前から何回も書いているが、母はテレビに話しかける。
「あんな。向こうの人が手を振ってくれたら、私も振り返してあげるねん。
そしたらうれしそうにニコニコっとしてくれるねん。」
「こんにちはって言われたから、私もこんにちはって言ってあげたら、
すごくうれそうに笑ってくれるねん。」
重症である。
妻も実際に見るまでは「冗談でしょ」と言っていたが、本当にそれを見たときに絶句していた。
認知症だし、別に誰に迷惑をかけている訳ではないのだが、
やはり、こういうのは自然と「それは違う」と注意してしまう。
僕「もう!お母さん!向こうからこっちが見えるわけないやん!」
母「見えてるわ!アホかあんた!」
カチーン!
アホって…
ここはしっかりとシステムを説明しないと。
僕「お母さん。あんな、
もし向こうからこっち見えるんやったら、どの家も見えることになるやろ。
だってテレビはうちだけのためにやってるのと違うから。
テレビの人、同時に何万もの人に話しかけられても答えられへんで。」
母「???」
ダメだ…。ややこしすぎたか…。
もっと単純に…
僕「テレビの人は、カメラに話しかけてるねん。
それがこの家のテレビに映るねん。
向こうの人はカメラしか見えてなくて…」
母「あんた明日帰るんやったかな?」
あぁ…。母が得意の「興味がないときは話を変える」が出てしまった…。
どうしたらわかってくれるんだろ。
狭い家なので、僕が部屋の隅で着替えようとすると、プチッとテレビ切るし。
「お母さんが店やってたときの赤字をオレがどれだけ払ったか」とか身の上話をすると、プチっとテレビ切るし。
「なんで切るんや!見てたのに!」の連続。
あるとき、母が「刺身が食べたい」というので、僕が買い物のついでに買って帰ってくると、
「いや!私は焼き魚が食べたいって言った!」と言い出した。
いやいやいやと言い合いに。
そもそもが些細なことなので、軽い応酬だったが、
だんだん母は、
「私のことをどうのこうの言う前に自分のことしっかりせい!」とか
「そんなんで会社でやっていけるんか」とか
「あほ」とか…
そうなると僕もカチーンときて、
「誰に食わせてもろとるねん!」となってしまう訳ですよ。
こうやって冷静にブログを書いているときは、そんなことを言ってはいけないとわかるんですが、相手は自分の親なので、やっぱりガンガン言ってしまう訳ですよ。
怒りがピークのときに、ふとテーブルの端を見ると、
「さしみ」と書かれている紙切れを発見!
あ!そうだ!ここに欲しいものをメモしてたんだ!
証拠をつかんだ僕は、これぞとばかり言い返す。
しかし母は話を変えようとする。
あっ!イイ手を思いついた!
僕はテレビに映っている、ベッキーとぐっさんに
「ちょっとベッキーさんぐっさん聞いてください。
うちのお母さんね、自分で刺身が欲しいって言ったのに、刺身買ってきたら、焼き魚が欲しいって言ったか言うんですよ。
でもね。ここに、ほら証拠がありますよね。
"刺身"って書いてますよね。ね?ベッキーさんね?
見て見て見て!
さ・し・みって書いてますよね?!
うちのお母さんね、商売やってたときに赤字ばっかり出してね、
僕がそれ全部払ってたんです。
見てやってください。この人です。」
永遠と、ベッキーとぐっさんに説明してやった。
母は慌てて「いやいやいや」と言っていい、
テレビを切ろうとしたが、僕がリモコンを離さず、
もう僕は、もう永遠と言い続けてやりましたよ。
散々言って、画面からベッキーとぐっさんが消えたとき、
僕が「あれ?今のベッキーとぐっさんに聞こえてなかったかな?全然向こうで違う話してたな。」と言うと、
母は「こっちの言うこと聞こえてなかったな。よかった。」と言っていた。
都合が悪いときは聞こえなくなるようですね。うちのテレビは…。
おかげさんで、これをキッカケに、テレビに話しかけなくなりました。
3時間ほどは・・・
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