証拠がありますよね。


"刺身"って書いてますよね。ね?ベッキーさんね?


見て見て見て!


さ・し・みって書いてますよね?!


うちのお母さんね、商売やってたときに赤字ばっかり出してね、


僕がそれ全部払ってたんです。


見てやってください。この人です。」


永遠と、ベッキーとぐっさんに説明してやった。


母は慌てて「いやいやいや」と言っていい、


テレビを切ろうとしたが、僕がリモコンを離さず、


もう僕は、もう永遠と言い続けてやりましたよ。



散々言って、画面からベッキーとぐっさんが消えたとき、


僕が「あれ?今のベッキーとぐっさんに聞こえてなかったかな?全然向こうで違う話してたな。」と言うと、


母は「こっちの言うこと聞こえてなかったな。よかった。」と言っていた。

都合が悪いときは聞こえなくなるようですね。うちのテレビは…。




おかげさんで、これをキッカケに、テレビに話しかけなくなりました。

3時間ほどは・・・


 

 

 

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2週間前の火曜日。ヘルパーさんから突然メールが。


「お母様が、今日、息子さんが帰られると勘違いして、お布団を干して、敷いて待っていらっしゃいました。」



え?



帰るのは木曜日なのに…。



すぐ母に電話。


母「そうやったかな?火曜日って聞いたのになぁ。」



実はそのとき木曜日に帰ることすらも告げていなかった。


理由は、帰ると言ったら、何回も電話がかかってくるから。


何回も「何時に着くの?」「ご飯は何食べる?」と電話が掛かってくるから。


何回教えても忘れるから。


だから最近は、前日まで母にはナイショにしている。


今回は、帰ることを言っていないのに…なぜ?



想像するに、


・認知症の認定調査があることをヘルパーさんか誰かが言った。

・ということは息子が帰ってくる。

・だけど、いつ帰ってくるかはわからない。

・でもいつ帰ってきてもいいように、布団を干しておかねば。

・というのは、いつか「布団がカビくさい」と息子が怒っていた。

・布団も干した。

・ついでに布団も敷いておこう。

・敷いた布団を見る。

・あぁ今日帰ってくるのか。



と…いう流れかな?と。



あぁ…ここまできたか…という感じ。



しかも電話の向こうでは、必死で


「ゼッタイ私は今日帰ってくると聞いた」
「私は間違っていない」


と言っている。



わかったわかった…。

もういいよ…。



そして5日前。

またヘルパーさんからメール。

「お母様が、今日、息子さんが帰られると勘違いして、お布団を干して、敷いて待っていらっしゃいました。」



えーーー!!!



今回は、先日亡くなった伯父の四十九日があるという情報が耳に入ったものと。



想像するに、

・伯父さんの四十九日があることを誰かが言った。

・ということは息子が帰ってくる。

・だけど、いつ帰ってくるかはわからない。

・でもいつ帰ってきてもいいように、布団を干しておかねば。

(略)



と…いう流れかな?と。


あぁ…ここまできたか…という感じ。

 

 

 

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今年も「認定訪問調査」がやってきた。


年に1回、市の調査員の方が家に来て、今年1年間の「介護度」を決定するための調査を行う。


昨年が初回で、今年が2回目。毎年実施される。


昨年は「要介護1」をもらった。


別に無理に介護度を上げたい訳では無いのだが、


現在、週6回のヘルパーさん、週1回のデイサービスを利用しており、


遠距離介護を続けるには、この介護サービスは何とか続けたい。


介護度が下がったのでは、何かを削らなければならないかもしれない。
 
 
 


今回も万全の準備をして臨んだ。


まず「母の状況」と書いたA4用紙1枚を作成。


昨年も作成したが、


「母がいかに認知症なのか」を書いたメモ。


しかも昨年のをベースに、この1年間で追加された症状を「赤」で追記した。


赤い部分が1/3くらいを占め、去年より認知症がレベルアップしていることが一目でわかるようにした。
 
 
 


当日朝、予定の時間に調査員の方がいらっしゃった。


挨拶を済ませ、早速質問開始。


質問内容は、ほぼ昨年と同じだった。


・生年月日、氏名、年齢は?
・今の季節は?
・自分で食事を作るか?ご飯は毎日炊いているか?
・歯磨き、お風呂には自分で入れるか?
・つめは自分で切れるか?
・毎日眠れるか?
・何時に起きるか?
・医者や買い物に自分で行けるか?
・TVは何を見る?
・最後に、私(調査員)の名前は何だったか?


ざっくりこんな内容。


別にありのままを見てもらえば大丈夫だし、僕が答えてはいけないので黙っているのだが、


介護度をキープするためには、そこはそれなりのアピールが必要。


「つめは自分で切れるか?」のときに、母は「自分で切ってるよ」と答えた。


すると調査員の方が「"つめ切り"を見せてください」と。


探し出す母。


しかし、引き出しを開けたら、孫の写真を発見し、


「これ私の孫ですわ。うちの子(僕)はこの子一人なんですけど、もう一人欲しかったんですけどね。流産したらできなくなって・・・」


といつもの、「1日いると10回聞かされる話」のひとつを始めた。


そこでここはチャンス!と思い、


「お母さん、お母さん、今、つめ切りを探してたんと違うん。」と、


関係ない方向に話が行ってることをさりげなくアピールすることに成功。


さらに母は、また次の引き出しで「はがき」を発見し、


「これ、大阪の友人で、栗熊に住んでたときに・・・」とまた長々と関係ない話をし始めたので、


「もうお母さん。つめ切りはどうなったん?」とさりげなく言うことに成功。


さらに母はつめ切りを見つけるのにモタついているので、僕は調査員の方を見ながら、わざと首をかしげる…。
 
 
 


よし!有効打3発!
 
 
 


話は続き、調査員の方が「TVは何を見てますか?」のときに、


母は「いつも見てますよ。向こうが手を振ってきたら、振り返してあげたら喜んでくれてね。」と。


キター!お母さんナイス!


僕はすかさず、


「え?お母さん。TVに手を振ったら、喜んでくれたん?」と言うと、


母は「そうや。いつもしてくれるよ」と。


「お母さんのこと、向こうは見えるん?」と言うと、


「見えるに決まってるやん!アホかあんたは!」と。


調査員の方も、どうしていいのか…という顔をしている。
 
 
 


よし!決定打!
 
 
 


こんな感じで、僕は終始黙ってはいるのだが、母のおかしな行動を逃さず、「わかりやすく」することに成功。


その後、母を除いての、僕と調査員の2人での面談でも、


「さっきのとおり、話がすぐ脱線して、全然話がまとまらなくなりました。」

「TVに話かけるようになって…。しかも"違う!"と言っても、むしろ怒り出すんです。」


とダメ押し。


調査員の方にはしっかり伝わったようで、調査員の口からも「認知度の進展が見受けられますね」と言ってくれた。


あと注意したのは、なんでもかんでもヒドいと言うと、すべてを誇張しているように思われてはいけなので、


できること・・・例えば、料理とか風呂とか着替えとか、こういう本当に問題のないことには


「そういうのはできます。問題ないです」と正直に答えた。


だからさっきの「おかしな点」がしっかり印象に残ってくれたのでは?と。
 
 
 


結果は1ヶ月以内に出る。


介護度が落ちないように…祈ってください。

 

 

 

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実家に帰っても、丸亀は僕の故郷ではないので、友人もいないし、楽しいことは特にない。


母の相手も楽ではないし。


しかし、唯一、楽しみなことがある。


それは「料理」だ。



母は料理が得意。


小さいときから、おいしいものを食べさせてくれた。


一方、妻は料理が苦手。


苦手というか全然しない。


結婚前に「私、料理苦手だから」と聞いていた。


でも結婚したら、料理ぐらいするだろう。


・・・と思ったのが大きな誤り。


本当に一切料理をしなかった。


ほとんど外食かほかほか弁当だった。


でも子供ができたら、料理はするだろう。


子供に栄養のあるものを食べさせたいという母性が働くだろう。


・・・と思ったのが大きな誤り。


ぜんぜん変わらなかった。


やっぱり弁当を買ってきていた。


子供は高2と中1になるが、


昨日の夕食はカップ麺。その前の日はメロンパン。その前の日はカステラ…。


信じられないかも知れないが、そんなもんばっかり食べている。


しかし、2人とも極めて元気で、病気をしない。


娘も息子も、小学校の卒業のときに「六ヵ年無欠席児童表彰」をもらった。


うーん。病気でもしてくれたら妻も考えるかもしれないのに・・・。


僕は毎晩、自分でスーパーのお惣菜を買って帰ってきて、酒を飲みながら食べている。



だから無性に、


「カレーが食べたい」
「ハンバーグが食べたい」
「とんかつが食べたい」


となる。


もちろん外食では食べてますよ。


けど、家で食べるカレー、ハンバーグ、とんかつは、なんか違うじゃないですか。


「家庭の味」というか・・・。



前置きが長くなったが、


実家に帰って、「カレー作って」「ハンバーグ作って」「とんかつ作って」と言うと、母が喜んで作ってくれる。


だからこれが実家に帰る唯一の楽しみ。





しかし・・・


母も認知症になり、昔ほど料理をしなくなったようで、


「カレー作って」と言っても、「どうやってやるんやったかな?」という感じに・・・。


「カレーぐらいできるやろ」と言っても、


出来上がったのが、水分が多くてでしゃぶしゃぶに仕上がってたり、


逆に、水分が飛んでドロドロのになったり・・・


あのときの「おふくろの味」が再現できなくなってきた。




悲しい。





これはホントに悲しい。





このままだと僕は「家庭の味」を生涯食べられなくなってしまう・・・。





今回の依頼は「ハンバーグ」。


母のハンバーグは特徴があり、外がカリカリで中がふわふわのタイプ。


一般的なものとは少し違うのかもしれないが、


これが僕の「おふくろの味」なのだ。それがおいしいのだ。





しかし母は「ハンバーグってどうやって作るんやったかな?」と言っている。


いや、僕に聞かれても・・・。


一般的なのを作られてもアレだし・・・。


そこで母は、ヘルパーさんに聞いていた。


ヘルパーさんは親切に、「玉ねぎをみじん切りにして、ミンチとパン粉に卵に塩こしょうをして、混ぜて・・・」と
説明していた。


そのときヘルパーさんが「玉ねぎは一度炒めておいた方がいいですね」と言った。


これが混乱のもとだった。


母は通常、ハンバーグを作るときに玉ねぎを炒めないようだ。


いつもと違うことを教えられたのだ。





夕方になり、料理開始。


母は不安そうに作り始めた。


そこで「パン粉と卵が無い」ことが判明。


僕は急いで近所に買いに行くことに。





帰ってくると・・・





あれ?





なぜ・・・香ばしいにおいがするんだ?





玉ねぎを炒めただけのにおいとは違うぞ・・・。





肉を焼いているときのにおいだぞ。





いやいや、パン粉も卵もないのに、まだハンバーグを焼くはずがないぞ。





そーっと台所へ行くと・・・





そこには、フライパンの中でミンチを炒めている様子が・・・







わーーー!






ちがーーーう!






ちがーーーう!






お母さん、それはちがーーーう!








そう叫ぶと、母は必死で「さっきヘルパーさんがこうせいって言ってたやん」と言い訳をしていたが、その場にいた僕は、ゼッタイそんなことを言っていなかったのを知っている。


そうか・・・メンチを炒めたらいけないこともわからなくなったのか。


そんなに判断力がなくなるものなのか。





仕方ない。


もうミンチを買いに行く時間はない。


その炒めたミンチと、買ってきたパン粉と卵で混ぜて作った。


炒めたてのミンチは熱くて、アツアツ・・・と言いながら作っていたが、


見た目は問題なく完了。





僕はそれを持って帰って、新幹線でお酒を飲みながら食べました。


いつもの「外がカリカリで中がふわふわのタイプ」とはちょっと違って、少し中が堅かったかな。


それにちょっと形が悪かったけど、味には大きな問題はなく、おいしかったです。




認知症でひとり暮らしの母の介護-ハンバーグ


 

 

 

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僕のおじさん。母の義理の兄が急遽亡くなり、母といっしょに葬儀に参列した。

母は正直、義兄さんの葬儀という意識がない。


葬儀ということは、わかってはいるのだろうが、


いっぱい人がいるので、大はしゃぎだ。


知っている顔を見つけては、主に以下の2つの話をする。



「私、居酒屋やってたんやけど、飲酒運転の取締りが厳しくなってから、パタっと客が来なくなって、店を閉めたんですわ…」


「息子がひとりおってよかったわ。息子が小さいときに、もう一人欲しいって言われたんですけど、流産してねぇ…」



これを「なんとかのひとつ覚え」のように繰り返す。


親戚にこの話をしても、親戚なのでみんな知っている。


でも認知症というのも知っているので、みんな「うんうん」と聞いてくれる。


…が、


2回も3回も同じ話をされるとさすがに限界を感じ、


僕の方を見て助けを求めてくる…。


「もうお母さん、それさっき言ったやん。ハハハ」


と僕が必死でフォローすると、


母は、


「ええやん。何回言うても。せっかく会ったのに。ねぇ。」


…と親戚の顔を見ながら言う。


親戚は…微妙な顔。



それを何回も繰り返し、そのたびに僕が


「もうお母さん。同じ話ばっかりしたらアカンやん。」


というのだが、母は


「何言うてるの!みんな喜んで聞いてくれてるわ!」と。



なんてハッピーなんだ…



僕の方がこんなハッピーな性格になりたいよ。


こんな性格になれれば幸せだろうな。


世間のなんにも気にならないだから。


僕は気にするタイプだから、もうドキドキだよ。


待てよ。


認知症ってもしかしたら幸せなのかも。


だって気を使うのは周りで、自分はぜんぜん気にしないんだから…。




お坊さんがお経を読んでいるときも、


「なんみょーほーれんげーきょー」


と一緒に唱え始め、


しかしずっと覚えてるわけもなく途中でついていけなくなり、


「わたし、昔は全部言えたんやけどな。忘れたわ。ハハハ。」


と結構大きい声で言う。







もうたのむよ…



お願いだから退場して…



お願いだから砂漠でラクダに逃げられて…





葬儀が終わり火葬場へ。


僕も久しぶりに親戚と会うので、あちこちと話していると、


ん?


あれ?


母がいない!




探す。探す。探す。




あっ!いた!




「私、居酒屋やってたんやけど、飲酒運転の取締りが厳しくなってから、パタっと客が来なくなって、店閉めたんですわ…」



…と、全然別の葬式の家族に話している図。




ぎゃーーーー!!!




すみませんすみませんすみませんすみません



を繰り返し、母を必死で引き離す息子の図。



やっぱり…フォーマルな場に出席させるのは…どうなんでしょうか。

お願いだから図鑑に載ってないキノコ食べて…


 

 

 

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一応、遠距離介護のブログを書いているので、今回は僕が感じている「遠距離介護のポイント」(?)みたいなことを書いてみます。



先日、丸亀に住むおじさんが急死した。(84歳)


母は丸亀出身で、今も丸亀に住んでいるが、


実姉(僕のおばさん82歳)も丸亀に住んでいて、


その人がダンナさんが亡くなったのだった。




連絡があったのは水曜日の夜23時。


「通夜は明日。葬式はあさって。」と。



えっ?



東京に住む僕が、四国の丸亀の翌日の通夜に出席できるかどうか…。


普通なら「あさっての葬儀には…」と言いたいところだが、


母が丸亀にいるドーン!


認知症の母を一人で通夜なんかに行かせられないドーン!


でも近所に住むお姉さんのダンナさんが亡くなって通夜に行かないわけにいかないドーン!



遠距離介護のポイント1


翌朝からでも出動できるように常に準備しておくべし。



準備とは、


①かばんの中にあらかじめそのまま旅行に行ける一式を入れておく

②飛行機、新幹線、特急など、切符の手配ができるようにインターネット予約の会員になっておく



まぁ重要なのはこの2つですかね。


②は「私は何時間立ちっぱなしでも大丈夫ですよー」という人は気にしなくていいんですけど、


僕みたいに「座りたい」「座席は窓側がいい」みたいな人には重要なポイントです。


新幹線はJR東海の「EXPRESS予約」がもう命です。


座席指定もできますからね。これは便利です。



あとは…




遠距離介護のポイント2


それなりの現金を常に用意しておくこと。




遠距離介護してると、何があるかわかりませんからね。


まぁ今回は親戚の急な葬儀ですけど、


母自身が倒れることだってあるわけですから。


お金がないので行けません。って訳にはいかないですからね。


パッと現金が必要になります。


今回は、往復の交通費で3万円。香典は母+僕で3万円。果物カゴも出したので2万円。


さらに帰省することで、通常なら使わなくていいお金も使いますから、


10万円は軽く飛んで行きます。


それぐらいはキャッシュで置いておきたいものです。



遠距離介護のポイント3


実家に衣類一式置いておくこと。




今回は喪服が必要。


喪服は着て行くとして、私服がないと、丸亀にいる間、ずっと喪服であちこち行かなければいけない。


近所のスーパーにも喪服ってイヤですよね。


今回は葬儀でしたが、通常時、会社から直接スーツで行くことだってあります。


じゃあカバンに私服を入れて持っていけば。と思うかもしれませんが、


カバンがすごく膨らみます。


Gパン、Tシャツ、セーター、トレーナー、


冬場は、ジャンバーとか必要ですからね。


あとは靴。


革靴で買い物もキツいですからね。


スニーカーが必要です。


もう何十回と帰省したので、いっぱい揃いました。


夏用冬用…すべて揃っています。



まぁ…とにかくお金が必要だということです。


遠距離介護は交通費はみんな意識するのですが、


こういう地味なお金もすごくかかります。


髭剃りとかもないですからね。母ひとり暮らしだと。



最後に


遠距離介護のポイント4


それら買い揃えたものは、親の目の届かないところに隠すこと。




久しぶりに帰省すると、ぜんぜん無いんです。あれもこれも。


しまわれてしまうんです。


置いてあった場所から動いてしまっているんです。


母は「触ってない」と言い切ります。


でも犯人は母です。母しか住んでいないんですから。


「どこにしまった?」と聞いてもムダです。


だって認知症なんですから。聞くほうがおかしい。


必死で探します。毎回。


大きな金庫でもあればいいんです。


でも大きな金庫なんかすごくイイ値段がします。


で、


僕が考えた名案。


スーツケース!


スーツケースって大きいし鍵もかかりますよね。


スーツケースもそこそこいい値段はしますが、金庫と比べると安いもんです。


Gパンをどこかのタンスの奥にしまわれると見つからないですけど、


スーツケースは仮にしまわれても、目立ちますから。


これは名案でした。特許とりたいくらい(?)



いかがですかね?ポイント4つ。


実践しないと気づかないポイントだと思いますが。どうでしょ?




※葬儀でのバタバタ劇は次回。

 

 

 

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先日実家に帰った日は、たまたまWBCの準決勝のプエルトリコ戦の日だった。


母を朝一番で医者へ連れていったので、10時のプレイボールに間に合って、ずっと見ることができた。




僕は野球大好き。




小さい頃からずーっと野球を見ている。


野球の詳しさには自信があり、解説者よりも先に解説してしまうくらい。


子供と野球を見ていると、「あっ。お父さんと同じことを解説者が言った。」と言うくらい。


まぁ毎日見ているんだからそれくらいのことは当たり前かな。




特にWBCはずっと真剣に見ており、


「野球は日本が一番強い」と自負する僕としては、自分が戦っているくらい本気だ。




母「これなんていう選手なん。」




母が横でいっしょに野球を見ている。


あぁジャマだなぁ。


こっちは真剣に見ているのに。


お母さん野球のことわからないでしょゼンゼン。


それにこの選手の名前を聞いたって、あなたにとって何も意味がないじゃん。



僕「前田・・・っていうかちょっと今は話かけんといて。真剣やから。」

すると母は、一応空気を察して、話しかけるのを遠慮してくれた。



試合は1点ビハインドのまま進む。

ジリジリした展開だ。

何故このプエルトリコの無名の投手が打てない。

お前ら日本を代表するバッターたちだろ。



解説者「プエルトリコのピッチャーのシンカーに日本打線は全く手が出ないですね。」

母「手が出ないわ・・・。」


うっ。

お母さんが得意の「TVで言ったことを復唱する」が始まった。

真剣なときにこれをやられると、どれだけ迷惑なことかおわかりだろうか・・・。



アナウンサー「インコースに一球外しました」

母「外したわ」



解説者「狙い球を絞ってボール球に手を出さないで欲しいですね。」

母「ボール球やわ」



もう!おかーさん!



長い難しい文章のときに、ちょっとわかる言葉だけをチョイスして復唱するのやめて!



アナウンサー「阿部三振!外角のスライダーですかね。」

母「ズライダーやわ」



お母さんに聞いてないって。

しかも"ズ"ライダーって。

知らんのやったら黙っとけよ!




解説者「アウトコースの球には手を出さずに、しっかり見極めたいですね」

母「アウトコースやわ」



あー!もうガマンできない!



僕「もうお母さん!ホンマにうるさいから!いちいちTVの言うこと言い返さんといて!」

母「わかったわかった。もう言えへんわな。そんな大きい声ださんでもエエわ!」



母と息子の間に沈黙が流れる。

しかし僕は息子なのでよーく知っている。

母は沈黙に耐えられない性格だということを。

1分も持たないことを。



アナウンサー「3アウトチェンジ。この回も日本はチャンスを逃しました。」

母「のがしたわ」



イライライライライライライライラ!



勝ってるときならともかく、負けてるときにこれをやられると本気で腹が立ちます。

僕の戦いは、プエルトリコだけではなく、母もだった。



例の「ダブルスチール失敗」のときは、うちの母が「あぁ。何してるの!あほやな!」と言っていました。

その言葉を、お母さん、あなたにあげたかった。

ショックとイライラで血圧が500くらい上がりました。


 

 

 

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ヘルパーさんが家に来てくれるようになってから、母へ電話する機会がめっきり減った。


去年の5月にヘルパーさんが来てくれるようになる前は、最低でも週に2~3回は電話を掛けてた。


母の方からも電話があったし。


象印の「みまもりポット」を使う前までは、毎日だったね。


今はヘルパーさんが毎日母の状況をメールしてくれるので、


無事だとわかると、話すこともなくて・・・。


「元気か?」「なんかあったか?」と言う会話が主だが、元気なのわかってるし、何もないの知ってるし・・・。


用事が無いときは1週間ぜんぜん電話しないなんてこともあるように・・・。


「介護をやってます」と堂々と言える立場にないよね。これじゃ。


介護をしてくれているのはヘルパーさんで、僕はなーーーんにもしてないよ。
 
 
 
 
・・・とか言っていると、何か起こるんだよね。いっつも。


母を自由にするとロクなことが起こらない。


たまには電話しないと・・・。
 
 
 
僕「最近どうや?」


母「別になんにもないで」


予想通りの答え。


しかし僕はわざと・・・


僕「なんかしたやろ」


母「え?なんもしてないで」


僕「知ってるんやぞ」


母「え?なんかしたかな・・・。あっ!」


あ!やっぱりなんか隠してる!


母「あんたの置いてあるTシャツで、こぼしたオレンジジュース拭いたことか?」
 
 
 
 
なにっ!!!
 
 
 


 

 

 

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